『民族の時代――混沌と共生の二十一世紀』
山内 昌之 19940708 PHP研究所,245p.
■山内 昌之 19940708 『民族の時代――混沌と共生の二十一世紀』,PHP研究所,245p. ISBN-10:4569543944 ISBN-13: 978-4569543949 \1732
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■内容(「MARC」データベースより)
ソ連の解体、東欧の民主化、中国の改革・開放政策から生まれた「ナショナリズムの高波」。国家・宗教・難民といった新たな世界の緊張を生み出す民族問題とは何かを検証する。
■目次
はじめに 民族問題のリアリズム
新しいナショナリズムから帝国の最終的崩壊へ
近衛文麿の見た「新しい天地創造」
冷戦の終わりと「曲げられた小枝」
民族問題を考える五つのパターン
帝国からの自決と分離
「われわれ」による統治
第一章 民族と国民
民族とは何か
民族自決権のニュアンス
民族としての認定
エトノスと政策パラダイム
過去の歴史の「巻き込み」
異邦人と同胞
第二章 民族と知識人
定義しがたい民族
民族のアイデンティティと「われわれ意識」
運命共同体と同意共同体
知識人がつくった民族像
民族運動と知識人の責任
第三章 ナショナリズムの歴史
国民と愛国心
帝国秩序の動揺
民族自決の勝利と限界
過去へ回帰するヨーロッパ
第四章 多民族国家と帝国
「民主的」帝国と「専制的」国民国家
予期されていたユーゴの解体
二千年の歴史をもつ「中華文化連邦」
「多数の民族から成る国」
理念の共和国アメリカ
「接近」と「融合」の失敗
第五章 民族と宗教
柔らかい専制への再評価
宗教と民族への寛容
ボスニア・ヘルツェゴヴィナの「ムスリム人」
領土的自治と文化的自治
第六章 民族と経済と社会主義
インターナショナリズムの蹉跌
経済と不可分な民族問題
民族間の「コスト」と「ベネフィット」
マルクス主義の処方箋
プロレタリアート固有のナショナリズム
ナショナリズムの分類
「抑圧された民族」のナショナリズム
シオニズム社会主義と民族問題
第七章 人口移動と難民
人口移動にともなう難民の発生
「人類的危機」としての難民
「盲流」と「やみ子」
難民発生の三つのパターン
人口移動の厳しい現実
第八章 移民と外国人
EU住民四つのカテゴリー
故郷か、異郷か
小アジア・ギリシア人の教訓
難民発生をともなう住民交換
第九章 民族と多文化主義
異郷の地のナショナリズム
二種類の同化
「差異への権利」の強調
「同化」から「統合」へ
第十章 民族の差異と平等
人種主義と反人種主義の非対称
普遍主義と民族
人種主義と反人種主義のねじれ
ホー・チ・ミンとスルタンガリエフ
アフリカ中心主義の危険性
血統主義と出生地主義
多文化主義への疑問点
終章 「民族関係論」に向けて
「引き裂かれた世紀」を超えて
中心なき複眼的歴史像
日本人の「純粋性」
民族関係論のパラダイムづくり
つぎなる世紀の新たな民族問題
あとがき
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:
石田 智恵