すみません、写真取り忘れたので上の写真はengadgetからお借りしました。
先週末にSonyから発表された拡張現実(通称:AR)のデモが触れるというので、早速銀座ソニービルのイベント会場に行ってきました。
率直な感想を言えば、この技術が世界を変える事に疑いを持てない位の衝撃でした。ARヤバイ!ソニーヤバイ!!
先週末のプレスリリースの段階で詳細な記事がいっぱい出ていますから、ここではSmartARそのものというよりはオレが見てきた要素を書き並べてみたいと思います。
- 今まで必要だった2次元マーカー(バーコードやQRコードみたいなの)が要らない。
- 対象(ポスターや家電、衣服など)を3次元的に認識出来る、多少角度変えて表示させた位じゃ認識に失敗しない。
- 対象がちょっと隠れたり見えなくなった位じゃ認識に失敗しない。
- 3D情報をオーバーレイ表示出来る。
- 描画も認識もとにかく速い!Android(今回はXperia arc)じゃないみたい!操作もカクカクしないで物凄くスムーズ!
- 一度認識したら記憶して持ち歩く事も出来る(ずっと携帯端末を掲げておく必要が無い)。
- ユーザーが自分で製品や広告を認識対象に登録する事は、今のところまだ出来ないっぽい。細かい運用方法論はこれからとの事。
- 認識エンジン自体はC言語で開発されている。しかし、機能はJavaからAPIを通じて利用可能。
- 将来的にはGoogle提供のAndroid SDKに組み入れて開発者に広く公開する事も視野に入れている。
箇条書きじゃ伝わらないかもしれないけれど、本当に凄かったんです。なにせあまりのショックに写真取り忘れるくらいw。せっかく説明してくれる人がいっぱいいたのにロクな質問が出来なくて本当にしくった、orz
この動画、ウェアラブルコンピュータ…、平たく言えばスカウターみたいなものを付けて眼鏡に3D画像を投射させて、現実の視覚情報とリンクさせながらそれをマニュアルに自動車を修理しよう、というコンセプトムービーなんですけど、こんなのもうSmartARで全然実現出来ちゃうんですよ!!
今までARは、その最たる「セカイカメラ」でさえ遊びや、せいぜい広告に使うくらいしか出来なかったんです。でもこれだけの描画速度とマーカーを選ばないフレキシブルなインターフェースでARを実現出来るなら、もっと現実世界の深いところまで関わって行ける。オレらSIerの視点で言えば「今すぐBtoBの業務システムが構築出来るレベル」まであっという間に辿り着いたんです。オレは常々「ARが一般オフィスからPCを消す時代が絶対に来る!」と言い続けていましたが、もうそれもそんなに遠くありません。はっきり言ってこの革新はオレの予想より5年は早いです。技術進歩ハンパない!!ソニーすげえ!!!
ソニー、統合型 拡張現実感 技術 " SmartAR " を発表。マーカーレスで高速追従 - Engadget 日本版
動画:ソニーの拡張現実技術 SmartAR リアルタイムデモ - Engadget 日本版
正直なところ、このニュースを読んだ時に「そうは言ってもどうせSONYの独占技術として自分トコのAndroid端末にしか載せないんでしょ?」と思ってました。運が良くてSDKを有料配布してくれるくらいかなぁ、と。ところが今日イベント会場の方に話を伺うと「できればAndroid OSの一部として広く皆さんに使って頂きたいと思っています」という、あまりに素敵過ぎる話を聞くことができました。オレらこんな凄い技術をJavaでAPI叩くだけで使うことができるんですって。マジ凄くね!!!?
今のところ、あの描画速度が出せるのがXperia arcのおかげなのか、それともSmartARが軽いからなのかは分かりません。もし前者ならば筐体の性能差に振り回されることは必至ですが、後者ならばAndroidというサービス全体に革新を起こすことは間違いないでしょう。前者にしても、時間が解決してくれることは確かですし。
では使う側のオレらはどうでしょう?当然SmartARを使いこなすには3D表現を当たり前に扱えなくちゃいけない。3Dデザイナーなんてそんなにいないから、Android(Java)技術者自身が軽くて綺麗な3D映像を描ける必要が出てくるかもしれない。そしたら必須能力が3Dになっちゃうかもしれないですね。明らかに今までのSIerとは異なるスキルセットが要求される訳です。でもそれが出来ないとARで業務システムなんて作れない。
オレ個人はSmartARに凄くワクワクしています。ついでに言えばそれによってもたらされる新しい開発スタイルも楽しみです(なにせ昔は3Dデザインとかやってたしw)。ハイブリッドな異種格闘技戦は、とっくの昔に始まってたのだと思い込んでましたけど、むしろここからなのかもしれませんね。