無くなっていく暗渠
長崎ではここ数年、暗渠だったところが次々にオープン化され、川に戻す作業が行われている。理由は老朽化とか防災とかいろいろあるみたいだが(それらの是非はともかくとして)、どういうわけかこれらはビジュアル的にすごいところが多かった。
そのビジュアル面のみに着目したい。
川の先に暗渠がある。
暗渠の上に在った今はなき恵比寿市場。
まずは暗渠の上に建っていた大黒市場と恵比寿市場。(2つの市場が隣接している。実質1つ)
中の様子。
なんとも独特な景観。最初これらが暗渠の上にあるとは思わなかった。
グーグルマップ上ではまだ市場になっており、ストリートビューで建物を確認することもできる。(2013.3時点)
植物もド迫力。
市場が完全に撤去され、川になった。
あれだけ生活感満載だった場所が川という真逆の光景に変わった。
川下に向かって行くと
その川をもう少し川下に向かって行くと、大きな国道の下をくぐり、
赤矢印のあたりも撤去され、暗渠でなくなった。
撤去前の写真を探してみたがいいものがなく、かろうじて見つかったのが上の写真。以前は何だったかいまいち思い出せない…。
まず上の建物が撤去され、
やがて完全に川になった。
人は普通、駐車場の写真とか撮らない
中華街の前を流れている川も以前は暗渠で、駐車場だった。
少し前までこの川が暗渠だった。
暗渠でなくなって川になった時、驚いてすぐ写真を撮った。が、駐車場だった頃の写真はいくら探してもみつからない。
中華街の門の写真なら何枚も、同じようなアングルでばかり撮っていたが、そのすぐ目の前にあった駐車場は1枚も撮ってなかった。それどころか丁寧に駐車場が写らないように撮っていた。
よく、「写真は引き算」とか「いかに対象を切り取るか」といった写真論を聞くが、逆に周りのいろんなものが写り込んでる方が重宝することも多い(その時は気にしてなかったものが写ってる)。
ランタン祭りのシーズンはなかなかに風流。
川の上に建つ住宅群
こちらは暗渠ではないが、似た系統で川の上に建つ家々があった。
水の都。
ほぼアート。
が、この光景も今では過去形となった。
現在の様子。
ビフォー
アフター
銅座市場&ハモニカ横町
最後に見るのは、今も現役の暗渠。
先日ここも撤去の予定だと新聞に報じられていて驚いた。
「ブレードランナー」で見たような光景。この下を川が流れている。
ここは飲み屋街で、両サイドとも外側に向けて店が並んでいる。そのため各店舗の裏側ばかりが連なっている。
共用トイレ。店の人に言うとカギを開け使わせてくれる。
ザ・路地裏。昼でも薄暗い。
こちらは表側。
銅座市場。ここも暗渠の上で
市場を抜けると川になっている。
第3ステージ
元々川だったところを川に戻すことは自然破壊の逆なので(おそらく)環境的には良いことである反面、混沌とした独特の愛すべき街並みが失われていくのは寂しくもあり、心情的にはなかなか複雑なところだ。
以上、長崎の暗渠事情でした。