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死体泥棒 (星海社FICTIONS カ 1-2) 単行本(ソフトカバー) – 2011/12/1

4.9 5つ星のうち4.9 11個の評価

突然の死を迎えた彼女の死体を葬儀会場に忍び込み、盗み出してしまった「僕」。一人暮らしのアパートを占拠した大型冷凍庫の中に横たわった彼女(死体)との奇妙な同棲生活がはじまった……! 唐辺葉介の問題作にして、新たな代表作(ラブストーリー。

商品の説明

著者について

唐辺 葉介
小説家、シナリオライター。
主な作品に『PSYCHE』、『犬憑きさん』、『ドッペルゲンガーの恋人』などがある。
シライシ ユウコ
イラストレーター。その鮮やかな色彩感覚と卓越した構成力で多くのファンを魅了している。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 星海社 (2011/12/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2011/12/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 262ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4061388215
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4061388215
  • カスタマーレビュー:
    4.9 5つ星のうち4.9 11個の評価

著者について

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唐辺 葉介
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カスタマーレビュー

星5つ中4.9つ
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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2021年1月12日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    タイトルからは予想も出来ないくらい爽やかな感動が残る読後感でした。
    恋人の死体を盗むという、ただそれだけの話をここまで読み応えのあるストーリーに仕立て上げる作者の力量に感心するばかりです。
  • 2018年10月21日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    まず死体泥棒というタイトル通りの内容ですので
    そもそも死体の話とか嫌という方は止めましょう。

    内容紹介にありますが死体を盗んだと言っても凌辱、解体、売却とかそういう類ではなく
    彼女の死を受け入れられずに死体を焼かれる前に持ってきてしまった青年の話です。
    そんな死体と過ごすのはどんな気持ちなんだろうなぁと思いを馳せながら読んでいると楽しいです。

    終わり方も綺麗めな一つのことが終わったあとのすっきりとしたもので、
    設定は独特ですがその奇妙なズレが面白くゆったりと青年の向き合い方や変化を楽しめるいい作品でした。

    私は作者の他の作品を特に知らずに手を出したので死体泥棒という単語にそこまで違和感が無く、
    表紙絵の彼女の雰囲気に惹かれたなら買ってみるのもいいんじゃないかなぁと思います。
    2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2011年12月26日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    何故いつもこれほどまでにあっさりとした終わり方で、山場もないのに、こんなにも作品の世界に引き込まれてしまうのでしょうか。

    傾向としてはこれまでの氏のPSYCHE、暗い部屋、ドッペルゲンガーの恋人と同じですが
    個人的に雰囲気やぐずぐずと主人公の周りが崩れていく話の流れなどの点で一番PSYCHEに近い印象を持ちました。
    ただ、PSYCHEでは主人公は頑なに外界や人間との関わりを絶ち、内側の世界に篭ったまま結末を迎えたのに対して
    今作「死体泥棒」は主人公がそれまでの”内の世界”と決別して終わります。
    暗い部屋以降の氏の作品はこういった、あっさりとした終わり方ではあるが希望を残して終わる、という傾向が強くなっているように感じます。
    独特の文章や「心地よい気持ち悪さ」といった特徴はそのままに、氏の作風が少しずつではあるが変わっていることが垣間見える作品でした。

    帯に「ラブストーリー」という触れ込みがありますが、
    一般的なラブストーリーとは全く違うものの、読後にこれは確かにラブストーリーだと納得できる作品です。

    総評として今作も相変わらずとても唐辺葉介であり、ファンなら確実に満足できます。
    15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2015年2月3日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    普段Amazonで評価なんてしないんだけども、書きたくなるほどにはこれは良い体験だった
    死ぬ前に読めて良かった
    10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2012年5月19日に日本でレビュー済み
    突然だがあなたは愛する恋人が死んだらどうするだろうか。
    泣く?或いは悲しむ?或いは後追い自殺する?それとも死体を盗む?

    唐辺葉介の作品「死体泥棒」。
    タイトルを見ると猟奇的な感じを受け取るが、中身は意外とあっさりしている。純愛(?)の作品である。決して明るくはないのだが、だからといって暗くはない。
    例えるなら豆電球しか配置されてない部屋にいるかのよう。

    この作者の作品の出す雰囲気や世界観はどうにも中毒性がある。
    唐辺氏の十八番の心理描写も健在している。が個人的に犬憑きさんほどでは無いと思った。しかし雰囲気、世界観はこっちの方が好き。

    犬憑きさんを読んでて思ったのだが、この作者の作品は「冬」がとても似合うと思う。
    この死体泥棒に於いても、冬が舞台なのだが、冬の冷たさやそれに伴う人々の行動の書き方が作品自体の雰囲気にとても似合う。

    言うなら「寒さ」がテーマなのだと思う。

    肝心の内容は、簡単言えばヤンデレ男が恋人の死体を盗んで一緒に生活する話。
    主人公は精神障害ではないのだが・・・・

    普通の人には到底真似できない話だが、しかしこれは小説という二次元世界の話。こういう話を読むことができるのは全く二次元の特権だ。

    ただ納得いかない点がちらほら
    死体を盗んだ経緯を読んで「それだけの理由で良くやるな・・・」と思った。主人公の思考が並み外れているのか・・・?

    あと、値段が内容のわりには高いような気がする。
    1000円くらいだったら☆5だったかも。まあ読みたい人は読んでみてください。この作者の作品はもっと評価されるべきです。

    それにしてもシライシユウコさんの挿絵は本当に幻想的で良いですね。
    この絵のせいで値段が高めなのかと思った。
    7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2014年3月25日に日本でレビュー済み
    最愛の人が死んだことを受け入れるのは難しい。それが唐突なものであればあるほどに。
    恋人の死という、一見すると普遍的なテーマだが、しかしその死体を盗むというアイデアは秀逸だと思う。
    また、そういった設定にありがちな猥雑さや、悪意に溺れるなどもなく、
    淡々と最愛の人の死を受け入れるまでの心情を描き出す。

    これは死者を受け入れる青年の物語だ。
    どうしようもない落伍者が、身に降りかかる理不尽を受け入れるための物語である。

    人それぞれ、恋人の死の受け入れ方や、受け入れるまでの時間などは違うだろう。
    大衆からすれば狂っているような受け入れ方だって、その人自身の生き方なんだから否定できない。
    世の中からどんなにおかしく見えたって、それがその人のやり方なんだから、どうだっていいだろう。
    そういった、どうしようもないマイノリティに属する人たちへ向けての、作者の優しさがたっぷり描かれている。

    個人的に嬉しかったのは、ラストシーンで、主人公がちゃんと最愛の人の死を受け入れて終わるのが良い。
    破滅じゃなく、静かな享受。諦めではない、静かな理解。
    どんなに見っともなくとも、おかしく見えても、世間からずれまくっていても、
    それでも不幸な自分の身に起こる理不尽を、受け入れて生き続けなければならないから、主人公は世界を受け入れる。

    そう言うとちょっとだけ悲しい物語に見えるが、しかし不思議と、
    どうしようもない奴でも生きていけるのだ、どんなに狂って見えても生きていたっていいんだよ、
    という作者のメッセージが聞きとれるような気がして、ラストシーンでグッと来た。

    社会でうまく生きていけない、あるいは生きづらさを感じる人は、この話を読んでみるのもいいかもしれない。
    けっこう共感できると思う。
    12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2016年11月30日に日本でレビュー済み
    かの名作であるドストエフスキーの罪と罰の主人公、ラスコーリニコフは自身の境遇への不満から殺人を犯した
    それは、ナポレオンという英雄的存在になるためという意欲溢れるものであった。その執筆当時では一人の若者が想像できうる未来図としてそれは存在できたのだろう
    しかし、現代の日本の若者はどうだろうか?英雄になりたいという発想を抱き、行動に移すということがナンセンスと扱われるのではないだろうか?むしろ英雄像に憧れるということすら嘲笑されるかもしれない。
    本作の主人公は現代の若者の象徴ともいえる。幼少期の不遇こそあれど、充実した大学生活を投げ出す理由は死んだ彼女の死体を盗むというどうしようもなく生産性のない行動だ
    当面の生活費のために金貸しの老婆を殺したラスコーリニコフとはまったくの真逆である。

    しかし内容は違えど主題は同じだ。ドストエフスキーの罪と罰の主題は試練を乗り越えるというものであるが、この作品も主人公が「乗り越える」ことこそに主題が与えられている
    その試練の内容についてはぜひ作品を読んで確かめてほしい。ストーリーの進行は後ろ向きなれど、人の本質を認知し乗り越えていく主人公がはっきりと読み解けるはずだ

    そしてもしドストエフスキーの罪と罰が未読であれば、本作を読み終わった後でも読んでほしい
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2012年1月20日に日本でレビュー済み
    読み終わった率直な感想は唐辺さんから瀬戸口さんに戻りつつあるなということ。

    キラ☆キラをプレイされた方はPSYCHEを読まれた時に読後感の余りの落差に驚かれたのではないでしょうか。

    これまでの著作は感情表現が抑制されている印象があり、心に響くところまで至らず若干フラストがあったのですが、

    今回の著作は伝わってくるメッセージはクリアで、主人公から浸み出る感情はストレートに心を打ちます。

    ・・しかし、唐辺さんは会話が多く、分量も長くなり易いノベルゲームという表現方式の方が素直に感情をだせるのではないかと。

    小説を書いていくのであれば、これまでのような中編小説ではなく、ぜひノベルゲーム並みの分量の長編小説にチャレンジして欲しいですね。
    2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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