『民族生成の歴史人類学――満洲・旗人・満族』
劉 正愛 20060220 風響社,366p.
■劉 正愛 20060220 『民族生成の歴史人類学――満洲・旗人・満族』,風響社,366p. ISBN-10: 4894890194 ISBN-13: 978-4894890190 \5250
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■内容(「MARC」データベースより)
かつて清朝を創り、「満洲国」の中軸にも擬せられた満族は、現在中国の少数民族として認知されているが、その内実は漢族等も含む歴史的、政治的産物である。謎と矛盾に満ちたその生成過程に、史料と実地調査から克明に迫る。
■著者紹介(奥付より)
劉 正愛(Liu, Zheng-ai りゅう・せいあい)
1965年中国遼寧省生まれ、東京都立大学博士課程修了(社会人類学博士)。
武蔵大学、明治大学非常勤講師を経て、現在北京大学社会学人類学研究所ポストドクター。
専攻、社会人類学。
■目次
序
序論
1 本書の問題意識と課題について
2 歴史学と人類学の接近
3 人類学的歴史
4 歴史的視点とアイデンティティ
5 満族に関する人類学的研究と本書の位置づけ
第1章 近現代中国における民族政策および民族研究の展開
1 民族政策変化の流れ
2 中国における民族研究の展開
第2章 神話的系譜の構築と「旗人」の形成
1 起源神話
2 「満洲」(マンジュ)の出現
3 八旗制度と「旗人」、「民人」
4 おわりに
第3章 族譜とアイデンティティ――ハラ(哈拉)と族譜
1 ハラ(哈拉)とモクン(穆昆)
2 「歴史」としての族譜
3 おわりに
第4章 「旗人」から「満族」へ
1 1911-1949 政治的カテゴリーから民族集団への転換
2 「満族」の誕生―下位集団の少数民族として
3 おわりに
第5章 民族政策の象徴――新賓満族自治県の成立
1 新賓満族自治県の概要
2 自治県の成立過程
3 自治県成立後の政策的変化
4 エリートとしての役割
5 厚生籍としての「民族」
6 おわりに
第6章 観光の場における歴史・文化の再構築
1 伝統の「復元」
2 仮構としての観光の場
3 おわりに
第7章 生きられた歴史――肇家村の事例から
1 村落概況
2 公的歴史と歴史認識
3 口頭伝承としての歴史
4 祖先祭祀と墓―儀礼空間における歴史
5 忘却された人々――もう一つの歴史
6 おわりに
第8章 風水伝説に見られる歴史・文化の再構築
1 天命と風水
2 清の永陵の「神樹」伝説
3 永陵とヘトアラ城の風水
4 おわりに
第9章 民間信仰、族譜、歴史認識
1 族譜と伝説――二つの「歴史」
2 祖先と信仰
3 おわりに
第10章 空間、歴史とアイデンティティ
1 福州駐防八旗の創建
2 オーラル・ヒストリー――二人の満族女性のインタビューから
3 記憶としての空間
4 されどわれらは満族――琴江三江口水師旗営の後裔たち
5 おわりに
結論 歴史とアイデンティティ
1 複数の変種としての過去
2 集団の名称とアイデンティティ
3 創出される民族、想像される民族
あとがき
■引用
■書評
■言及
*作成:
石田 智恵