ニューヨーク州ロチェスターにある「遊び」の博物館「ナショナル・ミュージアム・オブ・プレイ」やInternational Center for the History of Electronic Games(電子ゲームの歴史国際センター)などの施設を運営する教育機関ストロングが、古典的な日本の各種コンソール向けゲームをすべて揃えた「完全なコレクション」を入手した。
「完全な」という言葉にふさわしく、このコレクションは、7,000タイトルを超えるゲームを集めており、「ファミコン」(米国での製品名はNintendo Entertainment System)、セガの「メガドライブ」(同Genesis)、「NINTENDO 64」をはじめとする18種類のプラットフォーム向けのありとあらゆるゲームを揃えている(18種類のプラットフォームについては文末にリストアップした)。
そして現在、このコレクションは、ナショナル・ミュージアム・オブ・プレイの一部として一般の人がアクセスできるようになった。上の動画は、同博物館の地下にある保管庫に入り、博物館のスタッフが現在もカタログ作成作業を続けているコレクションを見せてもらったときのものだ。
このコレクションは、「アンドレ」という名前だけで知られ、「Adol」というハンドル名で何年もの間さまざまなゲームコレクターのフォーラムに参加していたフランスの熱狂的なゲームファンが一生をかけて集めたものだ。アンドレは2012年7月、これらのコレクションをすべてまとめて120万ドルという法外な価格でeBayで売ろうとした。
買い手はつかなかったのだが、そこにナショナル・ミュージアム・オブ・プレイが登場し、コレクションを買い取る取引をアンドレとまとめた(いくら支払ったかについては明らかにされていないが、120万ドルよりははるかに低いという)。
これらのゲームは一般の人も利用できる。ただし、ふらりと立ち寄った誰もが、貴重なゲームで好きなだけ遊べるという意味ではない。研究者がコレクションのうちの何かを見るには、博物館に連絡して予約を取り、何を見る必要があり、その理由は何であるかを伝えなければならない。
博物館ではこれらのゲームを、埃をかぶった棚にただ保存するわけではない。博物館に滞在していたとき、スタッフが毎日行っている作業を見せてもらうことができた。スタッフたちは毎日何時間もかけて、ゲームのコンテンツを別の方法で保存するために、純正のシステムで動作させ、その映像を録画している。
各ゲームは検索可能なオンラインデータベースに保存されている。だから、博物館が本当に「ワンダードッグ」のようなマイナーなゲームまでコピーを保存してくれているか、確かめることができるというわけだ。
TEXT BY CHRIS KOHLER
TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI/GALILEO