『夢診断』
秋山 さと子 19810420 講談社,214p.
last update: 201100816
■秋山 さと子 19810420 『夢診断』,講談社(講談社現代新書),214p. ISBN-10: 406145613X ISBN-13: 978-4061456136 \693
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■内容
・出版社/著者からの内容紹介
永遠の時間と無限の宇宙を駆けめぐる夢は人間の意識と無意識の対話といえよう。心の奥に沈むエモーションはひきだされ、よろこびやかなしみの感情はドラマとしてあざやかに定着する。本書はシャドウ、ペルソナ、アニマ、アニムス、太母、老賢人などユングの元型のイメージや集合無意識の考えを駆使しながら一人芝居としての夢をあざやかに診断していく。漱石の夢、更級日記の夢、未開部族の夢などとともにユング研究所以来の著者自身の夢ノートをてがかりに、暗く、抑圧された衝動の表現としてではない人生をより豊かにしていく夢の可能性を語る。
夢と遊んでみる――最近、ヨーガや禅などを好み、実践的な精神的修行の一つとして、夢に興味をもつ若い人たちが増えている。そして、マンダラや仙人や大女神の夢を見る人たちも多い。その結果として、インドやネパールに出かけたり、世界を駆けめぐる計画を立てる人もいる。それは若さと深くかかわる自我膨張の一つかもしれないということは知ってほしい。それでもなお、山に籠ったり、外国へ出かけたい人たちを、わたしはとめる気はない。なにごとも計算ずくめで、若さを失なった感動なき人々に比べれば、はるかにましだと思うからである。夢は考えだすと、やめられないほどおもしろい。ただ夢を考える時は、夢の世界に呑みこまれないように、しっかりとした自分をもってほしい。いつか、夢にそれこそ夢中になって、おかげで試験勉強に手がつかずに、落ちてしまったなどと文句をいっていた若ものもいたけれど、そこまでわたしは責任をもつ気はない。――本書より
・著者紹介
1923年東京に生まれる。文化学院、駒沢大学仏教学部を経て、1964年から68年までユング研究所に在籍。1992年、逝去。著書に、『聖なる次元』――思索社、『子どもの深層』――海鳴社、『さとりの分析』――朝日出版社、『いい女への旅立ち』――祥伝社、『ユングの心理学』『ユングの性格分析』『ユングとオカルト』――いずれも講談社現代新書――などがある。
■目次
1 夢の意味
1 ある夢の話
2 夢とエモーション
3 心のドラマとしての夢
4 シリーズとしての夢
2 夢分析の諸相
1 さまざまな夢と解釈
2 フロイトの夢分析
3 夢分析と性格
4 象徴の意味
3 ユングの元型とイメージ
1 シャドウ
2 ペルソナ
3 アニマとアニムス
4 太母と老賢人
5 マンダラの夢
4 文学作品における夢
1 漱石のアニマ
2 無意識の中にうごめくもの
3 シャドウとアニマのかかわり
4 英雄と老賢人
5 夜の航海
5 大いなる夢
1 正夢と逆夢
2 未開人の夢
3 日本人の夢
4 ギリシャの夢
6 夢分析の実際
1 水中の宝探し
2 燃えあがる魂の炎
3 子どものもつ謎
4 夜の航海と日の出
5 月とかぐや姫
7 現代人と夢
1 さまざまな夢の象徴
2 夢の危険と創造性
あとがき
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:
樋口 也寸志