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安楽死・尊厳死:2004


安楽死・尊厳死 -1970's 1980's 1990's 2000- 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009

   *以下とりあえず。未整理。共同作業者を求めています。
   *このHPの作成者が書いたものに『ALS――不動の身体と息する機械』(2004,医学書院)。

相模原事件
北海道立羽幌病院事件

◇立岩 真也 20040114 『自由の平等――簡単で別な姿の世界』,岩波書店,349+41p.,3100
 「本人がそれでよいと言うままにしない。それはどんな場合にか、なぜか、そして具体的にどのように対するか。「安楽死」についてあるのも同じ問いであり、またそれはパターナリズムの問いと同じ問いである。だから[…]」(第4章「価値を迂回しない」p.184より、他にp.313、332で言及)
◇立岩 真也 20040125 「争点としての生命」(医療と社会ブックガイド・34)
 『看護教育』45-01(医学書院)
◆植竹 日奈・伊藤 道哉・北村 弥生・田中 恵美子・玉井 真理子・土屋 葉・武藤 香織 20040305 『「人工呼吸器をつけますか?」――ALS・告知・選択』,メディカ出版,182p. 1800+ [B] ※ [boople][bk1] ※ et
斎藤 義彦 20040630 『アメリカおきざりにされる高齢者福祉――貧困・虐待・安楽死』,ミネルヴァ書房,MINERVA福祉ライブラリー66,249p. ISBN:4-623-03996-X 2625 [boople][bk1] ※ *b 米国
 cf.立岩 2004/10/25 「死/生の本・1」(医療と社会ブックガイド・42),『看護教育』45-09:(医学書院)
◆終末期医療に関する調査等検討会 2004/07 『終末期医療に関する調査等検討会報告書――今後の終末期医療の在り方について』  http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/07/s0723-8.html
甲斐 克則 20040710 『尊厳死と刑法』(医事刑法研究 第2巻),成文堂,297p. ISBN:4-7923-1651-0 2940 [boople][bk1] ※ * et
◆2004/09/30〜10/03 死の権利協会世界連合・第15回世界会議→報道
 「安楽死や尊厳死の権利確立を目指す各国の団体が集まり、東京都内で開かれていた「死の権利協会世界連合」国際会議は3日、無理な延命治療を行わないなど終末期医療の選択を患者があらかじめ書面で記した「リビングウイル」を合法と認識し、従わなければならないとする東京宣言を採択し閉幕した。 」(共同通信配信記事)
◆2004/10 重症疾患の診療倫理指針ワーキング・グループ(代表:浅井篤)
 『重症疾患の診療倫理指針に関する提言書』
◇立岩 真也 2004/10/25 「死/生の本・1」(医療と社会ブックガイド・42)
 『看護教育』45-09:(医学書院)
◆2004/11/01 『現代思想』32-14(2004-11) 特集:生存の争い
 ◇川口 有美子 20041101 「人工呼吸器の人間的な利用」,『現代思想』32-14(2004-11):057-077
 ◇立岩 真也 20041101 「より苦痛な生/苦痛な生/安楽な死」,『現代思想』32-14(2004-11):085-097
 「もう一度繰り返す。何かをすることあるいはしないことで寿命が縮まる行ないと、何かをすることあるいはしないことで死ぬこととは違う。前者には今しばらくの生があり、後者にはない。このきわめて単純で明白な違いは無視しない方がよい。」(最終段落)
 ◇大谷 いづみ 20041101 「「尊厳死」言説の誕生」
 『現代思想』32-14(2004-11):142-152
 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/g/oi01.htm
 ◇佐藤 憲一 20041101 「死の権利化に抗して」
 『現代思想』32-14(2004-11):153-161 http://www.satoken.org/
◆2004/11/10 「米司法省、オレゴン州の安楽死禁止求め最高裁に意見書」
 Nikkei net 2004/11/10(18:30) →安楽死・尊厳死:米国
◆立岩 真也 2004/11/15 『ALS――不動の身体と息する機械』
 医学書院,449p. ISBN:4-260-33377-1 2940
◇立岩 真也 2004/11/25「死/生の本・2」(医療と社会ブックガイド・43)
 『看護教育』45-10:(医学書院)[送:20041004]
◆新田 勲 2004/12 「提言書について」
◇立岩 真也 2004/12/25 「ALSの本・1」(医療と社会ブックガイド・44)
 『看護教育』45-11:(医学書院)[送:20041103]




 
 
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◇2004/09/30 「「死の権利」国際会議開幕 延命拒否の意思主題に」
 京都新聞ニュース 2004.9.30 配信:共同通信
 http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2004093000038&genre=O1&area=Z100930

  「安楽死や尊厳死の権利確立を目指す各国の団体でつくる「死の権利協会世界連合」の国際会議が30日、4日間の日程で東京で始まった。
  会議は1976年に東京で始まって以来、2年ごとに開かれており今回で15回目。無理な延命治療はしないよう、あらかじめ書面で意思表示しておく「リビングウイル」を中心テーマに議論する。
  医療の進歩で延命や緩和など終末期医療の選択肢が増えた結果、自分の死にざまは自分で決定したいという考えが各国で広がっている。現在、世界連合には日本を含む23カ国の38団体が加盟している。
  10月1日と2日に公開で行われる分科会では、世界各国のリビングウイルをめぐる活動状況を紹介。無理な延命治療を断り安らかな死を望む尊厳死も、議員連盟が結成されるなど国内で動きが見られており、法制化について意見が交わされる。」(共同通信)

◇2004/10/03 「延命拒否の書面意思尊重を 死の権利国際会議が閉幕」
 京都新聞ニュース 2004.10.3 配信:共同通信
 http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2004100300085&genre=O1&area=Z10

 「安楽死や尊厳死の権利確立を目指す各国の団体が集まり、東京都内で開かれていた「死の権利協会世界連合」国際会議は3日、無理な延命治療を行わないなど終末期医療の選択を患者があらかじめ書面で記した「リビングウイル」を合法と認識し、従わなければならないとする東京宣言を採択し閉幕した。
 終末期医療をめぐっては、延命治療を拒否する尊厳死を法で認める地域もあれば、オランダやベルギーのように患者の要請に応えて医師が患者を早く死なせる安楽死まで認めている国があるなど、考え方はさまざま。
 日本では、延命治療の中止手続きに関するガイドライン作りを厚生労働省が始め、尊厳死の法制化に向け議員連盟が結成されるなどの動きがある。」(共同通信)


◇2004/10/11 「終末期医療 尊厳死世界会議を東京で開催」
 『社会保険旬報』2222:2
 http://www.wam.go.jp/wamappl/bb01News.nsf/0/791AC02BE25FB0A049256F2E00034754?OpenDocument

  「死の権利協会世界連合(マイケル・アーウィン会長)は第15回世界会議を9月30日から4日間、都内で開き、終末期医療について議論した。
  終末期医療をめぐっては、7月に厚労省が報告書をまとめ、ガイドライン作成に向け年内に研究班を発足する。また、尊厳死の法制化を目指し、6月に超党派の議員連盟(中山太郎会長)が結成されている。
  この日の会議で来賓挨拶した奥田碵・日本経団連会長は、「医療関係者の間では本人の意識が失われてからも限りなく延命することが正しいという考えが根強いが、一定のルールの下に自らの責任と判断で自分らしく死ぬ権利も許されて然るべきではないか」と述べた。また、個人の自己決定を尊重する精神や死生観について考えを深めることが精神的豊かさにつながると強調した。
  厚労省の岩尾医政局長は、終末期医療の報告書について説明。報告書では、▽国民の過半数がリビングウィル(書面による生前の意思表示)の考え方に賛成▽リビングウィルの法制化に賛成する国民が半数に満たなくても患者の終末期についての意思を尊重するべき▽延命治療の不開始・中止の手順に関し医療現場が悩んでいるためガイドラインの作成・普及が必要であると述べた。
  また、井形昭弘・日本尊厳死協会理事長は、同協会の歩みと将来展望について講演。40年前は8割が在宅で亡くなったが、現在は8割が病院で亡くなり、ターミナルケアが高齢者ケアの課題であると指摘。日本では積極的安楽死を容認する風潮は乏しいが、尊厳死は92年に日医、94年に日本学術会議も容認し、「安らかな死」が未来長寿社会のキーワードだと締めくくった。」

日本尊厳死協会
・日本医師会第III次生命倫理懇談会 19920309 「「末期医療に臨む医師の在り方」についての報告」
・日本学術会議 死と医療特別委員会 19940526 「尊厳死について」
 memo:日本学術会議死と医療特別委員会の報告については「4.延命医療中止の条件」の「第一に、医学的に見て、患者が回復不能の状態(助かる見込みがない状態)に陥っていることを要する。単に植物状態にあることだけでは足りないと解すべきである。」との文章を字義通りに理解すれば、尊厳死一般?を是認しているとするのは疑問。


 
 
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◆2004/12 「提言書について」

  全国公的介護保障要求者組合委員長 新田勲 文責

  「患者に意思決定能力・意思表示能力があり、患者が家族・代理判断者と共に、医療チームと診療方針を話し合う場である。患者と家族・代理判断者が共に希望しかつ患者の最善の利益に適う意思決定(選択)が存在するが、その合法性、医療慣行・社会通念との一致が明らかでないとき、医療従事者はどうするべきか。
  40代男性患者。筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者で30歳の時に人工呼吸器を装着し、在宅で闘病生活を送っていた。また意思伝達装置を使って、闘病記を出版もした。闘病記を出版し終え、様々な反響もあり、応援のファンレターなども自宅に届いたりしており、とても充実した日々を送っている様子だった。しかし3ヶ月前に、「もう十分、幸せな人生を送らせてもらった。ここでそろそろ自分の人生を終わりにしたい」とワープロを打った。家族とも何度も話し合った結果、「本人の意思を尊重したい」、という結論に達した。往診の担当医に、「呼吸器をはずして欲しい」と依頼があった。しかしALS患者からの呼吸器取り外しの合法性は不明である。主治医はジレンマに遭遇した。主治医は人工呼吸治療を中止すべきだろうか。」

という厚労省を含めた「重症疾患の診療倫理指針ワーキング・グループ」という検討団体の内部資料が手に入った。(重症疾患の診療倫理指針 ワーキング・グループ 代表:浅井篤 「重症疾患の診療倫理指針に関する提言書」 平成16年10月 72−73頁。ケース1:倫理カンファレンス1(状況1))
  この検討の内容はすごく障害者にとって恐ろしい内容です。上記の一例を含めて、現在ALS患者のもう一例がこのようなことで死ぬ権利を認めろということで、裁判を起こしているそうです。はっきり言って、「ふざけるな」と言いたいです。親、兄弟、他人にさんざん世話かけて命が救われて生きのびて、自分が死にたくなったらその手で殺してください、なんて介護してきた苦労を全く裏切るのもいいかげんにしろ!と言いたいです。
  私は生まれてまもなく全身性障害者、24時間介護が必要な重度の障害者です。年齢とともにどんどん重度化して呼吸器も悪く、薬も医療器具も、日常生活をやっていく上で欠かすことは出来ません。そういうなかで介護者の手を借りて自立していくことは大変きびしいものがあります。ただそこで、自分のせっかくの命ですので自分で命を殺すというより、命がある限り精一杯生きています。人間は誰しもが死と背中合わせです。いつでも自分の意向によってその命を絶つことは出来るはずです。障害が重ければ重いほど、生きていく意向を選んでいくのが私たちの命の重さです。自分の命を介護者の手を借りたり、医者の手を借りたり、近隣の意向をあおったなかで命を絶つなんて全く汚いやり方です。
  現在、ALS患者を含めて呼吸器をつけている方は何十万といます。また、重度心身障害者療育施設に入っている障害者は大半が呼吸器をつけています。上記のような1、2例の発言によって、厚労省はそこをたてにして、呼吸器をつけて生きている施設のなかの障害者たち、また、家族のなかで呼吸器をつけて生きている障害者は全員、呼吸器の管を抜かれ殺されていくのです。このことが国で通ったら、呼吸器の管だけでなく、栄養管をつけて生きのびている障害者も高齢者も、ほとんど管を抜かれて殺されるという方向になるのです。また、大きい事故をおこしてこのような管をつけて生死をさまようなかで、4〜5日経っても目が覚めなかったら、ほかの意向によって管を抜かれて殺されていくのです。確かに管を抜くにしても、いろいろな条件がつくと思います。そこで、管を抜く条件は�@自分の死にたいという意向、�A介護をする近隣の意向が管を抜くのに一番重要視されていくと思います。�@について、自分の意向ということでは重度重症重複障害者の多くは、コミュニケーションはすごく難しく意思疎通、確認のとれない障害者はたくさんいます。�Aの親、兄弟、近隣の確認といっても、介護で疲れ切っている場合の本音は自分より一日でも早く死んでほしい、まして、24時間付きっ切りの介護となると、すぐに殺したい、双方が楽になりたいという行き詰った関係です。そこでは障害者からは確認はとれないから、親兄弟から確認をとれば、当然管を抜くことに承諾します。それが近隣の意向です。
この検討協議会の会話のなかで国家予算が逼迫しているから、障害者の介護保障については24時間の青天井のような保障の予算の出し方は認めない、24時間の介護でないと生きていけない障害者については、管をつけていく予算もかかるし、そういう設備をもった施設も全く足りない。設備もないし、国家予算もない。そういうところでは管をつけている障害者はすごくお金がかかるので、管を抜くというのが国の意向です。国の意向が、お金がかかる障害者は安楽死させるという意向で動いてる以上、このことを先に止めないと、統合とか24時間の保障とかいってる時間はないのです。この安楽死の方向が決まったらALS患者を基本として24時間の介護が必要な障害者はどんどん殺されていくのです。
  さて、この会合のALSの医療を含めた日々のかかる介護の表のいくつかの予算の単価の額が示されています。このALSの月々にかかる予算は70万から80万と示されています。この表はたぶん入院しているALS患者の予算の表だと思います。全身性障害者の自立している者は、日常生活支援でその介護料は月々100万近い額、それ以上出ているという障害者はたくさんいます。ALS患者の70〜80万円も予算がかかりすぎるから、管を抜いて「安楽死」させていこうという検討がされている以上、100万円以上かかる全身性障害者の介護の予算について、全身性障害者の「安楽死」ということは間近にせまってきているのです。ALS患者は80万円の介護料で殺されていくとしたら、100万円以上かかる全身性は、そのお金を使って生きてること自体、社会の人々の意識は許せなくて、全身性も「安楽死」ということで進んでいくのです。そこでは全身性は生きてること自体、批判が飛び交う社会となっていくのです。ドイツのヒトラーは財政が不況のなかで、精神障害者や障害者を真っ先に「安楽死」という方向をとったということです。生きる権利、生かされる権利はあるけど、殺す権利、殺されていく権利はないはずです。そこを絶対に認めてはならないのです。


UP:20050117(ファイル分離) REV:20050524, 20090213
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