性欲よりも「メディア欲」:調査結果

シカゴ大学の調査によると、テレビやネットを利用したいという欲求はセックスよりはるかに上位にあるようだ。さらにFacebookをしたいという衝動を抑えることは、食欲や喫煙の制御より難しいという。
性欲よりも「メディア欲」:調査結果

Photo: Trois Tetes (TT)/Flickr

あなたはそれを、朝起きたときも、夜寝るときも、ソファの上でも、時にはオフィスでもしている。どうもそれは抵抗するのが非常に難しい欲求のようだ。

「それ」とはタバコでもセックスでもない。オンラインの世界に入って「Facebook」をチェックしたり電子メールをチェックしたりすることだ。そうした欲求を抑えることは、セックスしたいという欲求を抑えるよりも難しいという研究が発表された。

シカゴ大学の准教授(行動科学)ウィルヘルム・ホフマンは、ドイツで18歳から85歳までの205名の被験者を対象 に、日常的な欲求と、それを抑える際の難易度についての調査を行った。

各被験者は「BlackBerry」の携帯電話を渡され、寝る、食べる、セックスをする、タバコを吸う、飲み物を摂る、インターネットを使うなど、特定の欲望を持ったかどうかを30分ごとに研究者に知らせるよう求められた。

最も多く報告された欲望は食べることで、寝ることとノンアルコール飲料を飲むことがその後に続いた。第4位は何らかのメディアを利用することで、報告されたすべての欲求の8.1%を占めた。セックスをしたいという欲求は、はるかに低い第9位だった。

最も多く報告されたメディアの利用形態は、テレビを見ることとインターネットを使うことだった。「インターネットを使う」という活動についてさらに具体的に見ると、被験者の71% が電子メールをチェックしたいという衝動に駆られ、65% がFacebookや「Twitter」などのソーシャルメディアを利用したいという欲求に駆られたという。

報告された欲求の比率(「学生以外の人」の場合は3位までは同じだが、4位に「社交」が来ている)。Image: Wilhelm Hofmann

参加者が欲求を抑えようと努力して失敗する率は、Facebookのチェックについては42% だった。一方、セックスを控えようとして失敗した人はわずか11% だった(つまり、誰かがセックスを我慢しようとすれば、約90%の率でセックスは中止された)。食べたいという衝動を抑えようとして失敗した率は22% 、タバコを我慢しようとして失敗した率は17% だった。

不幸なことに、ソーシャルメディアをチェックしたいという欲求よりも制御が難しいのは、仕事への欲求らしい。仕事をしないように努力して失敗した確率は43% だったのだ。

TEXT BY Sarah Mitroff
TRANSLATION BY ガリレオ -佐藤 卓/合原弘子

WIRED NEWS 原文(English)
※この翻訳は抄訳です