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絵はがきの時代 単行本 – 2006/5/1
- 本の長さ299ページ
- 言語日本語
- 出版社青土社
- 発売日2006/5/1
- ISBN-104791762746
- ISBN-13978-4791762743
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登録情報
- 出版社 : 青土社 (2006/5/1)
- 発売日 : 2006/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 299ページ
- ISBN-10 : 4791762746
- ISBN-13 : 978-4791762743
- Amazon 売れ筋ランキング: - 733,780位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 978位収集・コレクション (本)
- - 10,677位日本史一般の本
- - 50,212位アート・建築・デザイン (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1960年兵庫県生まれ。早稲田大学教授。
日常会話における身体動作の研究を行うかたわら、マンガ、アニメーションなど19世紀以降の視聴覚文化にも関心を寄せている。
単著に『二つの「この世界の片隅に」』(青土社)、『介護するからだ』(医学書院)、『うたのしくみ』(ぴあ)、『ミッキーはなぜ口笛を吹くか』(新潮選書)、『今日の「あまちゃん」から』(河出書房新社)、『絵はがきの時代』『浅草十二階』(ともに青土社)、『絵はがきのなかの彦根』(サンライズ出版)。
共著に『エドワード・ヤン 再考/再見』(フィルムアート社)、『マンガ視覚文化論:見る、聞く、語る』(水声社)、『動物と出会う〈2〉心と社会の生成』(ナカニシヤ出版)、『世代をつなぐ竜王の祭り』(サンライズ出版)、『多人数インタラクションの分析手法』(オーム社)、『ことば・空間・身体』『活動としての文と発話』(ともにひつじ書房)、『相互行為の社会心理学』(北樹社)、『ステレオ』(ペヨトル工房)他。
『介護するからだ』副読本のページ:
http://www.12kai.com/kaigo/
『うたのしくみ』副読本のページ:
http://www.12kai.com/uta/
『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか』副読本のページ:
http://www.12kai.com/mickey/
『浅草十二階』計画のページ:
http://12kai.com/top_12kai.html
『絵葉書趣味』のページ:
http://12kai.com/pc/
カスタマーレビュー
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2014年5月9日に日本でレビュー済みAmazonで購入著者の略歴がまったくのっていない不思議な本です。
別個に調べてみたら、理系で人間行動学がそもそもの専門、そこから発してメディアや文化についても考察している研究者、ということで、この本のゆたかさ、複合的な視線に納得がゆきました。
「ユリイカ」に16回にわたって連載されたものなので、ほんとうに理系文系とりまぜた、そして歴史やコレクターの角度からも、絵はがきの魅力を総合的に語ってくれます。
たとえばまず封書とちがって、最初から他人に読まれることを前提とした郵便物であること、それが書簡文学にもたらした意味。書く行為とはさいしょから宛先人が不在であることを前提とするので、旅先からの観光絵はがきはまさにそれであったこと。
はじめは葉書のおもてに文章を書くことが認められていなかったので、写真の中に「私はココ」と書き込む心理。絵はがきの中に吸収される「私」。そこから敷衍してスケールエラーについて。
またステレオ写真の流行が絵はがきにもたらしたもの。異国の巨大遺跡や寺院などをリアルに楽しむためにわざわざ作られ、ほとんどの家庭にそれを3D化するためのステレオスコープがあったこと。
ピンポンが大流行して、ピンポン招待状になっている絵はがきが百種類も刊行されていたこと。絵はがき自体の「招待状」としての意味。
もちろん絵はがき自体のテクノロジーにも熱い関心が向けられています。セルロイド製の絵はがき、透かし絵の流行、石版から彩色写真になっていったこと。テーマも万博、災害、異国の風物とさまざまで、サボイオペラとの関係や、日本に住んで絵はがき発行人となったカール・ルイスなど、興味深い話題が尽きません。
コレクターや海外のコレクターショップについても実地の見聞や当時の事情が語られていますが、驚くべきことに箪笥や屏風のようなものに絵はがきを何百枚も貼りまぜる芸術も成立していました。
漱石と水害などさまざまな逸話もちりばめられており、くりかえし読み返したくなる一冊です。趣味への愛が、研究者としての方法論に裏打ちされていて、著者のもつたくさんの角度、スタンスがのびやかで心地よいです。
- 2006年9月5日に日本でレビュー済みこの本、サイコーに面白かった。やっぱりハガキっていうメディアへの思い入れ、親しみがあるからなんだと思う。それってすごく世代的なものがあって、僕はいま40代なんですが、「メール・ケータイの時代」の前に「電話の時代」があり、「手紙・ハガキの時代」も経験してるんですよ。そんで、手紙・ハガキ時代が思春期に該当してて、そうしたパーソナル・メディアってつまり恋愛とすっごくリンクしてるわけで...。
「ごく個人的で親密なことばを絵はがきの余白に添えることがある。誰の目にもとまりうるがゆえに誰も気にはとめないだろう、という大胆な予測のもとに」なんてハガキ論にはだから思いっきり反応してしまう。年賀状にその子にだけ特別に練った「伝わるかなぁ、伝わんねぇだろうなぁ、伝わってほしいなぁ」ってゆー、ビミョーな文章とかさ。「紙は折られるだけで秘密めく。本は秘密の束である」「手紙こそ、周囲の憶測を呼ぶ不用意な形式」なんて、まさにその通り。ハガキっていうライトでオープンなメディアに込める若人の熱くて暗いメッセージってのが、中途半端な中坊にはピッタリで。
フランスの郵便局がその昔に出した禅問答のような局員通達にも笑った。曰く、
郵便局員に以下の行為を禁じる。
(a)はがきを読むこと
(b)人を辱める表現、侮蔑的な表現の書かれたはがきを送信、転送、配達すること
これ、「読まずに読め!」ってことだよね。そうすると、さっきの“絵はがきの余白に添える”メッセージは行間を読ますわけだから、「書いてないことを読め!(読んでね)」ってことで、まことにハガキは奥が深い。
他にも「絵はがきの消費量が劇的に増えたのは日露戦争期」とか「絵葉書の流行が文学の気分に影響を与えた」とか「漱石『三四郎』の郵便メディア的考察」とか、特に本の前半が充実してる。これ、文句なくおススメ本です。
- 2012年2月9日に日本でレビュー済み論文的な味わいを期待してたのですがこの本は単なる小気味のいいエッセーですね。本屋さんに中々置いてなかったのでこちらのレビューでジャケ買いしたのですが正直失敗でした。絵葉書にそもそも特別な思い入れがない人でない限りこの本で知的満足を満たそうと思ってもエッセーだから満たされないし、読み物にしても短編集だから浅い印象を否めません。
- 2006年6月25日に日本でレビュー済みタイトルになっている「絵はがきの時代」とは、19世紀末から第一次世界大戦にかけて、世界のあちこちで人びとが絵はがきに熱狂した時代を指している。当時、絵はがきの展覧会や交換会、絵はがきの専門雑誌が発刊されたりしたそうだ。
一般のひとにとって絵はがきとは、観光地で買う風景写真や、博物館などで販売される所蔵作品の写真などであって、なんでこれがコレクションの対象になるのか不思議に思われるに違いない。著者は前著『浅草十二階』の資料集めがきっかけで絵はがきを「繰り始めた」。絵はがきを眺めることによって、発行された当時の「風景」を知る手がかりになるからだ。
本著で紹介されている絵はがきは、書き込みがあったり、画鋲のあとがあったりする使用済みの絵はがきである。著者はそこから差出人を初めとする、絵はがきが辿った道を知り、また絵はがきの持つメッセージを読み取って読者に伝えようとしている。
表紙や口絵の絵はがきの写真が美しい。また文中にも多くの珍しい絵はがきが満載されている。文章がとても読みやすく、わかりやすい。まるで著者と一緒に旅をしながら、旅先の解説をしてもらっているようだ。ひょっとしたら、読者を絵はがきをめぐる旅に誘うのが著者の目的だったのかもしれない。絵はがきに関する興味深い歴史の逸話も紹介されているので、永久保存本としても最適。
- 2008年9月8日に日本でレビュー済み著者は絵はがきコレクターではあるが、他の著書の資料収集のなかで、絵はがきに出会い、以来7年「収集家を自称するには日が浅い」というが、たいした収集だし、ともかく面白い。絵の余白について、観光地から自分に差し出した絵はがきについて、あるいは災害絵はがきや、英国でのジャポニズム・ブームなど、和洋のあらゆるところを逍遙しながら、絵はがきの、誰も書いてこなかった文化史を書き上げている。しかもやたら参考資料を引用するような文化史本ではなく、自分自身の疑問や探究心から入っている文章だから読むほうも自然に引き入れられる。
「スケールエラー」「都市の透かし絵」「おとぎの国の黄昏」「彩色という痕跡」など、目次の小見出しを見ただけで読みたくなるし、またきちんと読ませる素晴らしい本。