図1 電子マネー保有率の推移
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図2 性別・年齢別の「メイン電子マネー」利用単価
図2 性別・年齢別の「メイン電子マネー」利用単価
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 野村総合研究所は2009年9月1日,電子マネーの利用実態に関する調査結果を発表した(発表資料)。調査は2009年6月,札幌市や首都圏,東海,近畿,福岡県の5大都市圏に居住する18歳以上の男女2250人を対象に,インターネットを通して実施した。それによると,電子マネーの保有率は首都圏で82.8%に達したという(図1)。

 首都圏の電子マネーの保有率が初めて8割を超えた。昨年の78.9%から3.9ポイント上昇した。このほかの地域では,札幌市が61.4%,東海が42.9%,近畿が56.5%,そして福岡が51.8%となった。利用率はすべての地域で1/3を超えた。首都圏では51.5%と,2人に1人が電子マネーを買い物に利用していることが明らかになった。

 利用金額も増加しているという。買い物で最もよく使っている「メイン電子マネー」の1カ月間の平均利用金額は約6000円に上り,前年比約8%の増加となった。これは,「1回の買い物での利用単価の伸びが影響している」(同社 コンサルティング事業本部 金融戦略コンサルティング二部の河野愛氏)。利用単価は,女性の方が男性に比べて高く,「女性ユーザーの取り込みが市場拡大のカギになる」(同氏)とした(図2)。

 同社 コンサルティング事業本部 金融戦略コンサルティング一部の瀬尾利数氏は,今後の電子マネーの市場規模について「まだまだ拡大の余地がある」とし,2009年度の年間決算総額が1兆3200億円になるとの見通しを示した。なお,日本銀行が2009年7月10日に発表した調査レポートによると,2008年度の電子マネーによる決済金額は8172億円だった(PDF形式の発表資料)。