東京大学工学部広報室 内田麻理香
http://d.hatena.ne.jp/ut-tlounge/
私は子供(小学生)の頃に父親からラジオの作り方を教わったのがきっかけですね。その後、アマチュア無線、マイコン(パソコンではない)と工学系の趣味を通って仕事になってますね。
きっかけ:
小学校の図書館の「宇宙怪獣ラモックス」(ハインライン)
興味の加速:
アポロ計画(当時は月へ次々と人が送り込まれていた。小学生男子の憧れの職業はダントツで「宇宙飛行士」)
宇宙への想像力:
「宇宙戦艦ヤマト」(「無限に広がる大宇宙」へ行きたいと思った)
ものづくりに目覚める:
紙飛行機に夢中になる。(小学校→大学)
ハードSFを知る:
クラークの「2001年宇宙の旅」を読む。現実とSFとの境目は「無い」と確信する。
スターウォーズとガンダムとの出会い:
高校の時にスターウォーズ公開&初代ガンダム放映。「これ、作れるんじゃないか」と思う。
そんな時が、ちょうど大学受験。進むべき道は、「人類が作ったことの無いものを作れる分野」→「工学」しかない。
大学にて:
「星を継ぐもの」JPホーガン、「竜の卵」RLフォワード、「中性子星」Rニーヴン。→自分の延長線上に、これらのSFがあると実感していた。
そしてこの本:
「創世記機械」JPホーガン
「工学」は何ができるのか、という問いにSFで答えたもの、と私は解釈しました。ああ、この路線に進んで「正しかった」のだと。
※つらつらと書いてしまいましたが、手を使って「工夫しながら」物を作る喜びを、紙飛行機で身につけたことが一番大きかったのかもしれません。飛行機は工夫しないと飛びませんから。
takejinさん
詳しいご回答、ありがとうございます!
もう、すべてのものが網羅されている感じです。
ブログの方でも書きました、中須賀先生も「ヤマト」「2001年宇宙の旅」「スターウォーズ」を挙げていらっしゃいました。
>現実とSFとの境目は「無い」と確信
ああっ、これいいですね~。
初代ガンダムで「宇宙コロニー作りたい」と思った私と同じにおいがします(と失礼なことを!)。
そっか、アポロ計画当時の小学生男子の憧れの職業は「宇宙飛行士」だったんですね~。夢のいっぱいある時代ってことかな。
紙飛行機、工学センスを養うのに最適な遊びじゃないでしょうか? 作って、工夫して、頭使って、確かめる……という。
工学を志したきっかけ:理学よりも工学のほうが入りやすかった。その後、工学部に入って学んでいるうちに、物作りや実験に引かれていきました。
やめてしまったきっかけ:物作りや実験を続けているうちに、考察や事象の原因を追求したくなってしまい、卒業後に理学系の研究分野に。工学を嫌いになった訳ではないので、工学部時代の経験と知識を活用して理学の研究に役立てています。。。多分。
wdmhedpさん
ほんとは理学系志向だったんですね、確かに受験にあたって「入りやすさ」は大問題であります。
>工学部時代の経験と知識を活用して理学の研究に役立てています
それは何よりです!
途中で分野を変えたり、方向転換された人は意識されているにせよ、無意識にせよ役立てている方が多いですよね。wdmhedpさんのように、ご本人の意欲次第なのでしょうが。
中学校の時に見た立花隆さんの番組で
「アポロ13号奇跡の生還」という番組にえらい感動してしまって
それから毎日図書館で宇宙に関する本を読んでました。
アポロ13号を生還させたときのNASAの司令官が
ものすごくかっこよくて、NASAに就職したいという壮大な夢を持ってました。
NASAにはコンピュータがたくさん並んでいて
「NASAに行くには工業系の高校にいかなければ!」と思い
女ながら工業系高専を受験しました。
そこでプログラミングを習い、結局海外に行くこともなく
プログラマとして就職しましたねー。
宇宙への憧れはまだ持ってますが。
taro707さん
なーんと、立花隆氏が一枚かんでいたとは! 人を感動させて進路を決めるきっかけになるというのはすごいっ。
私もNASAに憧れました……(きっかけがガンダムというのがアレですが(笑))
生還させたNASAの司令官! 「人」に憧れる、ってのも大きな同期になりますよね(私はナイトライダーの女性メカニックに憧れた
ってのがアレですが(笑))。
私がまーったくわからないので、プログラミングできる方には憧れます!
宇宙旅行に安価に行ける時代になれるといいですよねえ。長生きしなきゃっ。
コンピュータのエンジニアとして回答します。
まだゲームセンターが「不良の溜り場」と認知されていた昔、
ゲームを好きになった中学生の自分が「自分で作りたい」と思い、MSXを購入してBASICを独学したのが「きっかけ」でした。
いかにも小物なオタっぽくて恥ずかしいっ(/ω\)
でも、このくらい敷居が低くてもいいよね?
PoohKidさん
>ゲームを好きになった中学生の自分が「自分で作りたい」と思い
小物だなんてとんでもない! 「自分で作りたい」と思うか否かが「工学魂」が生まれるか否かの原点のひとつのような気がします。
……私は遊びたい、とは思ったけど作りたい、とは思わなかったわ。うう。
きっかけ・・・小さい頃見たような戦隊ものやガンダムみたいなロボットを作ってみたくて、ただ中学生のときに出場した。ロボカップジュニアの予選で大敗し、他人との技術・経験
の差を痛快しその後、進路を文系にしました。
YUNJIさん
わー、ガンダム仲間(笑)。ロボットに憧れた、って方は多いでしょうね。アトムもそうでしょうし、もう少し上の世代の方だとアシモフの作品とか。
>他人との技術・経験の差を痛快し
ああ……そうだったんですか。
ちなみに私は大学で周りと比較して自らの理系センスのなさを悟った一人です。中学から理系科目は苦手なことはわかっていたんですけどね……(手遅れ?)。
現プログラマーです。
小学生~中学生の頃テレビゲーム、ミニ四駆、ラジコンにハマり、
いつしか漠然と作る側に回りたいと思うようになっていました。
そしてNHKのロボットコンテストを見たのがトドメとなり
工学系への進路を志すようになりました。
ただ、個人で何か面白いことをやるには
機械系では設備や材料の調達を考えると難しいと考え
結局電気・情報系に至りました。
極端な話、プログラムはPCと開発環境さえあれば何とかなりますから。
だたこの業界、それだけに才能溢れる個人が想像以上に多く、
人より面白いこと、凄いことを成すまでには残念ながら至ってません(^^;
yu-kunさん
私だったらテレビゲーム、ミニ四駆、ラジコンに夢中になっても「作りたい」とは思わないだろうに、その差はどこから生まれるんでしょうね。一応、工学系出身ではあるものの……。
ロボコンは確かに影響力大きそう!
プログラマの方って、仰るとおり「PCと開発環境」で「モノを作ってしまう」ところが素晴らしいです。そこに私は憧れるんでしょうね。
さまざまな予測にも重要な手段ですよね!
やはり、懐かしの電子ブロックを小学生の時に買ってもらったことがきっかけじゃないですかね
それと、ゲッターロボ等のロボットアニメ、特に合体したり、変形したりするのを見て育ったところが、やはり強く影響しているでしょうね
その上で、中学、高校時代に出てきた、パソコン(MZ-80B、2000、PC-8801等)をいじくることが、決定的に工学系の進路を位置づけたと思います
そのまま大学は工学部機械系に進み、ロボットアームを制御するゼミで、プログラミングをしていましたね
ただ理系の場合は、学校推薦等で、進路がある程度決められるため、メーカーはメーカーでも、ハウスメーカーに進みました
それもライン設計とかをする工場関係ではなく、建築設計の方に・・・
donpelさん
わー、電子ブロック! 実は大学に進んでから、あの手のもので遊んでおけばよかったと後悔した私でした。学研の科学はやってたのですけどね……。
ロボットアニメ、今もありますけど、現代のお子さまたちも作ったりして遊んでいるのかしら? あと、出始めのパソコンってまるっきりのブラックボックスじゃなく、自分の「裁量」であれこれ遊べる余地がありますね。
なるほど〜学校推薦で建築設計のほうですか。もちろん、建築も工学のカテゴリに入りますが。先日、機械系の先生が「機械って一部だけじゃなく、全体が動かないと意味がない。だからトータルな視野を持った人材となる」ということを言われてました。
幼稚園・小学生:
理科が好きでした。
中学生・高校生:
理科の中でも工学系の分野に興味を持つようになりました。レーザとか、エンジンとか、新幹線、戦闘機、そういった先進的なイメージのものに強く惹かれはじめました。
先進技術の世界に自分の手で少しだけでも近づきたいと思って、中学のころにプログラミングを始めました(家に父のPCがあったので)。また、PCを動かしている原理に興味を持ち電子工作も少しだけやりました。PCと自作回路を通信させるプログラムができたときは嬉しかったです。
大学生・大学院生:
機械工学を専攻。
来春からは、機械メーカで働く予定です。
j3672さん
「先進的なイメージのもの」……このお答えは嬉しいですね。もちろん、今だって先進的なものはあるのですから、工学に興味を持つ人が今後も増えるという明るい見通しが(←楽観的すぎ?)!
また、プログラミングをしていた……という方が多いのが私にとって意外でした。ご回答、ありがとうございます。やっぱりこのアンケート機能はありがたいです。
来春からの就職も応援しておりますね~。
家を建てていた大工さんに憧れたのがきっかけです。
その後、獣医になろうと思い、高校では理系クラスに
進みましたが、成績が足りず(笑)。
子供の頃の夢に軌道修正し、建築工学科に進学しました。
高層ビルの現場監督が目標だったのですが、
当時は女性に門戸開放されておらず、
路線を完璧に変更し、音楽雑誌の編集者になりました(笑)。
現場監督になるため、勉強してたのに・・・
挫折感はありましたね。
しかし、理系・・・特に建築は理系といっても
人が住むための家を建てるわけですから、
色彩学やらページ・レイアウトの感覚とか、
ここでの勉強は、今も気がつくと役に立っています。
suikoteiさん
大工さん!
以前、ブログでも書いたのですが
http://d.hatena.ne.jp/ut-tlounge/20070820/p1
月尾名誉教授が「技術」のラテン語、ギリシア語の語源はまさに「大工」に近い!というお話をされていました。
>当時は女性に門戸解放されておらず
ううっ! それはキビシイお話です。
さぞかしご苦労されたかと……。
音楽雑誌の編集者とはまた大幅な路線変更ですね。おっしゃるとおり、
>人が住むための家を建てるわけですから、
>色彩学やらページ・レイアウトの感覚とか
まさに編集者に要求される感覚と同じですね。人生、何事も意味があるんでしょうね……しみじみ。
30代・女・情報工学科出身です。
きっかけは、小学生のとき。いとこが持ってたMSXです。
親にねだって同じのを買ってもらって、意味もわからずBASICを打ったのが始まりでした。
そのままプログラミングへの興味は続いて大学もその方面に進みCとか書いてましたが、仕事にはしませんでした。
いろいろなことがあって「仕事にはできない」と思ったので。
コンピュータそのものへの興味が尽きた訳ではなく、今でもSEという職種なので一応近いところにはいますが。
ガンダムは好きで見てたけどそこから工学系に進む発想はなかったです。何でだろう。
でも、あと2,3年早くロボコンを見ていたらそっちに進んでいたと思います(^_^)
(大学に入ってから熱心にロボコンを見るようになったので)
quartermoonさん
MSX、懐かしいですね~。親にねだってMSXを買ってもらう女の子、なかなかステキです。
そこからプログラミング、情報工学科、そしてSEということは小さいころの興味が失われず続いているように思えます。
>ガンダムは好きで見てたけどそこから工学系に進む発想はなかったです
でも、ガンダムは見てらっしゃったんですよね。ふっふっふ。
ロボコンはオトナになった今でも魅力的な番組です。
化学をやりました。
なぜ工学を目指したかと言うと
親父が分析技術者で
家に帰っても勉強したりしているのを見ていたからだと思います。
pascal7さん
化学で工学とは私と同じですね! しかも分析は私の学生時代の専門でもあります(一応……)。
「父親の背中を見て」ってことなんですね。ステキです。私の知っている理系の先生方でも、お子さんが理系進学をしたという例をいくつも知っております(娘3人とも理系、という例が2組も!)。
子どもの頃は夏休みだけでなく,冬以外は毎日,近くの川で遊び回っていました。木を船の形に切ってモーターとスクリューをつけて船を造って,走らせていたりしてたのが原因か,中学生の頃は船とか橋などの大きなものを作る人になりたいと思っていました。
本などは全然読まず,あんなものは人が生きるためのなんの役にも立たないではないか,と思っていました。
それで,高専の機械科に進学しました。
ところが,そこで寮生活をするうちに文学好きな友達ができて,小説なんかを読むようになってしまい,自分が衝撃を受けて,「本というものは人の生き方を変える力を持っている」ということを体験してしまいました。それで,いまは子どもの頃の思いとはまったく変わってしまい,出版社に勤めています。
しかし,いまでもその子どもの頃の夢ははっきり覚えているので,なんとなく,理系へのはたせなかったあこがれというものがいまだにもっていて,それで,理系の内田さんのブログなどを時折読んだりしているに違いないと自分では分析しています。
foldingkayakさん
なんだかうらやましい子供時代の遊び方ですね。しかもモーターやスクリューを造ってしまうってところがタダモノではありませぬ。
>本などは全然読まず……
そこから衝撃の大転換が!
foldingkayak さんのキャリアもまた伺っていて興味深いです。おそらく、その子供のころのセンスを活かしながら出版をされているのでは、と想像されます。
私のブログを見てくださっているとは光栄です、ありがとうございます~。
今後とも頑張りますね。
30代男性です。
思い出せる限りで2つほどありますので、勝手ながらどちらも書かせていただきます。
1.小学校就学前に家にやってきたビデオデッキ
「好きなテレビ番組が何度も見られる」という事実に子供心に衝撃を受けました。
加えてデッキ挿入部から見えるメカニズムにもドキドキした記憶があります。
2.小学校時代に友人宅にてスターウォーズを見た大型テレビ&ステレオ
スターウォーズも大好きですが、それ以上にテレビとステレオの大きさにやられました。
その友人の父親は家電メーカ勤務だったため色々な製品があって羨ましかったことを覚えています。
小学生くらいで進む道を決めてしまっていたため、大学も迷わずに工学系へ。
ただWindowsが話題になったころだったため、機械ではなく情報系に進みました。
今現在、上に書いた友人の父親と同じ会社で半導体設計エンジニアとして働いています。
入社してすぐに連絡し、会社でお会いしたときには何か感慨深いものがありましたね。
また、自分が設計に携わったチップが製品に搭載されたときは本当に嬉しかったです。
siohkunさん
ご回答ありがとうございます。
どうも、私と近い年代(いえ、きっと私よりお若いはず(笑))で、同じ頃にビデオデッキに接しているはずなのに
>デッキ挿入部から見えるメカニズムにもドキドキ
ってところがすごいですね。
>スターウォーズを見た大型テレビ&ステレオ
わー、さぞかし凝ったステレオとビデオだったんでしょうね。下手な映画館より感動するかも! その友人のお父様もかなりマニアとお見受けしました。
>上に書いた友人の父親と同じ会社で半導体設計エンジニアとして働いています
んーなんだか転機となった方と同じ会社に入り、まっさきに連絡して……って良いお話ですね。
>自分が設計に携わったチップが製品に搭載されたとき
これがきっと、メーカーの方のものづくりの醍醐味なんでしょうね。どんなものでも「作った物が目の前に」ってことは嬉しいものですが(料理でも手芸でも)、それが製品になって売られる〜というのはその何倍も!
私の場合は単純に、中学高校の時に「数学・物理」が得意だったからです。
方程式さえあれば(もっと言えば方程式・解き方さえ分かっていれば)応用効かせてでもきっかりと答えが出る科目の方が、暗記のみの科目や英語国語よりも性にあってました。得点の伸び率が極端に違ってたので、これは相性だと思います。
特に、物理は高校の先生が「好き」だったので、異常に頑張りました。
ちなみに数学物理のみで、化学とかは全く分かりません。
以上の様に、自分の場合はある意味不純な動機で工学系大学生になったと言っていいでしょう。おかげで、深い話になった時、専門的な話になった時に周囲とのモチベーションの差を感じる様になりました。
virtualさん
早速のご回答、ありがとうございます。
ファインマンなどもラジオ修理などを例にあげていますね(理論屋だったけどものづくりもできた物理学者)。
三つ子の魂……ではないですが、まさにものづくりの王道を通って仕事に繋がっている、という感じですね。