こんにちは、 昼飲み好きのアカサカです!京都や大阪の美味しいお店を食べ飲み歩いています。京都で食事=お高い料亭というイメージを持っている人がまだまだ多いですが、「京都には安くて美味しいものがたくさんある!」と(勝手に)啓蒙活動中です。
これまでも、絶品すぎる天津飯をいただける「マルシン飯店」や、学生はじめ地元に愛され続ける元祖デカ盛り店「ハイライト食堂」などを紹介してきました。どのお店も独創的で「ここでしか食べられない」メニューがあります。そのため、京都観光に訪れた人にもぜひ知ってほしいのです!
というわけで、今回も他にはないメニューをいただける美味しいお店を紹介します。その名も「京一本店」。創業70年を超える老舗ですよ。
ラーメン、丼ぶり、あんみつ、パフェ…ここは何屋さん?
京一本店があるのは四条大宮エリア(詳細なアクセスについては後述)。昭和23年(1948)年創業とのことで、終戦直後から営業されています。創業70年を迎えた老舗なのです。
たたずまいからして名店の香り……!そして京一のお隣にはなんと、餃子の王将の1号店!
看板にはしっかりと「1号店」の文字が刻まれています。
ちなみに、餃子の王将は昭和42(1967)年に誕生。すなわち、王将ができたときにはすでに京一があったというわけです(建て替えているので創業当時の外観ではありませんが)。
入り口の手前には心躍るショーケース。こういうのがあるお店って、なんだかワクワクしてしまいますよね。
上のほうには丼がずらっと並んでいるかと思いきや……
下段にはパフェやあんみつ!しかも何種類も!デザートまで充実しているお店なのです。
ご近所の方はもちろんのこと、海外からの観光客にも人気なんですよ。
その証拠に、
店頭には、外国語(英語、中国語)メニューも貼ってありました。入店前にチェックできるようにしているのが親切。
店内は大衆食堂っぽさがありつつも、わりとゆったりしていて過ごしやすい雰囲気。
壁に貼ってある手書きメニューの力強さが良いですよね……!肉丼の隣にはミックスパフェという寛容さ。
濃厚でスパイシーな「カレー中華」はマスト
京一に来たら食べるべき名物が「カレー中華」(680円)。カレー×中華とは……?と不思議に聞こえますが、まずは見てみてください。
カレーだ!!!
器のギリッギリまでカレーです。
このカレーの海の底には何が埋まっているのでしょう……?
※あまりにタプタプなので、まずはカレールーを取り皿によそってから食べ始めましょう。
箸を入れてすくい上げてみると、カレーに隠れていたのは麺。中華麺だから「カレー中華」という名前なんですね。
麺は太めでカレーがよく絡んでる!しかも1.5人前とボリューム満点で食べ応えバッチリです。
カレー中華には、タマネギ、ネギ、甘く炊いた牛肉が入っています。この甘い牛肉がカレースープの辛さを和らげてくれる感じ。
カレー中華には、京一のノーマルな「中華そば」のほうに入っているかまぼこも潜んでいます。あくまで中華そばのカレー版という位置づけなんですね(ちなみにノーマルな中華そばには牛肉ではなくチャーシューが入っています)。
写真からは伝わりにくいかもしれませんが、カレーうどんなどのスープとは違って、カレー中華のスープはとろりとした濃厚なタイプ。なんでも、お店のカレーライスと同じルーを使用しているとか。
ということは、ご飯にも合うということ……!中華麺を食べ終わって胃袋に余裕があれば、ライス(170円)を追加注文して丼に投入しても◎。
カレーはしっかりスパイシーで大人向けかも。小さい子には厳しい辛さかもしれませんが、大人なら大丈夫かな。美味しすぎて、ついスープまで完飲してしまうのですが、食べ終わる頃にはじんわり汗をかきますよ。
もう一つの隠れた名物「あんかけ中華」
お店の人気はカレー中華なのですが、どうしても紹介したい個人的なオススメがもう一つ。
それがこちらの「あんかけ中華」(680円)です。
またもやお皿からあふれ出んばかりにあんかけがタップタプ……!真ん中にどっさり盛られているのはおろし生姜です。風邪をひいても一気に治りそうな量。こちらも熱々なので、ヤケドにはご注意を。めんどくさがらず、取り分け用の器を使うのが吉ですよ!
カレー中華と同じ太麺の上に、醤油味の中華そばスープをベースに作られた玉子入りのあんかけがたっぷり!実は最初入っていなかったという玉子は、あんかけの味をまろやかにしてくれていて、今では大事な役目を果たしています。
さらにこのボリュームの生姜、しっかり混ぜてもあんかけの味に負けず生姜がしっかり主張します。半分は、生姜をとかずに食べて、途中から混ぜて行くのもいいかもしれませんね。
食べ進めるうちに、あんかけの下に潜んでいたネギやかまぼこ、チャーシューなどノーマルな中華そばに入っている具材が出てくるのも宝探しみたいでうれしい!
これを食べると体がポカポカしてきてかなり温まります。メニュー自体は一年中ありますが、特に冬に恋しくなるんですよね~。けっこう固めのとろみ餡なので、下のほうからガッツリかき混ぜましょう。気づいたらスープまで全部食べちゃってるハズ。
カレー中華、あんかけ中華と麺類ばかり紹介しましたが、丼ものもとっても美味しいですよ!
食後には必ずソフトクリームでシメてほしい
カレー中華とあんかけ中華を紹介してきましたが、どうかここで、冒頭で紹介したショーケースを思い出してほしいのです。たしか、パフェとかあんみつとかが並んでいましたよね?
そう、京一は甘味もいただけるお店。そして食後には必ずこれを食べていただきたい!
ソフトクリーム(350円)です。
「いや、なんでだよ」ってツッコミが聞こえてきそうなんですけど、カレー中華のあとにソフトクリームというのは、京一のテッパンコースなんですよ。男女問わず食後にソフトクリームを食べていく人が多いそうです。
正統派なルックスのソフトクリーム!カレー中華、あんかけ中華のあとに食べる、冷たくて濃厚なソフトクリームは格別……!一度試すとヤミツキになるはずです。
ソフトクリームだけでなく、他にも甘味メニューが充実していて、かき氷は年中提供しています。ご飯と甘味をセットで楽しんでいく人も多いのです。個人的にも、甘味とあわせて食事するのがオススメ!
なぜなら……
京一のお店のロゴもぜんざいだから!看板にも「ぜんざい」と大きく書いてありますが、もともとはぜんざいのお店だったそうです。
ショーケースの一番上にラーメンが並ぶ中、一番左端にぜんざいが鎮座しているのはそのせいなのです。
「京一うまい店」を目指して
創業昭和22年。最初はぜんざいでスタートしましたが、創業まもなく食事メニューも始められたとか。お客さんにとって良いものを食べてほしい、という気持ちからいろんなメニューが増えていったそうです。
中華そばは60年ほど前からメニューにあり、人気のカレー中華もそのあとすぐに誕生したようです。
ちなみに、京一の店名は正確には「京都で一番うまい店」という意味ではありません。
今でもお店のすぐそばに交番があるのですが、創業当時そこにいた憲兵さんから「京都一を目指しなさい」という意味で付けてもらったのだそうです。「京一うまい店を目指す店」なんですね。
メニューの多彩さに加えてもう一つ、京一で特筆すべきは食事メニューのボリューム!麺は1.5人前でしたよね。
量が多い理由のひとつは、お店がバス通り沿いにあって、学生さんたちの利用が多かったことが挙げられます。
「お店側がこうしていきたいという考え方ではなく、お客さんにとって良いものを食べてほしいと思わないとダメ」と語るのは、ご主人の宮崎さん。いつもお店の一番奥で店内を見渡しながら、お客さんのために行動されているのが伝わってきます。宮崎さんのみならず、スタッフの方たちみんなそう。
なんというか、おもてなしの精神が行き渡っているのです。たとえば、お店に入るとすぐに目に入るこれ。
市内のバス路線図と、主要な観光地に行くにはどのバスに乗ればいいのかを説明する貼紙。大宮駅は京都駅ほど案内板なども多くないし、河原町のバス停のように案内してくれるガイドさんもいません。こんなに観光客の多い京都ですが、実は飲食店でこういった案内図が貼ってあるところは多くないのです(筆者の肌感ですが)。お店を出るときにどのバスに乗ればいいのかを簡単にチェックできるので、土地に不慣れな観光客にはありがたいのではないでしょうか。
こういうさりげないサービスをしてくれるからこそ、お客さんの年齢層も幅広く、外国人観光客からも愛されるお店なのかもしれません。70年以上営業されていることからも、いかにお店が愛されているかがわかりますよね。
京都に来た際は、ぜひ一度訪れてみてください。初めて訪れた人でも、きっとどこか懐かしくホッとできるはず。美味しい食事と甘味が待ってますよ~。
紹介したお店&詳細なアクセス情報
京一 本店
住所:京都府京都市中京区壬生坊城町1
TEL:075-842-0385
場所は阪急京都線 大宮駅、京福嵐山線 四条大宮駅から徒歩1分。京都駅から向かう場合には市バスで「四条大宮」を目指します。206系統に乗れば一番近いバス停(8番停留所)にたどり着けますよ。
最後に余談ですが、京一のオープン当時は、最寄り駅である阪急大宮駅が終点だったそう。1963年に河原町駅まで延伸されました。それまでは大宮駅が「京都駅」という名称だった時代もあるそうです。
プロフィール
アカサカナツコ
食べて飲んでうろうろして、がまぐちも作ってます。
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