瀕死の女性に出くわした主人公が、つい自分の命を差し出して助けてしまいながら、それで良かったのかと悩んだりするのは西尾維新の化物語と同じ。他にも4つ以上のラノベから設定を借りてきていると思うが、二番煎じ感は無く、問題無い。逆に、鼻に付くラノベ流テンプレートはあからさまに排除しているところも良い。何よりも自分の意識と助けた彼女の意識とが一日ずつ自分の体を占有し、相手の記憶は一切伝わらないので、交換日記で意思疎通を図るしかないという一点がとてもユニークな世界を生み出している。
怖い顔に生まれてクラスメートに敬遠されている坂本君が実は敏感でとても優しく、彼の体に憑依した可愛い光ちゃんが実はとても残念でハチャハチャ。でもそんな光ちゃんの暴走の助けで坂本君はクラスにもご近所にも受け入れられていく。そんな中で坂本君はとある女の子への恋心を自覚。それを原動力に光ちゃんの死の謎を明らかにし、光ちゃんのかつての友人を救おうと奔走する。
これ、むちゃくちゃ純愛じゃないか。“プラトニックラブ”って死語だと思ってたのにラノベに持ち込むとは大胆不敵だ。
ユニークで適度にでんぐり返って、暖かく楽しめる小説としてお勧め。
クライマックスで開かされたヒロインの死の謎についてはがっかりの声が多いようだが、人生なんてそんなもの。オイオイとかナンデーェとか格好の悪いことの積み重ねの上にちょっと良い感じになれれば幸せ。このオチで私の中では光ちゃんのヒロイン像がきっちりまとまった。でも最後の最後のページで綺麗なオチが付いているから良いじゃないか。
これなら次巻も更なるドタバタと成長が期待できて楽しみ。でも最後に凄く切なくなりそうな気もするのがこわい。
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明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 (電撃文庫) 文庫 – 2013/2/9
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生まれつきの恐い顔のせいで、学校で浮きまくっている坂本秋月。ある夜、見ず知らずの美少女の事故現場に遭遇し、謎の人物から究極の選択を迫られる……。 『お前の寿命の半分で、彼女の命を救ってやろうか?』 秋月は寿命と引き換えに少女“夢前光”を救った、はずだったのだが……なぜか彼の体は1日おきに光の人格に乗っ取られてしまうという展開に! 始まってしまった二心同体の交換日記ライフ。イタズラ好きな光の人格は、トンデモな事態や人々を引き寄せ、秋月の低空飛行人生を一変させていく! しかし、光の過去を知る超絶イケメン君の登場によって、風雲急を告げる大事件へと────。 交換日記の中でしか触れ合うことのできない 「ぼっちな俺」 と 「残念な彼女」 の、人格乗っ取られ型青春ストーリー!
- 本の長さ328ページ
- 言語日本語
- 出版社アスキー・メディアワークス
- 発売日2013/2/9
- 寸法10.8 x 1.6 x 15 cm
- ISBN-104048913298
- ISBN-13978-4048913294
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登録情報
- 出版社 : アスキー・メディアワークス (2013/2/9)
- 発売日 : 2013/2/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 328ページ
- ISBN-10 : 4048913298
- ISBN-13 : 978-4048913294
- 寸法 : 10.8 x 1.6 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 722,154位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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カスタマーレビュー
星5つ中4.2つ
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70グローバルレーティング
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2014年1月11日に日本でレビュー済みAmazonで購入
- 2013年3月18日に日本でレビュー済みAmazonで購入とにかく次から次へと下ネタやBL、アニメや2ちゃんの乗りやネタが繰り出されるのでそれを許容できるかで評価は分かれると思います。
購買層を絞っていると思うのですが、それでも少しやり過ぎている気はします。
とは言え物語は始まりから終わりまで淀みなく、それでいて特に無駄な描写や登場人物が無しに進むので作りはしっかりしているかと。
文章は前述のネタの要素を除けば十分読める水準。スラスラ読めます。
主人公とヒロインが一日置きに入れ替わるという設定がしっかり活かされており、この点に関しては発想が良い。
しかしこのヒロインは好き嫌いが分かれそうです。
私は面白い少女だと思いますが、ラブコメには向かなそうですね。
人によっては鬱陶しい・やかましいだけと忌避されそうですし。
そしてこの作品の最大の、評価の分かれ目であるオチ。
散々シリアスで盛り上げておきながらあれはまあ確かに酷いとは思います、良くも悪くも。
ヒロインの性格をよく表していると思いますが、シリアスとギャグのバランスがめちゃくちゃではありますね。
個人的には結構楽しめました、最近の流行に倣ったと思っていた主人公も好感が持てますし、コメディとして読者を楽しませる要素は丁寧に散りばめられています。
未回収の伏線や続きを匂わせる終わり方などがありますが、物語はこの一冊で綺麗にまとまっているのでちょっと手にとっても良いのでは。
- 2013年11月14日に日本でレビュー済みAmazonで購入自分の寿命の半分を使い、死ぬゆく少女の命を助け男。少女は男の体を借り、この世によみがえる。
一つの体に二つの魂。一日事に入れ替わる少女と男。交換日記を使い、徐々に二人の仲は深まっていき……。
といった内容です。
誰もが予想通り、二人はひかれあっていくわけですが…そうなればなるほど、とにかく切ない。
最愛の人ができたのに、その子に話かけることも抱きしめる事もできない。同じ体を共有し、誰よりも一番近くにいるはずなのに、すれ違う事しかできない二人の関係がもう切なすぎます。
二人の交換日記でのやり取りが明るくコミカルな分、よりそこが強調され涙が出てきます。
2013年で読んだ中で間違いなく最高のシリーズです。
絶対この二人が幸せになってほしい!
- 2021年11月25日に日本でレビュー済みAmazonで購入驚くような展開は特にない。キャラが魅力的というほどでもない。
なぜ評価が高いのかわからなかったです。
- 2014年2月5日に日本でレビュー済みAmazonで購入シリアスになりそうでシリアスにならないところがよかったです。
オタクっぽいノリが苦手な人には嫌がられるかもしれませんが、自分はツボでした。
三巻ですでに完結してるっぽいので、作者さんの次回作に期待したいと思います。
- 2013年5月21日に日本でレビュー済み高校2年生の坂本秋月の目の前で、知らない少女が事故で死んでしまいます。
その場で黒いローブをまとった謎の人物に、秋月は声をかけられます。
「おまえの寿命の半分で、彼女をたすけてやろうか」
「やってみろよ。くそ野郎」
次の日、死んだ少女の意識が秋月の身体に宿っていました。
その翌日目覚めた坂本秋月には昨日の記憶はありません。
秋月の身体に、秋月の意識と少女の意識が一日交代で宿る状態が
「寿命の半分」の正体だったのです。
死んだはずの少女「夢前 光」は、イタズラ好きの破天荒な性格。
「念願の不良の体を手に入れたぞ!もう怖いものなしだ!」
と大暴れ。
「セクシードリーム」と名乗りパピヨンマスクを付け繁華街で大活躍。
次の日、何も知らない秋月はクラスメイトの女子にお礼を言われ、
「光」が妙な扮装で正義の味方ごっこをしている事を知って愕然とし、つぶやきます。
「なにやってんだよ坂本君」
けれども、光の元気な行動おかげで、
坂本秋月はだんだんクラスの人気者になり、家族やご近所とも上手く付き合えるようになっていきます。
奇妙な共同生活にも慣れ、光に感謝していた秋月は、ある日「光」の生前のクラスメイト「風城」の存在を知ります。
彼は「復讐」を企てていて「光」はそれを防ごうとしているらしいことも。
秋月は「光」を助けてやりたいと行動を起こすのですが……。
可愛い少女との共同生活。
でも一日おきに意識が入れ替わる状態なので、会うことも話すこともできません。
意思疎通は交換日記。
男性の坂本秋月が一人で語り、
読者は彼の語りと日記の饒舌な文章でのみ「夢前 光」の行動や気持ちを知ることになる構成です。
怖い顔のせいで不良の認定をされていた高校生が、
少女の破天荒な行動やいたずらおかげで、
周囲に受け入れられる「ヒーロー」に変わっていく様子や、
光の繰り出すいたずらの数々、
それに振り回される秋月の突っ込みがとても面白いお話です。
秋月をモデルに小説を書いている妹、雪湖の変な言動がまたおかしい。
後半は、光の死の直前の行動や生活を、主人公が探る深刻な展開となってきて、
畳み掛けるようにお話が展開し、ラストまで一気に読みました。
「夢前 光」の性格が物語の最初から最後まで一貫していて、最後まで笑わせてもらいました。
とても面白かったです。
- 2013年7月10日に日本でレビュー済みすでに多くのレビューが公開されており、今更僕が何かを書き加える必要などないのかも知れません。
でも、ただ一点、とても大切な一つの可能性に誰も触れていないことに気付いたのです。
僕も一度目に読み終わったときは、その可能性に気付かず「何てオチですかっ」と叫んだのは事実です。
その後、オチのもう一つの可能性に気付いたのは、翌日の帰りの電車の中だったでしょうか。
家に着いて、あわてて本を読み直したことは言うまでもありません。
(ネタバレをするつもりはありませんが、まだ本文を読まれていない方は、ぜひ一度読んでみてください)
そう、光は、とても臆病です。
でも、同時にあまりにも優しすぎる子でもあります。
そんな彼女が、主人公ともう一人の男性登場人物たちが、自分のことで命をかけるような状況になったときにどうするか。
そうした状況であれば、彼らがそのために奔走している事柄が事実だったとしても、それが事実だなんて言えるでしょうか?
一見チャランポランなようでいて優しすぎる光は、彼らを救うために、自分の悲しい本当の過去を見せないために、必死で嘘を考えるでしょう。
そして、考えて、考えて、彼(ら)を止めるには、バカバカしいぐらいのネタが必要だという結論に達したのかもしれません。
光は頑張りました。
あんな誰が聞いても(そして読者にとっても)「ありえない!」と思うネタのために。
自分の主人公たちへの印象が完全に崩壊しかねないほどのネタのために。
(一番近くにいたはずのお母さんの反応を見ていると、オチがネタであり、光は一世一代の嘘をついたのだという確信が強くなります。)
多分まんまと僕たちも光に騙されたわけです。
そして、ラノベとしては、光の嘘ぐらいのオチの方が、きっと良い。
だから最後まで本当のことは明かされないか、明かされても最終巻かなって思います。
でも、一見したところ流行のキャラやネットスラングをちりばめただけのような「軽薄」な見かけの裏に
そうした重たい可能性が秘められている、それがこの作品の魅力だと思うのです。