『福祉資本主義の三つの世界――比較福祉国家の理論と動態』
Esping-Andersen, Gosta 19891220
Three Worlds of Welfare Capitalism,Polity
=20010610 岡沢 憲芙・
宮本 太郎 監訳,ミネルヴァ書房,275p.
last update:20160116
■内容
(「BOOK」データベースより)
戦後資本主義において、様々な国家モデルを形成してきた基軸的制度である福祉国家。本書は、福祉国家論研究における、記念碑的名著である、Gosta Esping‐Andersen、The Three Worlds of Welfare Capitalism、Polity Press、1990の全訳である。日本での翻訳出版にたいする著者書き下ろしの「日本語版への序文」においては、独自の日本型福祉国家論を展開している。
■目次
はしがき
序
第1部 3つの福祉国家レジーム
第1章 福祉国家をめぐる3つの政治経済学
1 古典的製材経済学の遺産
2 福祉国家の政治経済学
システム/構造論的アプローチ/制度的アプローチ
3 政治的エージェントとしての社会階級
4 福祉国家とは何か
5 福祉国家の再定義
諸権利と脱商品化
6 階層化のシステムとしての福祉国家
7 福祉国家レジーム
8 結論
第2章 脱商品化と社会政策
1 商品改善と保守主義の遺制
2 商品化のジレンマに対する自由主義的対応
3 社会主義政治と脱商品化
4 現実世界における福祉国家と脱商品化
受給資格を得る条件
付録 脱商品化指数の測定手続き
年金 疾病、失業給付
第3章 階層化のシステムとしての福祉国家
1 保守主義的社会政策における階層化
2 自由主義的社会政策における階層化
3 社会主義的社会政策における階層化
4 福祉国家の階層化に関する比較次元
付録 階層化指標に関する数量化手順
第4章 年金レジームの形成における国家と市場
1 公私ミックスへの視点
2 国家と市場との関係における福祉国家レジーム
3 先進資本主義の民主主義体制における社会的供給の公私ミックス
4 国家と市場による年金供給
5 年金構造の歴史的起源
6 公私ミックスの歴史的展開
7 戦後期における構造再編
8 結論
附録 第4章の説明とデータソース
第5章 権力構造における分配体制
1 資本主義の社会民主主義化
2 権力の影響力を測定する
3 福祉国家レジームを測定する
4 方法論的デザイン
5 総体としての福祉国家
社会的賃金/年金
6 年金体制
「自由主義」市場バイアス/年金給付における国家主義バイアス/社会保障年金におけるコーポラティズム/年金における法定社会保障バイアス
7 戦後期における構造再編
8 福祉国家レジームを説明する
保守的福祉国家レジーム/自由主義レジーム/社会主義レジーム
9 結論
第2部 雇用構造における福祉国家
第6章 福祉国家と労働市場のレジーム
1 3つの忍び寄る革命
2 労働市場からの退出と労働供給
3 欠勤に対する補償
4 雇用主としての福祉国家
5 レジーム・クラスターの出現
第7章 完全雇用のための制度調整
1 完全雇用をめぐる制度上の諸問題
2 戦後の制度モデルと政策レジーム
3 戦後期の制度形成
4 完全雇用への国際的収斂化
5 完全雇用の維持をめぐる矛盾
6 賃金抑制に代わるものとしての雇用の再登場
7 結論
第8章 ポスト工業化と雇用の3つの軌跡
1 ポスト工業化の意味
2 サービス雇用の増大をめぐる諸説
サービス活動の分類
3 サービス雇用拡大の3つの軌跡
雇用増大の職種別傾向/ドイツのサービス雇用「ギャップ」/政府の役割/新しい管理者革命
4 ポスト工業化の諸構造
産業部門からみたポスト工業化の構造/職種から見たポスト工業化構造
5 三つのポスト工業化経済と社会階層化
ポスト工業化段階における雇用の質的構造/3つのポスト工業的レジームにおける職種移動
第3部 結論
第9章 ポスト工業化構造の下における福祉国家レジーム
1 ポスト工業化雇用における福祉国家
2 ポスト工業化社会における階層化とコンフリクト
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:奥坊 由起子 更新:
焦 岩