■記者コラム　「多事奏論」　編集委員・稲垣康介　師と仰いできた日本のサッカージャーナリストの草分けが師走に亡くなった。　賀川浩さん、享年99。　ワールドカップ（W杯）を10大会取材し、日本サッカー殿堂入り、日本人初の国際サッカー連盟会長賞も…

生命の本質は「変わりにくさ」と「変わりやすさ」のバランスにある――。物理学者の金子邦彦さんはこう考えます。不安定さや「ゆらぎ」は生命の維持や生物進化にどう寄与しているのか。それは、人間の社会にも共通しているのではないか。最新の科学的知見をも…

選挙をするごとに、先行きがますます不透明になっていくように思える現代。民主主義は社会の「不確かさ」にいっそう拍車をかけているように見えますが、この状況を乗り越えるためにも民主主義が必要だと、中央大学法学部教授の山崎望さん（現代政治理論）は言…

「こころの健康」を特集した２０２４年の厚生労働白書によれば、うつ病、適応障害、認知症、統合失調症など精神疾患の外来患者は２０年時点で計５８６万人に上る。１０年前から倍増した。多くの人が日常的に不安やストレスを抱える一方、心の不調が病気として…

腰痛持ちに、冬の寒さはつらい。立っても座っても痛む腰をさすりつつ、人類の進化について考えた。腰痛は、直立二足歩行を選んだ人類の宿命だ。チンパンジーと枝分かれして、はや６００万年。脊椎（せきつい）は腰部で湾曲していったが、痛みの解消までには至…