こんにちは。ライターの斎藤充博です。お寿司ってメチャクチャおいしいですよね。僕は大体いつだってお寿司を食べたい。きっとみんなもそうなんじゃないでしょうか。
ところがお寿司には致命的な弱点があります。
・いい寿司屋は値段がそこそこする
・カウンターで職人さんの前で食べるのって緊張する
・どこ行ったらいいかわからない
……いや、これは寿司の弱点じゃないな。僕の弱点ですね。しかし僕もそろそろ、いいお寿司屋さんのカウンターに慣れておきたい。慣れよう。
そんなわけで都内のおいしいお寿司屋さんのカウンターをめぐっていきます。なお、本当にどこに行ったらいいかわからないので、当サイトの記事からお店をチョイスさせてもらっております。
この記事を書いているのは料理研究家のりな助さんこと、河瀬璃菜さん。コスパの良いお寿司屋さんばかりが載っていて、どこも美味そうです。
それと、こちらの記事は、ぐるなびのブックマークサービス「チョットぐ」のリニューアルのお知らせもかねて書いています。記事の最後で新機能の紹介をしていますので、美味しそうなお寿司の写真を眺めた後にぜひ使ってみてください。
それじゃあ行ってみよう。
- 【目黒・すし処佐藤】1万円で行ける天国、ここにあり…
- 【四谷三丁目・和さび】大声が出そうになるくらいうまいよ…!
- 【渋谷・おもてなし】5,000円のコースがお得すぎて驚愕する
- 【丸の内・まんてん鮨】なんて素晴らしい夜なんだ…満足度高すぎなおまかせコース
- 【日比谷・鮨大前】サバが未体験の美味さ!くだけた雰囲気もありがたいお店
- 5店をめぐって
- 【編集部からのお知らせ】「チョットぐ」で気になるお店をマップで保存できるようになりました
【目黒・すし処佐藤】1万円で行ける天国、ここにあり…
まずやってきたのは目黒区にある「すし処佐藤」。ピシッとした佇まいを感じる。僕は緊張気味です。
カウンターに座ってビールを注文しました。さて、このお店には2つの特徴があります。
・メニューや値札が一切ない
・おまかせコースもない
つまり、僕はネタケースを見て、自分で注文をすることになるのです。どうしたものかな……。
まずは貝のお刺身。まるまると太ったホッキ貝。ほんのりと甘みを感じる。高級感あふれる味です。赤貝は大変にシコシコしておる。いきなりものすごくうまいです。しあわせ……。
早々にお寿司に移りましょう。金目鯛。世界で一番うまい食べ物である寿司の、その頂点に君臨するのが金目鯛なわけですが(異論認めません)、本当にうまい。サクッとしてキレがある。
アジです。こいつを口に入れた瞬間に、脂が口の中に広がります。しかし、その脂がどこかさわやかなんですよ。「さわやかな脂」というものが存在するんだ、ということを教えられました。学び……。
ボイルした車エビです。箸で持ち上げた方がでかさが伝わるかな、と思って持ち上げてみました。ただでかいだけじゃなくて、エビの味が強い。
車エビの頭を焼いてもらえました。さっきお寿司を食べて「エビの味が強い」などともっともらしく言ったんですが、こっちの方がもっと強い。
スミイカ。「塩と醤油どっちで食べますか?」と聞かれて塩にしてみました。ほどよくスダチが効いています。最高にうまい。これだけあと10貫くらい食べたいんですが、そうすると企画が変わってしまうので自粛します。
冒頭にお刺身で出てきたホッキ貝が、お寿司になって再登場しました。なんという伏線……(自分で注文しているだけですが)。刺身よりお寿司の方がいいな。
ネタが長い! ブリです。
さて、この取材は妻と一緒に来ています。ブリを食べた妻が小声で「このブリ、トロみたい……」などと言いだしはじめました。ブリがトロって、それどっちにも失礼なのではないか。味がわかっていないにもほどがあるだろう。
でも僕も食べたら「……なるほど……」と思ってしまいました。ダメな夫婦だ。
逆に「じゃあ本物のトロってどんな味だったっけ?」と思って中トロを注文。ああ~~~。トロはトロだわ。暴力的なうまさ。
お店の方に勧められて食べたアンキモ。大根の煮物の上に乗っています。
口の中に入れた瞬間にひろがるねっとりしたキモのうまみ。それが鼻まで駆け抜けてゆく……。今まで僕が食べていたアンキモはスカスカだったんだな。気づいてしまいました。
隣の人が食べていて気になった、焼き白子。醤油味のようで、単なる醤油味ではない。複雑な味。それが白子自体の濃厚さと合わさって、口の中でニュルンニュルンしています。
鉄火巻きの具がでかい!!!
たらふく食べたのでここで終了。飲み物を少し飲んで、会計は一人1万円ほど。1万円で行ける天国、ここにあります。
紹介したお店
【四谷三丁目・和さび】大声が出そうになるくらいうまいよ…!
続きまして「和さび」。東京メトロ四谷三丁目駅の4番出口のすぐ向かいにあります。アクセスがものすごくいいです。
お品書きはこの2つのみ。
・握り寿し7,000円
・おまかせ10,000円
そう、このお店は自分では注文せずに、店主がチョイスした物を食べる形式です。さっきの「すし処佐藤」とは真逆ですね。
席に着くと「嫌いな物はありませんか?」と聞かれます。「特にないです」と答える僕。
……なにが出てくるんだろう?
まず出てきたのは太刀魚の塩焼き。わさびをつけて食べます。うまい。皮はパリッとしていて、身はほくっとしています。今まで食べた焼き魚の中で一番うまいかもしれない……。
煮牡蠣。これがですね、ものすごくおいしいのだけれども、どういう味付けなのかが、よくわかりません。
「バカみたいな質問なんですが……この牡蠣って何味なんですか?」
「オイル煮みたいな感じですね」
意を決して尋ねたところ、ちゃんと教えてくれました。牡蠣のオイル煮か……。缶詰でしか食べたことなかった……。
イクラの茶碗蒸し。なななななななんだこれは? イクラも知っているし、茶碗蒸しも知っている。だけど、この2つが合わさると全く未知の味です。まるで知らない国の料理を食べているみたい。
茶碗蒸しには、イクラをつぶして作ったソースを混ぜてあるそうです。その発想ヤバいな!
アジに梅とキュウリと大葉とミョウガを刻んだ物が入っている。過剰なさわやかさが身体の中を吹き抜けていきます。
また未知の料理が出てきたな。「ボラの白子とシャリをまぜて、上にウニを乗せた物」です。
これがまあ濃厚。シャリがまざることで、ボラの白子とウニの濃厚さが、際立ってくるんですよ。こんなすごい物を提供するの、犯罪なのでは……?(編集部注:犯罪ではありません)
ウナギの塩焼き。説明不要。うまい。
ここから寿司になります。カワハギの昆布締め。上に乗っているのはキモです。すっげーうまいです。店の中で「うまい」って大声出そうになるんですが、そんなことしている人、誰もいないんですよね。寿司屋のカウンターに座っている人たち、自制心のかたまりかよ……。
サバ。
僕はサバの干物を晩ごはんのおかずによく焼くんですが、あれ焼いている途中に脂がじゃんじゃん出てきますよね。このサバは生だから、脂が留まっているわけです。それが口の中にどろりと溶けてゆく。は~~~(ため息)。
白イカにからすみのソースを乗せたもの。酸味がアクセントになっていてうまいです。
それにしてもイカ……。こんな食べ方があるとは……。知らない町で君の見たことのない横顔を見てしまったよ……。
マグロのヅケ。ねっとりしていてうまい。
金目鯛。世界一うまいことで有名な魚であるということ、皆さんはすでにご存じですよね? 表面だけ軽く焼かれておりまして、金目鯛の味がよくわかる。失神しそうなくらいうまいです。
タラの白子のお寿司です。上に乗っているソースはタマネギ。
「手を出してもらえますか?」と言われて、そのまま手のひらに載せてもらっています。お箸で持ち上げたら崩れちゃうバランスなんでしょうね。ふわっと口の中でほどけてゆく……。
サンマ。半分くらい火が通っているのですが、この熱の通り方が、たぶん完璧。
だいたい、サンマなんて家のコンロでテキトーに焼いて食べても、めっちゃおいしい、って感じじゃないですか。それをこのように繊細に調理されたら……。もう僕は……。どうしたらいいのか……。
香箱蟹。ウニのソース添え。「香箱蟹ってなんだろう?」と急いで手元のスマホで検索したところ「ズワイガニよりもうまみが強い」と書いてありました。ズワイガニも相当うまいカニだと思うんですが……。
これでおまかせコースは終了。飲み物を少し飲んでお会計は12,600円。四谷三丁目の出口から3歩進むだけで、こんな世界が広がっているんですね……。
紹介したお店
【渋谷・おもてなし】5,000円のコースがお得すぎて驚愕する
「寿司酒場 おもてなし 青山本店」 。渋谷駅から徒歩5分ほど。裏通りの地下にあって、ちょっとした隠れ家的な雰囲気があります。
こちらのお店はコース制です。カウンターで頼めるコースは、5,000円、8,000円、12,000円の3つ(いずれも料理のみ)。今回僕は5,000円のコースを選びました。
カウンターで5,000円の鮨のコースって、お安いのではないでしょうか? どんな物が出てくるんでしょう……?
まずは「マダラの白子の吸い物」。身体があったかくなる……。そういえば、今日の気温はひんやりとしていて、すっかり晩秋の雰囲気でした。期せずして、季節の移ろいに思いをはせるスタートとなりました。しみじみ……。
ゴマ豆腐とイクラ。ねっとりとしたゴマの味に、イクラがよく合います。これ日本酒が好きな人にはたまらないんじゃないかな。
ちなみに、カウンターの真上にはライトがあります。お寿司をキレイにライトアップしてくれるのです。寿司がキラキラとして見た目もいいし、インスタ映えも間違いない。カウンターのお客さんはみんなスマホで写真を撮っていました。
アンキモとべったら漬けのペースト。海苔に巻いていただきます。クセのある珍味にこれまた珍味を掛けあわせるという、高度な技。
ここから握りに入ってきました。生ホンマグロ赤身。冷凍していない生のホンマグロってなかなか食べられないですよね。冷凍してあるやつとは食感もうまみも段違いだ……。
中トロの血合い横一番 。
「血合い横一番ってなんだろう?」と思っていると「マグロのうまみが一番乗っているところですよ」との解説を頂きました。
食べてみると、確かにこれは「マグロのうまみが一番乗っているに違いない」ということを確信する味でした。
哲学的にいうならこれは「マグロのイデア」ではないでしょうか? イデアとは「物事の本質」でこの世界には本来存在しない物。それがたまたま渋谷のお寿司屋さんで出てきたのです……(哲学的にいう必要なかったかもしれない)。
それにしても、こんなに早い段階で中トロが出てきちゃっていいんでしょうか。次に出てくるのは一体……?
大トロ来たよ!!! ホンマグロ3連発だったんですね。さっきの激ウマの赤身と中トロが「伏線」になってしまうじゃないか!
口に入れると、とろりという余韻を残したまま、一瞬でなくなってしまいます。本当に一瞬です。
まるでうららかな春の日の午睡の間に見た、心地よい夢のように儚い……。ついついポエムも出てきてしまうというものです。
サワラ。「焼き霜にしました」とのこと。焼き霜とは魚の皮をサッとあぶって直ちに冷水で冷やすことです。
食べてみると香りがすごいですね。白身魚って淡白なイメージがありますが、これはかなり味があると思いました。
ハガツオ。初めて聞いた魚です。さっぱりしていて、カツオとビンチョウマグロのちょうど中間みたいな味がします。
マイワシ。イワシの脂が濃厚~! だけど全体の印象としてはさわやか。なんだかだまされているみたいなうまさです。
生ホッケ。生のホッケなんて北海道でしか食べられないと思っていたんですが、いいお寿司屋さんに行けば食べられるんですね……。
噛んでいると、干物でおなじみのホッケの香りが猛烈に追いかけてきます。
マゴチの昆布締めに塩を振ったもの。これはものすごくうまいですね。
マゴチ自体の味と、昆布締めの味と、塩の味が渾然一体となって口の中ではじける感じ。正直うますぎてなんだかよくわからない。わからないけれどもうまいのは間違いないです。
ちなみにマゴチは目がハートマークになっていることで有名な魚です。うますぎてなんだかよくわからなかったので、せめてお魚豆知識で対抗してみました。
生サバと締めサバです。生サバのピンと角が立っている様子、めちゃくちゃ興奮しますね……。青魚っぽい臭みは全くなくて、ただただおいしい。
ホタテの西京焼き。これはうまいですね。甘い白味噌がホタテと合うなんて考えたことなかったです。これを3つくらいまとめて、白いご飯に乗せて食べたくなっちゃいました……。バカみたいな感想で恥ずかしいです……。
ダシで炊いたアワビ。貝柱はそのまま(左)。身は甘ダレ(右)。5,000円のコースにアワビが出てくるんですね! いいのか……。噛めば噛むほどうまみが出てきます。永遠に噛んでいたいですね、アワビ……。
ボタンエビ。でかいなこれ。口に入れると、舌にねっとりと吸いついてくる。噛むと甘い。ありがたい、ありがたい……。
塩水ウニ。保存料のミョウバンを使わずに輸送したウニです。ウニの持っている甘みや磯の香りを味わえるとされています。
見ての通り、ちょこんと小さい。しかし口に入れると、うまみが元気に暴れ出す。おいしすぎてなぜか一人カウンターで笑っちゃいました。
イクラの醤油づけ。一見イクラだけのように見えますが、器の底にはシャリが敷き詰められていて、マイクロサイズのイクラ丼のようになっております。
焼きアナゴ。煮アナゴじゃなくて焼きアナゴなんですね。
これ、香りがすごいです。置かれた瞬間に「焼き魚」の香りが漂ってくる。これがマンションのベランダだったら近隣から苦情が来るんじゃないか? ってくらいの香ばしさ。
口に入れたら「ほっくり」と「ふわふわ」を足して2で割らないような超うまい食感がありました。
タマゴ。素朴な甘めの味付けです。しかしこういうの作るの難しいんだろうな。
この他に「お味噌汁」と「バニラアイス」がつきました。5,000円のコースなのに盛りだくさんですね。飲み物と合わせても、お会計は合計で5,880円でした。激安なのでは……?
紹介したお店
店名:おもてなし 青山本店
住所: 東京都渋谷区渋谷2丁目8−10 青山FMビル B1F
TEL:03-6712-6690
【丸の内・まんてん鮨】なんて素晴らしい夜なんだ…満足度高すぎなおまかせコース
丸の内にある「まんてん鮨」。丸の内ブリックスクエアという高級ショッピングセンターの地下にあります。
職人さん達が元気で、すごく活気のあるお寿司屋さんです。東京駅が近いためか、外国人観光客の姿も多いですね。
夜のコースは6,000円のおまかせのみ。それじゃ、おねがいします!
おっ。いきなりお寿司が来ました。カマスのあぶりです。さっぱりとした白身の味にあぶりの香ばしさが加わる。うまい。
メカブ。ポン酢でいただきます。
戻りガツオ。カマスと同じように表面を少しあぶってあります。ニンニクやショウガではなく、ワサビ醤油で食べるように勧められました。
カツオの血なまぐささが全然ないし、脂がのりまくっています。なるほど。これはワサビで食べるのも全然アリだ。うまいなー。
ズワイガニの茶碗蒸し。カニが入っていると、それだけでうれしい。
葉ワサビの醤油漬け。「カラいんでちょっとずつ食べてくださいね」と一言添えて出されました。
警戒しながら食べたのですが、思ったほどカラくない。白いご飯にものすごく合いそうです。実際に進むのはお酒なんですが……。
煮アワビ。小ぶりですがなんと丸ごと一個アワビが出てきました。おいおい、ちょっと、採算どうなってんの? この店はボランティアかなんかなのか?
やわらかく煮てあって、本当においしいです。こんなにたくさんアワビを食べた経験ないぞ……。
ヒラメの昆布締め。かなりしっかりと味がついています。うまいなー。
湯葉から作られた豆腐。聞いたことのない食べ物です。食べてみると、ものすごく濃厚。一丁分の豆腐を、2立方センチメートルくらい(写真の大きさ)に圧縮したらこんな味になるでしょうか。これも酒が進むな……。
切り干し大根のハリハリ漬け。ポリポリしていてうまい。
ブリ。今が旬ですよね……。とろりとしています。
白子ポン酢。けっこう量があるのですが、思い切って一口で食べてみました。口の中が一気に白子で満ちあふれます。なんて幸せなんだ……。いや、本当にありがとうございます(タラとお寿司屋さんに対する感謝)。
わさび漬けのタラコ。タラコって唐辛子じゃなくてワサビで漬けてもおいしいんですよね。鼻につんと抜けるカラさがたまらない……。
エノキの昆布締め。キノコのお寿司なんてあるんですね。食べてみるとエノキと昆布の味が想像以上にマッチします。
エノキも昆布も地味な食材じゃないですか。それが力を合わせるとこんなにうまいというのは本当にすばらしい。地味なコンビが協力し合いながら事件を解決するバディ物の映画を見たような気分です。
白エビ。直接手に渡されました。富山名物じゃないですか。これ食べてみたかったやつだ。やわらかく頼りないのに、ところどころ歯ごたえがある、独特の食感。主張する甘みとうまみ……。こりゃ最高ですわ。
いくら。けっこうな量があるな。前々から思っていたのですが、酢飯とイクラって組み合わせ自体がちょっとズルくないですか? 超うまい。
本マグロ赤身。やったマグロだ~! イクラも出てきたしマグロも出てきたし、そろそろコースも終盤でしょうか。満足……!
本マグロ大トロ。すごい大トロ出てきた! 困っちゃうなー(全然困ってません)。
見ての通り脂がすごい。しかもその脂が単に脂っこいじゃだけじゃなくて、激ウマな脂なんですよ……。なんて素晴らしい夜なんだ!
バフンウニの手巻き。「バフンウニを2カン分使っています」とのこと。ウニこんなに一気に食べちゃっていいの? 誰かに怒られたりしないの?
ああ~。大トロを食べて、これ以上の物ないだろって思った後に、バフンウニ。やりすぎですよ。このウニが口の中に残っている間に死にたい。
ここまでですでに大満足してしまったんですが、まだコースは続くのでした。こちらはネギトロの手巻き。長ネギじゃなくて、粗く刻まれたタマネギが入っています。
海苔のパリパリ感と、タマネギのザクザクとした食感が印象的な一品。
アンキモ。ポン酢ではなくて、甘めに煮付けられたアンキモです。ポン酢で食べるよりもずっと濃厚な味わいになりますね……。
煮アナゴ。口に入れた瞬間にネタの「厚み」がすごいことに気づきました。圧倒的なボリュームのアナゴが口の中でホロホロと溶けるように崩壊してゆく……。
それにしても、もうお腹がパンパンです。充実したコースだなあ。
玉子焼き。かなり甘めでキュッとしまった感じの玉子焼き。すでにお腹いっぱいなんですが、お菓子みたいな感じで食べちゃいました。
カンピョウ巻き。かなり甘めに煮付けられたカンピョウです。甘いと食べられちゃうもんですね……。おいしい……。
最後によく冷えた種無し巨峰が出てきました。果物の中で一番おいしいやつじゃないですか。
ボリューム満点で、しかも最後まで飽きないすごいコースでした。
ちなみにランチの時間帯には3,000円のおまかせもあるそうです。今度はランチに行ってみたい。
紹介したお店
【日比谷・鮨大前】サバが未体験の美味さ!くだけた雰囲気もありがたいお店
最後に来たのは鮨大前。地下鉄日比谷駅を出てすぐ。有楽町のガード下にあるお店です。
こちらはちょっと変わったシステムのお店です。まず、お店に入れる「枠」が決まっています。早い枠は17時半~20時。遅い枠は20時~22時。メニューはおまかせのみ。
そしてドリンクメニューがありません。そのかわり飲み物は持ち込み自由なんです。お酒でもソフトドリンクでも追加料金無しで持っていけちゃいます。
店内を見ると、みんな思い思いに缶ビール、日本酒、ワインなどを持ち込んでゴクゴク飲んでいます。ちなみに、グラスやワインクーラーなどは貸してもらえます。太っ腹なシステムだ。
そんなすごいシステムなのに、僕は飲み物を持っていくのを忘れてしまいました。あわててお店の近くの自動販売機でペットボトルの麦茶を買うようなありさまです。ああ、やってしまった……。
厨房で働くのは大前さん親子。「うちは肩肘張るお店じゃないんで、気楽に取材してくださいね」とのこと。初心者にはこういう一言ありがたいです。
まず出てきたのはシラウオ。ミョウガとネギとショウガなどの薬味が入っています。一口食べると、プリプリしていて鮮度がよいのがよくわかる。まるで漁港の温泉宿に来たみたいな気分……。
刺身の盛り合わせ。サバが2種類、ホタテ、マグロの脳天、甘エビです。
右のサバは宇和島で養殖されているサバ。
「あえて養殖されているサバを持ってきました。脂のりがすごくいいんですよ」とのこと。
食べてみると、メチャクチャうまいです。今までにこんなうまいサバを食べたことがない。脂がのりまくっているし、身の締まり方が段違いです。
左のサバは、金華サバという南三陸で獲れるブランド物のサバ。金華サバを名乗るには条件が非常に厳しく、揚がったサバの1割程度しか金華サバを名乗れないとか。
この金華サバは塩と昆布で軽く締められています。食べるときはワサビと柚子胡椒をつけて食べるのがオススメだそうです。
なんだこれ。うますぎ。まるっきり未体験の味がしました。これがサバ?
サバって今までに何度も食べたことあるし、今回の取材でも出てきたけれども、こんな味は知りません。未知の味すぎて説明が難しいんですが、(うまみ)×(さわやかさ)×(鮮度)という感じでしょうか。
この感動、食べたことある人と一回話し合いたいです……。
店内を見るとこんな絵が。たしかにその通りだ……。サバうまい……。
サバにものすごく感動してしまったのですが、ホタテもマグロの脳天も甘エビも全部うまい。最高だな~。
さてここで大前さんに「斎藤さんはいつもはお酒は飲まないんですか?」と聞かれました。
正直にお酒を買ってくるのを忘れた話をしたところ「でしたら、前のお客さんが飲み残して置いていかれたお酒があるんですが、飲みます?」とのこと。
いいんですか? 飲みます。
3割くらい残っている白ワインをいただきました。一人だったら十分すぎるほど。ヤッター!
ワイングラスにそそぐと、なにか上質な気分に……。普段はワインをのまないんですが、こういう偶然のめぐり合わせっていいですね。おいしい……。
続いて出てきたのはサンマです。
これを「ショウガ醤油」か「一味醤油」でいただきます。ショウガ醤油は定番の食べ方ですよね。一味醤油は北海道の漁師さん達の食べ方だそう。シンプルで、サンマの味がよくわかる。このくらいサンマ自体がおいしいと、一味醤油の方があうように思えます。
焼き魚。ノドグロです。高級魚じゃないですか……。「骨も全部食べられる」とのことなので、頭から食べちゃいます。苦みはなく、バリバリしていてうまいです。身はふっくらしています。
白子。でかいのが3つもあります。申し訳なさそうに「多すぎましたかね?」と言われましたが、何をおっしゃいますやら、白子が多すぎて困る人なんてこの世にいないですよ……。
サバ。宇和島産の養殖サバの方です。シャリがやわらかく握られていて(お箸で持ちにくいくらいやわらかい)口の中に入れるとサバの脂と一緒に口いっぱいに広がります。オオ、マーベラス(日本語訳:とてもすばらしい)!
コハダ。こっちはさっぱりした味わい。
左からアジ、イワシ、サヨリ。
アジが肉厚ですごいですね……。ううむ……どうにかなってしまうくらいおいしい。
イワシはトロットロしています。生の状態でこんなにトロットロしていて、イワシは日常生活ができるのでしょうか? 心配……。
サヨリはつるりとした食感です。これもよかった。
いやー。すごくおいしかったです。また、お酒が持ち込み制だからか、他のお寿司屋さんよりもずっと「くだけた雰囲気」が広がっているように思えました。店員さんもお話し上手。
かなりの人気店で予約も取りにくいようですが、また来たいですね。
紹介したお店
5店をめぐって
「いいお寿司屋さん」を5店立て続けに巡ってみて、だんだんお寿司屋さんのことがわかってきました。
・いいお寿司屋さんにも個性がある
僕はいままで一括りに「いいお寿司屋さん」のイメージを持っていましたが、今回行ったお寿司屋さんは5店とも全部違います。システムも、雰囲気も、ネタもそれぞれ。自分に合いそうなお店を見つけるのが一番ですね。
・値段もそれぞれ
お寿司ってものすごく高いイメージがあったのですが、「寿司酒場おもてなし」なら5,000円のコースからあります。ちょっとした居酒屋に行ったらこれくらいしますよね。値段があらかじめ決まっている分、普通の居酒屋よりも料金的には安心できる気がします。
お酒をたくさん飲みたい人なら「鮨大前」にお酒を持ち込めば、原価でお酒が飲めてしまいます。今回僕は原価どころか、タダでもらってしまいましたが……。
・お寿司屋さんは恐くない
以上を踏まえると、お寿司屋さんって知ってしまえば全然恐くないです。短い期間に5店舗行って(寿司はもういいかな……)ってちょっと思っていました。でも、記事の写真を編集していたら、またお寿司屋さんに行きたくなってきています。
リピートはどの店からにしようかな……。人生の楽しみが一つ増えました。
【編集部からのお知らせ】「チョットぐ」で気になるお店をマップで保存できるようになりました
斎藤さんが美味しそうなお寿司を食べ過ぎていて「うらやましすぎ…いつか行ってやる……」と思ったみなさんに朗報です。特にこういうまとめ記事と相性の良いサービスを紹介します。
それがぐるなびの「チョットぐ」。今回、便利な新機能が2つ加わりました!
そもそもですが、チョットぐとは「行ってみたい!」と思ったお店をブックマークしておけるサービス。黄色いアイコンからチョットぐ(ブックマーク)すると、記事やお店情報をまとめて保存することができます。
※チョットぐサービスの利用にはぐるなびへの会員登録が必要です。
新機能1:マップで一覧表示できるようになりました
これまでは、自分が保存したお店をリストでしか確認できませんでしたが、新たにマップでも確認できるようになりました。
▲今回斎藤さんが巡ったお店をチョットぐしてみました。リストで確認したいときはこちらを見ればOK。
▲マップで表示すると「いま渋谷にいるんだけど、気になってたお店行ってみようかな」って時にも便利!
新機能2:全てのグルメサイトに対応しました
ぐるなびのお店ページやぐるなび運営メディア(みんなのごはんなど)の記事ページだけでなく、全てのグルメサイトをチョットぐして保存できるようになりました。
たとえば、斎藤さん個人のブログでよさげなお店を見つけたら……
①URLをコピー
②チョットぐ画面にURLをペースト
という手順を踏むと、記事をブックマークしておけるうえ、下記のように勝手にお店のページを抽出してくれます。
▲記事をブックマークすると、ブログの本文から「鶏そば そると」というぐるなびの店舗ページを自動で引っ張ってきてくれます。これ、地味にすごくないですか?
ちなみに、この記事をチョットぐした人の中から、10名の方に抽選で10,000円分のポイントが当たるキャンペーンも開催しています。このポイントは楽天スーパーポイントなど各種提携ポイントにも交換可能ですよ。期間は2018年12月26日まで。
この機会に、自分だけの食べ歩きマップを作ってみてくださいね!
▼チョットぐを使ってみる
https://my.gnavi.co.jp/restaurant/campaign/20181127/
プロフィール
斎藤充博
1982年生まれの指圧師(国家資格所有)。著書『子育てでカラダが限界なんですがどうしたらいいですか?』(青月社)が好評発売中。
ツイッター:@3216
ホームページ:田端ふしぎ指圧