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ときちブログ

大企業をやめてベンチャーでCTOになった話

この記事は退職者 Advent Calendar 2017 - Adventarの9日目のエントリとして書いたものです。

はじめに

2017年9月末で新卒入社から1年半勤務した大手Web系企業を退職して、立ち上げから間もないベンチャー企業のCTOに就任しました。

自分はおそらくあんまり真面目に就職活動をしてこなかった学生で、(といっても情報系の学生としては標準くらいだったかもしれない🤔)なりゆきでここまで歩んできた感じがあるのですが、一度学生時代からのことを振り返り、短いキャリアではありますがこれからどうしていきたいかも含めていまの自分のキャリア観について書いてみたいと思います。

学生時代

学部時代は物理系の学科でしたが、子供の頃からコンピュータを触るのが好きだったこともありやっぱり情報系にいこーと思って大学院から情報系の学科に行きました。正直なところ当時は就職して働いているイメージなど全く持てておらず、プログラミング楽しいしIT業界は売り手市場だから就職も比較的容易そうだし、Web系企業だと初任給もそれなりにもらえるところが多いしいいじゃん!みたいな感じでした。

就職活動は結局、逆求人イベントで出会った企業や有名どころに数社エントリーして、内定をもらったところの中で一番技術力が高そうだし、ネームバリューもあるから普通に働いていれば転職には困らなさそう!と思った前職の会社に決めました。*1

前職での仕事、転職に至るまでの経緯

前職ではiOS, Androidアプリの開発をしていました。途中からはアプリだけでなくサーバー側も任されていたのでアプリ開発については一通り経験でき、一人でアプリを作るにも困らないくらいのスキルを身につけることができたと思います。学生時代にアルバイト等でWebサービス開発に触れたことはありましたが、ちゃんとしたアプリ開発は初めてだったのでいい経験になりました。
とはいえ、ずっと同じ開発をしているとどうしても飽きが来ます。前職でのプロジェクトは配属当初KPIが未達だったのですが、そこから数ヶ月でKPIを達成できたことで如実に保守運用タスクが増えていき、仕事に面白みがないと感じるようになってきてしまいました。最初は社内での異動も考えていましたが、大企業が自分にはどうも息苦しく感じてしまうところがあり、やはり転職をしようかなと思いはじめたのが今年のはじめくらいだったと思います。

その頃から漠然としていた自分のキャリアについて真剣に考えるようになりました。就活〜前職入社当初までは、
「技術を極め、なんらかの界隈で有名になれるくらいまで突き詰める」
という技術一本のキャリアを思い描いていたんですが、実際に働いてみるとこれがなかなかに困難であるということに気がついてしまいました。
というのは、まず「技術を極める」というのがものすごく難しい。自分はかなり目移りするタイプなので、1つの技術に対して長期に渡り圧倒的な情熱を持って向き合えるかも分からないし、これまでもあまりそうしてこなかったわけです。そもそもゼネラリスト気質なのだと思います。
一方でスペシャリスト気質な人ってほんともう四六時中そればかりしてるんですよね。前職の同期にもそういう人がいて、自分も同期の中ではスキル的には上位にいる自信があったんですがその同期には勝てないなぁと感じていました。

そうなると、結局ゼネラリストである自分が楽しいと思えて打ち込める仕事をするのが最強だなと思うようになってきました。もちろんプログラミングは好きなので前職の仕事も楽しいと思える瞬間はありましたが、打ち込めているかといわれるとそこまででもありませんでした。
自分が打ち込めそうな分野を考える中で「打ち込めること」というのを具体的にイメージすることができた原体験が学部時代に参加したプロジェクトで、手のひらサイズの小型飛行機を作るというものでした。秋葉原にはんだごてやら一式を買いに行って初めて回路を1から設計、実装も自分でしたし、これまた初めてのPICマイコンを使って飛行機を制御するというのが本当に難しかったけど本当に楽しくて、時間を忘れてプロジェクトに打ち込んでいました。

「あのときの没入感、困難な壁を越えていく高揚感を仕事でも得るにはどうすればいいか」
そう考えた結果導き出した答えが「ゼロイチをやること」でした。ゼロイチは基本的に少人数でやることが多いので、一人が幅広く何かをしなければいけません。そういうところが自分の気質とかなりマッチしていると思いました。
ゼロイチをやるならベンチャー企業、特に立ち上げ期の方が当然リスクは大きいですが、成功したときのリターンも大きいです。幸いまだそんなに年齢も食っていないし、結婚を考えている女性みたいなのもいない*2ので、ベンチャーでゼロイチやるぞーーーと考えるようになったのが2月くらいです。

そして上のような感じの胸の内をつらつらとTwitterに垂れ流していたら、知り合い経由でいくつかベンチャー企業への転職の話をもらうことができました。どの会社も魅力的だったのですが、ベンチャーでゼロイチをやるにしても重要視するのは何かを考えた結果、

  • 開発もしたいけどベンチャーやるならちゃんと経営にも携わってみたい
  • 普通のエンジニアとはキャリアを差別化したい
  • 何かしら社会にインパクトのあることをしたい

という結論に至り今の会社でCTOになることを決めました。(そういえばTwitter転職、いま流行りらしいですね。転職を考えている人は積極的に使っていくべきだと思います。

CTOになってから

TwitterとかFacebookとかに転職報告を書いたところ、いろいろな方々からリアクションをもらえました。学生時代にインターンしていた会社の初代CTOとか、大学時代の同期でいまベンチャー企業で働いている人たちに祝福してもらいつつたくさんのアドバイスをもらい、かなり嬉しかったです。転職したらちゃんと報告しましょう。

転職してからまだ2ヶ月程度なのでなにかが劇的に変わったということもないのですが(勤務時間は伸びた)、これまでの実績があるわけでもなく、鳴り物入りでCTOに就任したわけでもないのでこれから本当に色々と学んでいかなければいけないと感じています。でも、少なくとも転職してよかった、前職と比べるとかなり仕事に打ち込めているという感覚はあります。 直近の仕事は開発と採用が主ですが、開発に関しては最初にあったアイデアを洗練させ、少しずつ形にしていっている感じがすごく楽しいです。やっぱりゼロイチはいい。
今後組織が拡大していくにつれてチームのマネジメントや様々な経営目線での判断もしていかなければいけないはずです。自分がどこまで通用するのか分かりませんが、愚直に学びつつ新たな壁に挑戦していきたいと思います。

まとめ

自分がファーストキャリアとして大手Web系企業を選んだ経緯、そこから1年半で転職するに至った経緯をつらつらとチラ裏な感じで書きましたが、結論としては1つで
「楽しいと思えて打ち込める仕事をしよう」
ということです。
文字にするとなんかちょっと怪しいキャッチフレーズみたいになってしまいますが、結局はそういうことだと思います。

追伸

前職を辞める前に当時のメンターに「退職エントリキボンヌ」と言われていたので、こちらの記事をもって代えさせていただきます。ご査収ください。

*1:IT業界(特にWeb系企業)が転職前提の業界だという認識はありました

*2:前職の同じチームだった同期には、「お前は彼女に振られてからおかしくなった」と言われました(があながち間違いではない。でも数あるきっかけのうちのひとつです