人工臓器 artificial organ
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サイボーグ
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身体
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人工呼吸器
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人工透析
人工腎臓・人工心臓・人工肝臓等生命を救うという劇的な効果を期待した一義的人工臓器(life support)と,糖尿病の欠陥合併症の発症や進展阻止を目的とした人工膵島のような機能的寿命の延長と生活の質的向上を追求する二義的人工臓器(better function)がある。(imidas90:629)
文献:渥美[1970][1973][1987]渥美・稲生[1986:1-104](技術中心)三輪[1983]桜井[1986]他に『技術と人間』85-3:55,…
人工臓器の臨床応用の歴史(世界・日本)渥美・稲生[1986:13-15](p.15に表あり)
○人工心肺装置
酸素化された血液を送り心臓と肺の機能を手術中一次的に代行(桜井[1986:38-73])
ECMO療法:体外循環と膜型人工肺を利用して血液を酸素化し,急性の呼吸不全のガス交換機能を一時的に補助・代行してやって,患者の肺が機能回復するまで生命を維持する(桜井[1986:71-73]) 他に渥美・稲生[1986:64-66]imidas90:630
○人工心臓 artificial heart
・文献:研究の当事者によるものとして渥美[1970][1973][1989]桜井[1986:76-94,191-197]他に三輪[1981→82][1983:127-167]後藤正治[1985]の一部[1987](朝日85.8.22)
・完全置換型人工心臓 日本では最近10例前後の臨床応用が報告されている(imidas90:629)
・補助心臓:…
・人工弁(三輪[1983:109-119]桜井[1986:78-86]渥美・稲生[1986:58-61])
・ペースメーカー(三輪[1983:120-126]桜井[1986:184-188]渥美・稲生[1986:61-64,67-83])世界で100万人をこえる 日本では1年に1500人 同世代の一般人より長生きという説もある(古川[1987:47-50])
・本格的な人工心臓の研究は1957ころから日本と米国でそれぞれ別個に開始される
・合衆国ではクリーブランドクリニックのコルツ(後にユタ大学に移る)
阿久津哲造:クリーブランド→ニューヨーク→66ミシシッピー大学→74テキサス心臓研究所→81国立循環器センター副所長
能勢之彦:クリーブランドクリニック
文献:後藤[1987]の他,合衆国での研究を追ったものとして三輪[1981→82]
日本の渥美ら東大グループ(木本誠二の木本外科 他に桜井等)の研究・開発史 当事者によるものとして渥美[1989]
・歴史
57 クリーブランドクリニック 阿久津 世界最初の人工心臓の実験 犬
64 ヒューストンのベーラー大学で3年間に5例 補助人工心臓 5例
(三輪[198182:172-173])
65 ニューヨークのマイモニダス病院 阿久津デザインの補助人工心臓 補助人工心 臓として用いられる(心臓を切除しない) 33歳の男性 20時間30分で死亡
(三輪[1981→82:171])
66 2例目 63歳女性 12日間で死亡(三輪[1981→82:171-172])
67 を最後として補助人工心臓の人体応用は行われなくなる
690404 テキサス心臓研究所のクーリー 心臓移植までのつなぎとして初めて用いられる 47歳の男性 64時間 患者は心臓移植後32時間で死亡
(桜井[1986:89-94]三輪[1981→82:184-187])
800521 東大の人工心臓 補助人工心臓として使われる
渥美らは0528の時にも発表せず,0530朝日新聞がスクープ
0531社説でとりあげられる
能勢 渥美らを弁護する投書 (三輪[1981→82:2032-206]
以後日本における補助人工心臓臨床例8512までに計25(後藤[198709:195]に表)
8507の統計で世界で207例(後藤[198709:199])
800528 東大のヤギ,コルフらの221日の生存記録を破る 報道される
(三輪[1981→82:203])
810723 クーリー・阿久津 テキサス心臓研究所 36歳の男性に人工心臓 世界で2例目
55時間使用される0725心臓移植 移植心臓と交換されて8日後感染による敗血症
などで死亡(三輪[1981→82:210-215],後藤[198709:120-126]
821201 ユタ大学で人工心臓移植行われる デブリーズら 世界初の永久型人工心臓
61歳男性バニー・クラーク
830323 112日生きて 感染・多臓器機能障害・循環不全によって死亡
(三輪[1983:127-136]後藤[198709:137-147],渥美らの反応について渥美
[1989:198-202])
永久型人工心臓の臨床は全部で5例 以後中断(後藤[198709:233])
8306 〜8409 東大で ヤギ344日生存
完全人工心臓で1年以上生存している人は2例(桜井[1986:191-192])……?
○
人工腎臓(別ファイル)
○人工肝臓 artificial liver
臓器機能を完全に代行できるような人工肝臓は今のところなく,人工肝補助装置として機能の一部を補助しているにすぎない。
血液中の毒性物質を除去する目的で活性炭や半透膜を用いた血液がい流・透析が行われている。(及び血しょう交換についてはimidas90:628))
異種肝を一個の臓器として,あるいは組織片や遊離細胞として用いるハイブリッド型の人工肝臓の開発が進められている(imidas90:629)
激症肝炎の時に,人工肝臓(肝臓機能補助装置)を用い,肝臓の再生能力が発現し機能が回復するのをまつ(桜井[1986:134-137])
人工腎臓をそのまま利用 活性炭を用いる方法 他人の血液との交換 血奬だけを交換体外で動物の肝臓の中に血液を送る方法(拒否反応が起こる) 肝細胞を培養しそこに血液を流しだし,膜をへだてて肝細胞の浮遊液との間で透析を行う方法…研究中(三輪[1983:67-72]) 他に渥美・稲生[1986:96-98]
○人工膵臓(膵島) artificial endocrine pancreas
糖尿病による血糖調節機能を代替
ベッドサイド型人工膵島が実地臨床に使用されているが,微小針型ブドウ糖センサーを 用いた携帯型人工膵島が開発,臨床応用されようとしている。(imidas90:629)
三輪[1983:58-66]渥美・稲生[1986:98-99]
○人工腸管
静脈からの栄養補給を指す (三輪[1983:77-82])
○人工血管
(三輪[1983:83-108]渥美・稲生[1986:55-58])
890930日本人工臓器学会 東京大学第二外科(出口康夫教授)と東レなどのグループが人工血管の内壁を,培養した細胞で覆い,自然の血管と似た壁を作る簡便な方式を開発,発表。血栓の問題を解決する有力な手段に。イヌを用いた実験(朝日891001:3→FAIL 具体的な方法について詳しくは同記事を参照せよ)
○人工血液
○目
小型テレビカメラ→電気刺激に変換→脳に視覚パターンを生じさせる 研究中(桜井[ 1986:188-189])
○人工水晶体 1979〜実用普及(桜井[1986:190]) imidas90:630
○耳
人工中耳 日本で臨床テスト段階 人工内耳 米国で研究がさかん(桜井[1986:189]
他に渥美・稲生[1986:99-100] 人工内耳 imidas90:629 人工中耳 imidas90:630
◇
坂本 徳仁 20090331 『コア・エシックス』5:161-170
「人工内耳装用児におけるリテラシー・言語・学力」
[PDF]
○人工関節
imidas90:629
○人工歯根
imidas90:630
○セラミック耳小骨
imidas90:630
○人工皮膚
皮膚が再生するまでの一時的被覆材にすぎない(江藤[1986:70-71])
○人工食道
8909末 日本人工臓器学会(旭川市)で京都大学医用高分子研究センターと同大胸部疾患研究グループが実験結果を発表:イヌを用い,合成樹脂を外側からコラーゲンで覆った人工食道の,樹脂材とコラーゲンの間にイヌ口の中からとって約10間培養した粘膜細胞約500万個を注入。約2週間たつと,コラーゲン部分の繊維や細胞が増え,その内側は粘膜上皮細胞で覆われ,本来の食道と一続きに。樹脂材は抜け落ちるので,粘膜上皮細胞が食道の内壁に 「種まき」なしの場合は時間が3−4週間かかっていた(朝日891003E:6→FAIL)
○マテリアルについて(桜井[1986:141-181]渥美・稲生[1986:44-54])
○バイオ人工臓器(桜井[1986:205-213])
■人工臓器・文献
会田 周平 『エコ・テクノロジー――技術生態学序説』
会田 周平 19870930 「私は人工臓器をこう見る――情報工学の立場から」
渥美編[1987:203-211]
芦田 譲治・植手 通有・大川 節夫・川島 武宜・斎藤 真・田中 慎次郎・竹内 好・ドア,R.P.・朝永 振一郎・野上 弥生子・西田 長寿・藤田 省三・本多 勝一・丸山 真男・森 有正・森 恭三・三宅 徳嘉・吉田 秀和・山内 恭彦・湯川 秀樹・渡辺 格 19700625
『逆説としての現代――みすず・対話篇』,みすず書房,270p. ASIN:B000J9OEN6 \600
[amazon] ※
*渥美 和彦 1970 『人工臓器』
東京大学出版会
渥美 和彦 19730820 『人工臓器――人間と機械の共存』
岩波新書 320
渥美 和彦 198008 「人工心臓時代の幕開け」
『文藝春秋』58-
渥美 和彦 19840220 「人工臓器の進歩と社会」
井上・小林・塚田・渡辺編[1984]
渥美 和彦 19871101 「人工臓器とバイオエシックス」(医療と倫理・4)
『からだの科学』137:102-107 ※COPY
渥美 和彦 19890510 『人工心臓――未知なるミクロコスモスへの挑戦』
三田出版会,289p. 1900 杉並494
*渥美 和彦・稲生 綱政 1976 『人工臓器と臓器移植』
共立出版
渥美 和彦 他(座談会) 198508 「臓器移植か人工臓器か(移植)」
『臨床検査』29-08:914-924
*渥美 和彦 編 1982 『人工臓器ガイダンス』
メヂカルサイエンス社
*渥美 和彦 編 19870930 『人工臓器――不老不死の時代は来るか』
東京書籍 シリーズ1990−3,234p. 1600 三鷹492
*渥美 和彦 監修 19860125 『医学これからこうなる』
集英社,342p. 1800 真砂490
*渥美 和彦・稲生 綱政 19861115 『ライフサイエンスにおける人工臓器と臓器移植』
共立出版,viii+178p. 2000 杉並492
太田 和夫・白須 敞夫・須磨 幸蔵 編 1980 『人工臓器の基礎と臨床』
秀潤社
*太田 和夫・阿岸 鉄三 編 1983 『人工臓器』
南江堂
*上林 茂暢 19891120 『先端医療』
講談社現代新書974,227p. 550 真砂
*後藤 正治 19870925 『人工心臓に挑む』
中公新書850,248p. 580 ※/杉並
*桜井 靖久 19860422 『入門 人工臓器』
日本経済新聞社,日経ハイテクシリーズ,214p. 850 杉並492
寺松 孝 19840220 「臓器移植――人工臓器から臓器移植へ」
井上・小林・塚田・渡辺編[1984]
戸部 隆吉 19840220 「臓器移植と人工臓器の現状」
井上・小林・塚田・渡辺編[1984]
橋本 勇 19870930 「私は人工臓器をこう見る――臓器移植の立場から」
渥美[1987:212-219]
*三輪 和雄 19831120 『人工臓器の時代――人体はどこまで置き換え可能か』
講談社,ブルーバックスB-493 540 真砂493
三輪 和雄 198111 「人体はどこまで機械化できるか」
『ボイス』1981-11→三輪[198206:137-217]
三輪 和雄 1982060610 『総理の病室』
新潮社,221p. 980 三鷹490
山村 雄一・渥美 和彦 1984 『ロボットと人工臓器』
中山書店
桜井 靖久 197310 「人工臓器の社会学」
『自然』1973-10
瀬在 幸安 他 1983 「補助心臓の臨床例」
『人工臓器』
高野 久輝 他 1983 「開心手術後高度心不全に対する補助人工心臓の適用」
『人工臓器』
米本 昌平 19870930 「私は人工臓器をこう見る――社会倫理の立場から」
渥美編[1987:195-203]
『看護学雑誌』 19840101 「人工腎臓――人工臓器 最先端の技術を探る・1」
『看護学雑誌』48-01:0004-0007 700 立岩COPY
『看護学雑誌』 19840201 「人工膵臓――人工臓器 最先端の技術を探る・2」
『看護学雑誌』48-02:0124-0127 ※COPY
『看護学雑誌』 19840301 「人工肝臓補助装置――人工臓器 最先端の技術を探る・3」
『看護学雑誌』48-03:0224ー0247 ※COPY
『看護学雑誌』 19840401 「人工血液――人工臓器 最先端の技術を探る・4」
『看護学雑誌』48-04:0364-0367 ※COPY
『看護学雑誌』 19840501 「人工血管――人工臓器 最先端の技術を探る・5」
『看護学雑誌』48-05:0484-0487 ※COPY
『看護学雑誌』 19840601 「人工関節――人工臓器 最先端の技術を探る・6」
『看護学雑誌』48-06:0604-0607 ※COPY
『看護学雑誌』 19840701 「一時的な人工材料による肪胱再生――人工臓器 最先端の技術を探る・7」
『看護学雑誌』48-07:0724-0727 ※COPY
『看護学雑誌』 19840801 「人工ペースメーカー――人工臓器 最先端の技術を探る・8」
『看護学雑誌』48-08:0844-0847 ※COPY
『看護学雑誌』 19840901 「人工弁――人工臓器 最先端の技術を探る・9」
『看護学雑誌』48-09:0964-0967 ※COPY
『看護学雑誌』 19841001 「人工心肺――人工臓器 最先端の技術を探る・10」
『看護学雑誌』48-10:1084-1087 ※COPY
『看護学雑誌』 19841101 「人工心臓――人工臓器 最先端の技術を探る・11」
『看護学雑誌』48-11:1204-2107 ※COPY
『看護学雑誌』 19841201 「人工臓器の将来――人工臓器 最先端の技術を探る・12(最終回)」
『看護学雑誌』48-12:1324-1327 ※COPY
REV:....20070319