『エチカとは何か――現代倫理学入門』
有福 孝岳 編著 19991110 ナカニシヤ出版,350p.
last update: 20101020
■有福 孝岳 編著 19991110 『エチカとは何か――現代倫理学入門』,ナカニシヤ出版,350p. ISBN-10: 4888485208 ISBN-13: 978-4888485203 \2520
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■内容
内容(「BOOK」データベースより)
人間性の回復を目指して。人間性喪失の時代に本気で学ぶ倫理学。倫理思想史から、臓器移植やクローン、環境問題など現代的課題まで、初学者とともに考える入門。
内容(「MARC」データベースより)
古代から現代に至る西洋倫理学の歴史を、五つの時代と思想に区分して述べ、「倫理の基礎」「意志と人格」「私と他者」などの基本的問題12項目について論述する。
■目次
I 倫理学の歴史
第1章 古代・中世の倫理思――原理的考察――
1 本章の課題
2 大切なのはよく生きることである――ソクラテス――
3 自ら望んで罪を犯すものはいない――プラトン――
4 人間は本質的にポリス的である――アリストテレス――
5 本性にしたがって生きる――ヘレニズム期の哲学――
6 実存と歴史――アウグスティヌス――
7 意志と習慣性――トマス・アクィナス――
第2章 合理論の倫理思想
1 概観
2 デカルトと近代的主体の確立
3 デカルト説の困難
4 デカルトの倫理思想
5 プーラン・ド・ラ・バールの両性平等論
6 スピノザの哲学的宗教
7 スピノザの政治論
第3章 経験論の倫理思想
1 ホッブズの利己主義とバトラーの批判
2 道徳的能力の発生――ヒュームを中心として――
3 ヒューム以降
第4章 カントとドイツ観念論の倫理思想
1 カントにおける道徳法則と人格の概念
2 「知識学」におけるフィヒテの道徳論
3 ヘーゲルの人倫思想
4 シェリングにおける人間的自由の本質
5 現代的意義
第5章 近代から現代に至る倫理思想
1 近代(狭義)
2 現代
3 現在
4 メタ倫理学の展開
II 倫理学の課題
第6章 倫理の基礎――エートスとは何か――
1 はじめに
2 エートスの語義について
3 エートスという語の歴史的展開
4 エートスとダイモーン
5 「選択」あるいは「責任」(責め、原因、端緒)とエートス
6 アリストテレスによる行動様式の分類――テオーリアー、プラークシス、ポイエーシス
7 おわりに
第7章 意志と人格
1 意志とは何か
2 意志の自由
3 自発性と自立
4 人格とは何か
5 人格的世界
第8章 私と他者――「顔」をめぐって――
1 私と他者と倫理
2 他者への責任と私
3 <わたしのため>から<他者のため>へ
4 他者は「絶対的に他なる者」か
5 他者を哲学することのジレンマ
6 複数の他者への責任
第9章 理論と実践――あるいは、見ることと行なうこと――
1 「理論と実践」という対立
2 「何のために」という問いの消失
3 道徳なき倫理学か、倫理学なき道徳か?
4 倫理学と科学批判
5 真に知るにあたいするものへの問い
6 見ることと行なうこと
7 倫理学の臨床的転回
第10章 コミュニケーションと倫理
1 コミュニケーションはいかにして倫理学の主題となるか
2 情報伝達とコミュニケーション
3 言語行為論
4 コミュニケーション倫理学
第11章 道徳性と人倫性――実践における個人性と社会性――
1 個人の立場と市民の立場
2 存在の観点と当為の観点
3 道徳性――カントの立場――
4 人倫性――ヘーゲルの立場――
5 むすび
第12章 法と正義
1 悪法には従わなくてよいか?
2 「悪法には従わなくてよい」
3 「法には従うべきだ」
4 批判的視点での正義
第13章 宗教と倫理
1 はじめに
2 カントにおける倫理と宗教
3 シュライエルマッハーの宗教理解
4 キルケゴールにおける「主体的真理」
5 宗教の倫理性
第14章 藝術と倫理――美と善――
1 倫理的藝術論について
2 近代における藝術の制度性
3 藝術と真理
4 むすび
第15章 生命と倫理――生命倫理学と倫理学の生命
1 倫理学の外部からの問いと倫理学者の対応
2 倫理学者は、なぜ、倫理を説こうとしないようにみえるのか
3 生命倫理学によせられた期待と疑念
4 原理の探求と原理主義への批判
5 問題の解決は問題の解消ではない
第16章 技術と環境
1 はじめに
2 技術の存在論
3 技術と地球環境問題
4 「拡大」の倫理的考察
第17章 クローン人間はつくられてよいか?――遺伝学上の複製の可能性に関する法哲学的考察
1 はじめに
2 地位に関する問い
3 行為に関する問い
4 結論
あとがき
事項索引
人名索引
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:
片岡 稔