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松本 雅彦

まつもと・まさひこ
1937〜2015

last update:20110110

http://www.msz.co.jp/book/author/15023.html(2015)
松本雅彦
まつもと・まさひこ
 1937-2015。精神科医。1964年京都大学医学部卒業。阪本病院、京都大学精神科勤務の後、京都大学医療技術短期大学部教授、京都府立洛南病院院長、京都光華女子大学教授を経て、稲門会いわくら病院勤務。著書に『精神病理学とは何だろうか』(1987 増補改訂版1996)、『こころのありか』(1998)、『言葉と沈黙』(2008)ほか。訳書にマノーニ『反-精神医学と精神分析』(1974)、ジャネ『心理学的医学』(1982)『症例 マドレーヌ』(2007)『被害妄想』(2010)『解離の病歴』(2011)『心理学的自動症』(2013)、ガンダーソン『境界パーソナリティ障害』(1988)、サールズ『逆転移』 1 (1991)、チオンピ『感情論理』(1994)など多数。

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%CB%DC%B2%ED%C9%A7
松本雅彦 まつもとまさひこ
1937年生まれ。精神科医。
1964年京都大学医学部卒業。 阪本病院、京都大学精神科勤務を経て、京都大学医療技術短期大学部教授、京都府立洛南病院院長、京都光華女子大学教授を歴任。

http://www.msz.co.jp/book/author/15023.html
松本雅彦
まつもと・まさひこ
1937年に生まれる。精神科医。1964年京都大学医学部卒業。阪本病院、京都大学精神科勤務を経て、京都大学医療技術短期大学部教授、京都府立洛南病院院長、京都光華女子大学教授を歴任。著書に『精神病理学とは何だろうか』(増補改訂版、星和書店、1996)『こころのありか――分裂病の精神病理』(日本評論社、1998)ほか。訳書にジャネ『心理学的医学』(みすず書房、1981)『症例 マドレーヌ』(みすず書房、2007)『被害妄想』(みすず書房、2010)サールズ『逆転移1』(みすず書房、1991)ガンダーソン『境界パーソナリティ障害――その臨床と病理』(岩崎学術出版社、1988)チオンピ『感情論理』(学樹書院、1994)などがある。

■著作

◆松本 雅彦 19960928 『精神病理学とは何だろうか 増補改訂版』,星和書店,363p. ISBN-10: 4791103300 ISBN-13: 978-4791103300 3990 [amazon][kinokuniya] ※ m.
◆松本 雅彦・高岡 健 編 20080410 『発達障害という記号』,批評社,165p. ISBN-10:4826504802 ISBN-13:9784826504805[amazon][kinokuniya] ※ m.

八木剛平松本雅彦・黒川洋治・高木俊介(司会),20021110,「座談会 グローバリゼーションにゆれる精神科医療――精神医学産業の現在」『精神医療』4-28(103): 10-30.
◆松本 雅彦 20021110,「巻頭言 どこかおかしい精神医療・精神医学――製薬資本に支配される医療の経済効率」『精神医療』4-28(103): 3-7.
◆松本 雅彦 197606 「マノーニの反精神医学」,『臨床精神医学』5-6

■訳書

◆Mannoni, Maud 1970 Le psychiatre, son « fou » et la psychanalyse,Editions du Seuil=19741210 松本 雅彦 訳,『反−精神医学と精神分析』,人文書院,309p. ASIN: B000JA19ZG \2900 [amazon][kinokuniya] ※ m01a

■引用

◆松本 雅彦 19960928 『精神病理学とは何だろうか 増補改訂版』,星和書店,363p. ISBN-10: 4791103300 ISBN-13: 978-4791103300 3990 [amazon][kinokuniya] ※ m.

 旧版のあとがき 353-
 「本書は、一九八五年から一九八七年まで九回にわせて季刊誌「精神医療」(悠久書房)に連載したものをまとめたものです。一冊の本にまとめるにあたり、若干の修正と文献を中心とした注をつけるだけにとどめました。」(松本[1996:353]  「私自身精神病学を専門とするものではなく、一介の臨床医にすぎません。そのような精神科医がこれまで精神病理学というものをどう齧ってきたのか、どう眺めてきたのかの報告にすぎず、連載を続けながら私はこの二十年の復習をしてきたのかもしれません。カッコヨクいえば、精神科医としての二十年の営みを振り返りながら、自分なりの再度の論点の整理をここで試みたかったのだともいえます。
 といいますのも、精神科医となって四〜五年目のあの一九六九年当時、私も学会闘争の後衛部隊としてその闘争に参加し、これまでの精神医学・医療のあり方に異議申し立てを行った一人だったからです。それは、私の携わっていた粗悪な臨床現場と学会で報告される麗々しい論文発表とのギャップがあまりに大きく、このギャップはどこからきているのだろうという疑問を素朴に疑問として投げつけたにすぎないものでした。多くの患者たちが狭い鉄格子の中に閉じ込められ、その中から精神科医に興味のある症例のみが選ばれ、精神病理学の考察の対象とされているにすぎないように思われたのです。私たちは、この状況を「九十九人の犠牲の上に立った精神病理学」として批判したのですが、その批判はいわば「外」から精神病理学を批判したにすぎないものでした。<0354<精神病理学を成立せしめている外的な諸条件を盾に批判したにすぎず、精神病理学そのものを「内側から批判的に捉えるところにはいたっていませんでした。現在の日本の精神医学・医療界の中で「精神病理学はこれでいいのか」という素朴な疑問とともに、精神病理学そのものをどう考えるかが、闘争後の私たちに課せられた課題として残されたように思われたからです。」(松本[1987→1989→1996:354-355])

◆松本 雅彦 「藤澤敏雄先生 追悼」,精神医療編集委員会編[2010:126-128]*
*精神医療編集委員会 編 201005 『追悼藤澤敏雄の歩んだ道――心病む人びとへの地域医療を担って』,批評社,141p. ISBN-10: 482650523X ISBN-13: 978-4826505239 1785 [amazon][kinokuniya] ※ m.(更新)

 「そう、たぶん昭和44(1969)年春のことだった、はじめて藤澤先生にお会いしたのは……。
 5月に開催を予定されている日本精神神経学会第66回大会(通称 金沢学会)を前にして新井清(故人)に誘われるまま、中山宏太郎とともに、三人で東京に赴いた。精神病院の荒廃、その劣悪な医療を支える医局講座制、そのなかで精神神経学会はなお学会認定医を制定化しようとしている。精神科医療を取り巻くこの状況に、私たちはどう対処していったらよいのだろうか。そのような課題を抱いての状況だった。
 慶応大学精神科で、河合洋先生、馬場謙一先生、北穣之介先生を訪ねたあと、私たちは小平の国立武蔵野病院に向かった。[…]
 待つことしてしばらくして現れた藤澤先生は、大きな籐椅子にゆったりと坐り、私たちの学生運動じみた性急な話ぶりに穏やかに耳を傾けられていた。私たちの話しを聞き終わって、先生<0126<は、自治体病院の現状、生活療法の背後に隠されてある問題点、精神障害者のおかれている社会的状況などを淡々と語りはじめる。学会闘争だけを焦点にした私たちの視点をはるかに凌ぐ広い視野を展望させる語り口だった。私のこころには、静かな感動が浸透していった。この最初の出会いがどのような形で終わったか、遠い記憶の陰にかすんでしまっているが、それを語る柔和な先生の顔だけは今も目に浮かぶ。」(松本[2010:126-127])

■言及

◆立岩 真也 2015/11/01 「今般の認知症業界政治と先日までの社会防衛 連載 117」『現代思想』43-(2015-11):-

 「[…]ただまず、それを始めた人たちがだんだんといなくなってしまっている。その人たちは前書でも列挙したが、今度の本が出る二年間に、臺弘と岡江晃が亡くなって、そのことを本に記した。さらに本年の六月、前書の何箇所かに出てくる松本雅彦(一九三七〜二〇一五)が亡くなり、一冊、松本[2015]が遺された。そして『精神医療』の次号はその追悼の号だと言う。高木[2015]が掲載されている今出ている号には森山公夫の追悼文(森山[2015])が掲載されている★04。私には追悼という行ないの本当の意味はわからないが、これらのことはなされてよく、なされるべきであると思う。ただ、松本[2015]から得られるものの多くは、病院の経営者がひどく儲かっていたということであり、いったん(京都大学)教授になると何も書かなくてもよかった(良い)時代があったといった事実・挿話であり、松本に映ったその時々の像だ。その先のことは、それは誰によってでもかまわないのだが、別の仕事なのだろうと思った。」

 「★04 森山の追悼文からは、東大精神科医師連合が刊行していた第一次『精神医療』を引き継ぎ、「全国版」として第二次『精神医療』(現在は第四次)を出す相談を森山と松本が東京でしたといったことがわかる。松本の(洛南病院院長の後の)最後の勤め先は私の住む近所にある岩倉病院だったが、彼はまた、かつて告発した日本精神病理学会の理事長も務めた。」

◆立岩 真也 2011/04/01 「社会派の行き先・6――連載 65」,『現代思想』39-4(2011-4):- 資料

◆立岩 真也 2013/12/10 『造反有理――精神医療現代史へ』,青土社,433p. ISBN-10: 4791767446 ISBN-13: 978-4791767441 2800+ [amazon][kinokuniya] ※ m.

『造反有理――精神医療現代史へ』表紙


UP:20110110 REV:20110309, 20140127
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