ひさびさにカシオがやってくれた。
ケータイのカメラ機能といえばカシオ計算機製端末と言われた時代もあったが、最近の同社製端末はAFは搭載するものの、解像度は2Mピクセルほどのものが続いており、インパクトがそれほどなかったのだ。
それが久々にグッと来るカメラ性能を備え、さらに「EXILIM」ブランドを冠して登場した。それが、有効515万画素と携帯最強クラスのCMOSセンサーを搭載し、前モデル「W51CA」よりスリムになった「EXILIMケータイ W53CA」だ。
EXILIMケータイ W53CAのどの辺がどう“EXILIM”なのかは、別途、開発者インタビューを参照いただくとして、ここでは最も気になる「実際の画質」や「使い勝手」を中心にチェックしていく。
EXILIMケータイ W53CAのカメラ機能において、その性能上のポイントは大きく2つある。
1つは35ミリカメラ換算で28ミリ相当の広角レンズを搭載したこと。従来の携帯カメラと比べてかなり広い範囲が撮れるようになっている。これは撮影距離がとりにくい室内撮影時などに特に有効だ。
もう1つは有効515万画素(5M)のCMOSセンサーを搭載したこと。最近の携帯カメラは進化も著しいがそれでも画素数は2Mから3M。2006年秋冬モデルでシャープが500万画素CCD+光学3倍ズームレンズ搭載モデル「910SH」(カメラレビュー参照)を投入したが、2007年モデルの後継機は(まだ)登場していない。つまり、EXILIMケータイ W53CAは現行モデルとして最高画像サイズとなるわけだ。
ところで携帯カメラに「5Mもいらないよ」という人もいるだろう。わたしも単体の写真という範囲では携帯カメラにそこまでは求めていない。
しかし“携帯カメラの5M”には違うメリットがある。
1つはデジタルズーム時の画質。例えば、最大5Mのカメラを1Mモードで使うと、5Mピクセル分のセンサーの中央1Mピクセル部分を切り出すことで、画質劣化のないデジタルズームとなる。これはVGAサイズほどならもっと拡大できる。光学ズームレンズを搭載しない携帯カメラの場合、この差は大きい。
もう1つはEXILIMケータイ W53CAが搭載する「ナイトビジョン」機能に効果がある。通常、デジタルカメラは感度を上げるとその分ノイズが増えて画質が劣化してしまう。ナイトビジョン機能は、それを補うために4つの画素を混合して1つと扱うことで感度を上げるというものだ。4つを足すので単純に考えると感度は4倍になる。その分、出力画像サイズは小さくなる(1Mサイズになる)が、画質を保てるという意味で高画素をうまく活用できることになるわけである。
では早速、作例をチェックしていこう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.