『自閉症――うつろな砦 �T・�U』
■Bettelheim, Bruno 1967
The Empty Fortress: Infantile Autism and the Birth of the Self, The Free press=19730703, 19750721 黒丸正四郎・岡田幸夫・花田雅憲・島田照三訳,
『自閉症 うつろな砦 �T・�U』,みすず書房,�T:371p. ASIN: B000J9WG22
[amazon] 1400,�U:431p.
[amazon] 2000 ※ a07
■引用
「この本を通じて小児自閉症の重要なる要因は子供が存在するべきでないという親の願望によるものだ、という私の信念を再三述べてきた。同じような願望を持っていながら、或る時は自閉症となり、或る時は正常に育つかもしれない。そして将来器質的要因が自閉症の前提条件であると解明されるかもしれないが、事実はすべてこの病気に関連のある(今までのところ)器質的条件は、自閉症でない子供にも現われているのである。
このために私は、脳に関係があり、たとえそのような要因が特徴的なものであるとわかったとしても、器質的要因がある子供のみが自閉症になり、他の子供は自閉症にならない原因をさがすために、やはり親の態度は調べるに充分な理由があると思う。われわれは或る程度の確実さをもって親の態度に接する<0195<ことができた。しかもそのすべての場合において、これらの意識的無意識的態度が子供が存在しないように、という願いとして子供に感じられたがゆえに、なおさら、一層親の態度に問題があると思うのである。」(Bettelheim[1967=1973,1975(I):195-196])
「同じようなことは文献に説明されている母親の態度の場合も説明できるかもしれない。無関心で否定<0198<的で両価的な母親の感情で小児自閉症を説明するようになされているが、両親の極端に拒絶的な感情が自閉的過程を歩み出しはじめさせるのだというのが私の持論なのである。」(Bettelheim[1967=1973,1975(I):197-198])
「(養護学校)収容に際して両親と学校との間に一つの約束が交わされた。その約束というのは、社会復帰の訓練の効果が上がるか、或いは反対にどうしても治療ができないという結論に達するまではローリーを学校からは出さないという約束である」
■言及
◆Pollak, R. 1997
The Creation of Dr. B.: A Biography of Bruno Bettelheim, New York: Touchstone, 408p. ISBN-10: 0684846403 ISBN-13: 978-0684846408
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↓
◆iRyota 20050324 「ベッテルハイムの伝記」
http://asdnews.seesaa.net/article/2580812.html,『ASDNews International: 海外自閉症情報』
http://asdnews.seesaa.net
◆雨宮 俊彦 2003 「トピック:人間の誤りやすさについて」
http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~ame/gairon/Gairon2003.files/Gairon2003-body3.htm,『相互作用的人間・社会科学の冒険』
http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~ame/
「「自閉症ーうつろな砦ー」(1957)で、自閉症は親の養育態度が原因だと主張したベッテルハイムも過ちを指摘されている学者である。[…](自閉症の養育原因説は、ライヒマンによる分裂病原性の母親やハーマンによる複雑性PTSDなどと同じく、標準社会科学モデルの人間観に合致するためか、今でも、社会学者などにはアピールするらしい。」(雨宮[2003])
◆佐々木 正美 20061018,19 「追悼、エリック・ショプラー先生 前・中・後」
http://www.budouno-ki.net/column/detail.html?id=4/
http://www.budouno-ki.net/column/detail.html?id=5/
http://www.budouno-ki.net/column/detail.html?id=6,『ぶどうの木』
http://www.budouno-ki.net/
◆夕霧 20061214,17 「ベッテルハイムを批判しなければならないわけ」「ベッテルハイムとショプラー先生」
http://blog.m3.com/ASDInfo/20061214/1/
http://blog.m3.com/ASDInfo/20061217/1(旧:
http://blogs.dion.ne.jp/tokio/archives/2006-12-1.html),『児童精神医学と福祉と教育』
http://blog.m3.com/ASDInfo(旧:
http://blogs.dion.ne.jp/tokio/)
◆柿本 昭人 20060629 「ベッテルハイム」
http://policy.doshisha.ac.jp/blog/kakimoto/archives/2006/06/post_73.html,『授業緊褌一番日記』
◆こうもり 20071103 「Bベッテルハイムの悲劇」
http://uramonken.at.webry.info/200711/article_1.html,『アブノーマライゼーションへの道』
http://uramonken.at.webry.info/