世界共通言語である会計
ボクが書きたいと思っているブログ記事のジャンルのひとつとして「会計知識」があります。
世の中にはたくさんの企業がありますよね。
- 自動車産業
- 食品産業
- 映画産業
- IT産業
- 不動産業
例えば、自動車産業で働く人は食品産業のことはあまり良くわからず、逆もまたしかり。
でも、どんな産業にも、どんな会社にも、共通して存在するモノがあります。
それは会計なんです。
つまり、会計を身に付けておけば、どんなジャンルの会社・業界でも通用します。
しかも、会計は、世界中で基本的に同じルールです。
世界のどんな会社でも使われているということは、それだけ重要なんです。
重要なことを得意なことにする。これは強力な武器になりますよ。
で、ボクは、会計のことを、できるだけわかりやすく、説明する機会を欲していました。
ブログでそれをやりたかったんです。
会計って難しそう。
それだけで食わず嫌いになってしまっている人。
ホントにもったいない。
会計が得意な人は、企業の中でも重用されます。そうです。出世できるんです。
だからボクは、多くの人に役立つように、なるべく子供にもわかるように説明してみたいです。
貸借対照表
企業の決算発表では、主に、
- 貸借対照表
- 損益計算書
- キャッシュフロー計算書
の3種類が公表され、それにいくつかの附属書類があります。
で、キャッシュフロー計算書はちょっとクセがあると言うか、先に会計の基礎概念を身に付けてからの方が理解しやすいので、後回しにします。
先に、貸借対照表と損益計算書の概念を知ってください。
貸借対照表は、企業の1時点における「状態」を表します。
これを個人で例えてみます。
例えば、2016年12月31日の時点で、Aさんには、
- 現金・預金が100万円
- 借金が20万円
あるとしましょう。
話をカンタンにするために、他には何も持っていないこととします。
この場合、Aさんの総資産は100万円です。
でも、借金が20万円あるので、それはいつかは返す必要がありますよね。
てことは、Aさんの純粋な財産は、
100万円 - 20万円 = 80万円
です。これを純資産と呼びます。
企業でも同じで、すべての財産の合計額を総資産と呼び、借金を負債と呼び、そして、総資産から負債を引いた額を純資産と呼びます。
この、企業の1時点での状態を表したモノを貸借対照表と言います。
貸借対照表の具体的な読み方は別の機会に書きますが、とにかく貸借対照表には、企業の総資産や負債や純資産の額が書かれています。
だから、貸借対照表を見れば、その企業が、ある時点において、いくらの財産があって、いくらの借金があって、純粋な財産がいくらあるのかがわかります。
繰り返しますが、これは、ある1時点での状態です。
もし上記のAさんが翌日の2017年1月1日にお年玉として1万円を現金でもらったとします。
すると、Aさんの1月1日時点での総資産は101万円に増えますよね。で借金はそのまま20万円。つまり、Aさんの1月1日時点での純資産は81万円です。
とにかくこのように、日々のやり取りがあるので、資産の大きさは変化します。おカネが入ってくると資産は増え、おカネが出ていけば資産は減ります。
まあ、当たり前ですよね。
ある1時点での財産の状態を表すのが貸借対照表だと覚えてください。
損益計算書
貸借対照表が1時点での状態を表すのに対し、損益計算書は「一定の期間」での取り引きの増減を表します。
例えば、2017年1月1日から2017年12月31日までの「1年間」の収入と支出を表すのが損益計算書です。
貸借対照表が「1時点」なのに対し、損益計算書は「長さ」があります。
例えば、さっきのAさん。
2016年12月31日の財産の状況は、
- 現金・預金が100万円
- 借金が20万円
でしたよね。
で、そこから2017年が始まりました。
2017年には以下のような取り引きが行われました。
- 1月:収入が1万円、支出が1万円、なので収支はゼロ
- 2月:収入が1万円、支出がゼロ、なので収支はプラス1万円
- 3月:収入が1万円、支出が1万円、なので収支はゼロ
- 4月:収入が1万円、支出が1万円、なので収支はゼロ
- 5月:収入がゼロ、支出が1万円、なので収支はマイナス1万円
- 6月:収入が1万円、支出が1万円、なので収支はゼロ
- 7月:収入が1万円、支出が1万円、なので収支はゼロ
- 8月:収入が2万円、支出が1万円、なので収支はプラス1万円
- 9月:収入が1万円、支出が1万円、なので収支はゼロ
- 10月:収入が1万円、支出が1万円、なので収支はゼロ
- 11月:収入が1万円、支出が1万円、なので収支はゼロ
- 12月:収入が1万円、支出がゼロ、なので収支はプラス1万円
結局2017年と言う1年間ではトータルで、
- 収入が12万円
- 支出が10万円
- なので、収支はプラス2万円
となりました。収支がプラス2万円てことは、利益があったと言うことです。
2万円の儲けですね。
2017年と言う1年間の「期間」に利益が2万円発生したと言うことです。
このように、ある一定の期間の収入と支出を計算したモノが損益計算書です。
ここで、Aさんを思い出しましょう。
2016年12月31日の「時点」でのAさんは、
- 現金・預金が100万円
- 借金が20万円
でしたよね。そこから2017年が始まって、その1年間でさっきのとおり、2万円の利益を得ました。
すると、2017年12月31日「時点」でのAさんの「状態」はどうなったでしょうか。
2万円の利益があったんですから、もともと持っていた100万円は102万円に増えたわけです。
借金は特に増えも減りもしていないので20万円のまま。
よって、Aさんの純資産は、
102万円 - 20万円 = 82万円
となりました。これが2017年12月31日時点での貸借対照表で表されます。
もともとの財産の状態(貸借対照表)があって、そこから1年間かけて収入や支出があって(損益計算書)、その結果、1年後には財産の状態(貸借対照表)は1年前より変化しています。
2016年末の貸借対照表の純資産は80万円だった
↓
2017年の1年間の損益計算書で利益は2万円
↓
2017年末の貸借対照表で純資産は82万円になった
まとめ
どうでしょうか?
こんな説明でわかるでしょうか。
もっともっとカンタンに言えば、
100円持ってた人が←貸借対照表
30円もらって20円使ったので←損益計算書
手持ちは110円になった←貸借対照表
ですね。
今回はあくまでも、概念を知ってもらうための記事です。
具体的な貸借対照表の見方や損益計算書の見方は別の機会に書きます。
上場企業であれば、必ずこれらの決算書類は公開されています。インターネットで見ることができます。
ぜひ、貸借対照表と損益計算書を見てください。
今回は具体的な見方を書いてないので、トンチンカンかもしれませんが、表の中のどこに純資産があるかを探してみてください。どこに利益があるかを探してみてください。
ここに、はてな社の直近の資料があります。
72ページに貸借対照表、74ページに損益計算書があります。
ある企業の前年の貸借対照表の純資産を見て、翌年1年間の損益計算書を見てください。もし損益計算書で利益が出ていたら、前年の貸借対照表の純資産の額に利益の額を足した額が、翌年の貸借対照表の純資産になっています。
もちろん、これは話をカンタンにするための最低限の書き方なので、細かく言えば、数値は違ってくることもあります。例えば税金とか株主への配当とか。
まあでも、とにかく、まずは見てみること。
利益が出ていれば翌年の純資産が増え、損失(赤字)が出ていれば翌年の純資産は減る。
企業の会計ってのは、実はそんなふうに単純なモノなんですよ、と言うわけで、今回は終わりにします。