『ユーモアは老いと死の妙薬――死生学のすすめ』
デーケン,アルフォンス 19951127 講談社,225p.
■デーケン,アルフォンス 19951127 『ユーモアは老いと死の妙薬――死生学のすすめ』,講談社,225p.,ISBN-10: 4062079488 ISBN-13: 978-4062079488 1575
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■出版社/著者からの内容紹介
心安らかに死を迎えるための「生き方」の処方箋。
1995年の春、私自身、生と死が表裏一体であることを切実に体験させられた。
……細胞検査でガン細胞が発見されたため、1ヵ月ほど入院して大腸の一部を切除する手術を受けた。
今まで自分の健康を過信していただけに、患者の心理の揺れ動きや、医療関係者の対応の難しさを実感させてくれた。
……これは1つの大きな転機だった。人生の危機というのは、自己の価値観を見直すために与えられる、神からのプレゼントだと改めて痛感した。――(本文より)
内容(「MARC」データベースより)
死への思いが深まる時、表裏一体である生の尊さは重みを増し生の喜びは輝きを増すだろう。心安らかに死を迎えるための処方箋。自らもガンと闘うデーケン先生の、ユーモア溢れる魂のプレゼント。
■著者紹介
1932年、ドイツ生まれ。ニューヨークのフォーダム大学大学院で哲学博士の学位を取得。1959年、来日。現在、上智大学教授として「人間学」「死の哲学」などの講義を担当。また「生と死を考える会」会長として講演や執筆活動を精力的にこなしている。1975年、アメリカ文学賞(倫理部門)、1989年、グローバル社会福祉・医療賞、1991年、全米死生学財団賞および[わが国にはじめて「死生学」という概念を定着させた]という理由で菊池寛賞受賞。著書に、『叢書・死への準備教育』、『第三の人生』、曽野綾子氏との共著『旅立ちの朝に』など多数。ビデオ作品として『死とどう向き合うか』などがある。
■目次
第一章 ユーモアと笑いの効用
第二章 老いを楽しむ
第三章 音楽は心の癒し
第四章 死をみつめて
第五章 こころの四季
第六章 生きがいのプレゼント
第七章 私の「生命の木(ライフ・ツリー)」
■引用
第七章 私の「生命の木(ライフ・ツリー)」
◆デーケン,アルフォンス 19870724 「さわやかな旅立ち――千葉敦子さん追悼」,『朝日ジャーナル』1987-7-24→デーケン[1995:216-222](原題は確認していない)
「千葉敦子さんは、一九八七年七月九日午前七時四十五分(日本時間午後八時四十五分)ニューヨークのスローン・ケタリング記念病院で亡くなられた。このニュースは、すぐ日本に伝えられ、ほとんどの新聞で、翌日の夕刊の社会面のトップに大きく報道された。<0216<
朝日新聞は、さらに七月十一日付朝刊の、天声人語や家庭面でも、彼女の死の意義を分析している。
当時の『朝日ジャーナル』誌上に連載されていた「死の準備」日記に注目しておられた方は別として、なぜいま、このフリー・ジャーナリストの死に関心が集まるのかと、唐突に感じられた方もあったろうし、ああ、とうとう彼女も、と改めてガンの恐ろしさに眉をひそめた方もおられたのではないだろうか。
しかし、私のこの連載の題名となった「死への準備」という言葉の、日本での種まき人の一人として、深く彼女の死を悼むとともに、改めて彼女の生と死の遺したものは何であったのかを、問い直してみたいと思うのである。」(デーケン[1987→1995:216-217])
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千葉敦子
「現在の日本では、死をタブー視する一般的風潮から言っても、告知はもちろん、医師が患者に病状を理解しやすく説明して、一緒に闘おうという姿勢は、まだほとんど見られない。」(デーケン[1995:221])
■書評・紹介・言及
◆立岩 真也 2015
『死生の語り・2』(仮)
文献表
◆立岩 真也 2008 『…』,筑摩書房
文献表