【7月18日 AFP】(一部更新)欧州宇宙機関(European Space AgencyESA)は17日、今年11月に彗星探査機ロゼッタ(Rosetta)が着陸予定のチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P/Churyumov-Gerasimenko)について、「極めて型破りな」「アヒルに似た形」をしていると発表した。

 チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星はまだ太陽から遠く離れた位置にあり、岩石でできた本体(核)は氷に覆われている。ESA公式ウェブサイトによれば、この核は平べったく長い部分と、球根のような形状の部分の2つが合わさった構成になっていることが、ロゼッタの撮影した最新画像で確認できたという。

 ESAの探査機ロゼッタは、8月にチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に最接近し、楕円形の公転軌道で太陽に近づいていく彗星を追尾する計画だ。

 ロゼッタミッション責任者のフレッド・ヤンセン(Fred Jansen)氏は、今後さらなる分析やモデリングを行い、奇妙な形をした彗星の周りを飛行する最適な方法や、着陸機を彗星に下ろす方法を見つける必要があると指摘した。

「われわれは現在、彗星の形状がかなり複雑であることを示唆する画像を目にしている。ただ、結論を急ぐ前に知るべきことがまだたくさんある」(ヤンセン氏)

 ESAが公開した彗星の画像は、ロゼッタが14日に1万2000キロ離れた場所から撮影した高画素画像に画像処理を施し、さらに滑らかに変換したものだ。20分間隔で連続撮影された画像36枚で構成された彗星の動画も公開されている。

 ESAによると、2つの部分からなる天体は「接触連星」と呼ばれ、特に珍しいものではないが、こうした天体がどのようにして形成されたのかはまだ解明されていないという。

「どうやって形成されたかをめぐっては多数の可能性が存在するため、このような彗星を研究することで得られる科学的な恩恵は大きいだろう」