グリフィンときくちゆみを迎えての「911真相究明フォーラム」を大阪で主催した人民新聞社が、同紙に「総括」的な記事を掲載しています。ジョン・ロジャース氏もグリフィンらの嘘を批判する長い文章を寄稿しておられます。
記事の一部は人民新聞社のサイトで読めます
http://www.jimmin.com/doc/1031.htm
http://www.jimmin.com/doc/1032.htm
まだまだ葛藤はあるようですが、もともときくちゆみなどの「真相究明運動」に好意的だった彼らが
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最後に今回のイベントを通して、私は、真相究明派の主張のすべてを自信を持って紹介することはできなくなったことを率直に表明したい。
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と公式に表明したことは大きいでしょう。
その意味では「フォーラム」は成功だったわけです。
この認識が、「週刊金曜日」読者や他の平和運動の活動家にもひろがればよいのですが
ながぴいさんから情報をいただいていたのですが、論文そのものが見られないので、エントリーを作らずにいました。でも、論文がいつ見られるのかわからないし、エントリーを立ててしまいましょう。
Dean Radinのブログによると、遠隔地から送った思念に水の結晶形が影響することをtriple blindで確認した実験の論文が出た(出る?)そうです。
ブログは↓
http://deanradin.blogspot.com/2009/01/water-crystal-replication-study.html
論文は
Radin, D., Lund, N., Emoto, M., Kizu, T. (2008). Effects of distant intention on water crystal formation: A triple-blind replication. Journal of Scientific Exploration, 22(4), 481-493.
ですが、今のところ、雑誌のサイトでは見られません。
Radinのブログでの結論は
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Results suggested that crystal images in the intentionally treated condition were rated as aesthetically more beautiful than proximal control crystals (p = 0.03, one-tailed). This outcome replicates the results of an earlier (double blind) pilot test.
.....
ブログに書いてあること以上の詳細は論文が出るまでわからないですね。
内容はさておき、重要なのは、この論文が江本・木津両氏との共著であることと、triple-blindで統計処理した「科学論文」であることの二点でしょう。
「水伝は科学と称していないからニセ科学ではない」という考え方もあり、また江本氏自身もそれをひとつの「逃げ道」にしているのですが、科学論文を書いておいて「科学ではなくポエムでファンタジー」とは言えません。
もちろん、江本氏は以前から、「ポエムでファンタジー」という一方で、「いずれ実証される」とも言い続けているので、彼の主張は「物質の性質についての事実の言明」であって、したがって科学的検討の対象となるものです。だから、本質的には何も変わっていません。
見逃したのですが、報道ステーションの「がん難民」特集でホメオパシーがある程度肯定的にとりあげられたそうです。
↓以下にすでにいくつかコメントをいただいています。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1164164775#CID1232637412
公式サイトに動画があります。
http://www.tv-asahi.co.jp/hst/contents/movie/090122/index.html
「がん難民」問題は深刻なのだと思いますが、そういう文脈でホメオパシーのような効果の検証されていない民間療法(ホメオパシーの効果は逆の意味で検証されていると言っていいですが)をどう取り上げるかについて、報道機関は慎重でなくてはならないでしょう。
帯津良一氏は健康系の怪しい話によく名前が出てくるかたなので、コメントを取るにしても、取り扱い注意です。
とりあえず、独立したエントリーを作っておきます。
GIZMODEの記事で知りました。
http://www.gizmodo.jp/2009/01/post_4847.html
元記事はこちら
http://www.popsci.com/scitech/article/2008-12/last-call
IARCを中心とした国際共同研究であるInterphone studyが、携帯電話利用者の脳腫瘍リスクは非利用者より高いという結論を出すみたいです・・・と書いてあります。公式には出ていないのでしょうかね。
IARCのサイトで見つかる最新の報告は10月時点のもののようです。
http://www.iarc.fr/en/content/download/8384/61101/file/Interphone8oct08.pdf
ここでは、「長期使用者の脳腫瘍リスクが高いというデータはいくつかあるが要検討」という感じに読めます。この後になにか進展があったということなのでしょうか。
ありうる話だけに(と僕は思っていますが、異論もあるでしょうね)、公式の報告を早く読みたいところです。
まだ公式発表ではなさそうなので、尾ひれをつけて流さないように(^^;
[追記(1/9)]
Popular Scienceの記事を読み直したのですが、いまひとつ不明瞭ですね。全データの話は書いてないです。
Interphone Studyが最終的にどう判断するかは、公式報告待ちです。
すみませんが、そういうことで
ネット上に「韓国が海上封鎖されている」という奇妙な噂が流れています。もちろん、そんなニュースは流れていないので、さらに「日本のマスコミはそれを隠している」という噂もくっついています。
(バリエーションはいろいろあって、「封鎖される」とか「韓国が封鎖する」とかいうのも見つかります。「封鎖されるかも」くらいなら、間違いではないです)
これが興味深いのは「ネットだけで流布している、重大な国際ニュース」ということです。常識で考えれば、そんなものはデマの可能性が高いのですが、それを「日本のマスコミがどこかの圧力によって情報を隠している」という陰謀論で補強してしまい、事実であるかのように信じてしまうわけです。「陰謀論」と書きましたが、まさに今、陰謀論の発生現場に立ち会っているように思います。もっとも、これはすぐに消えるでしょうが。
発端は一昨年末(ちょうど一年前ですね)に韓国沖で発生した香港籍タンカーとサムスンの船との衝突事故です。韓国史上最悪の原油流出事故と言われました。これに関して、昨年末、タンカーのインド人乗組員に対する有罪判決が下されました。しかし、おおかたの見方によれば、これは一方的にサムスン側の船に非があり、この判決は不当と考えられています。
外国の船員たちがこれに抗議して、韓国行きをボイコットし、韓国は事実上の海上封鎖にあっているというのが、ネットで流れている噂です。そして、そんなだいじなことをなぜ日本のマスコミは報道しないのか、となるわけです。
しかし、ちょっと検索してみればわかるように、そもそも「韓国が事実上の海上封鎖されている」なんていうニュースは、英語のサイトでも見つかりません。日本だけが報道していないのではないのですね。
英語のニュースでは「ムンバイで抗議デモ」というのは見つかります。インドでは韓国製品、とりわけサムスン製品のボイコット運動が起きているようです。
しかし、海上封鎖の話はない。国際運輸労連は抗議声明を出していますが、ストだのボイコットだのという話ではない。
http://www.itfglobal.org/news-online/index.cfm/newsdetail/2911
http://www.itfglobal.org/press-area/index.cfm/pressdetail/2888
検索してみると、「海上封鎖」と書いているのはブログや2ちゃんねるばかりです。そして、それらのサイトからたどってみると、結局、出典は朝鮮日報の日本語サイトただひとつらしいことがわかります。つまり、日本のネットで「海上封鎖」さわぎになったのは、朝鮮日報の日本語サイトに掲載されたコラム
http://www.chosunonline.com/article/20090102000039
だけが根拠らしいんです。ここに
....
英日刊紙フィナンシャル・タイムズは先日、「外国人船員は韓国入港を拒否することを決意した」と報じた。
....
と書かれています。なるほど、これなら「事実上の海上封鎖」かもしれない。しかし、これが本当だとしても「決意」しただけで、実行されたとは書かれていません。
では、この記事は正しいのか。朝鮮日報のコラムが引用しているフィナンシャル・タイムズの該当記事は
http://www.ft.com/cms/s/0/fff95476-d50e-11dd-b967-000077b07658.html
です。
ここに「外国人船員は韓国入港を拒否することを決意した」と書かれているのか。
僕の英語理解が間違っていなければ、朝鮮日報の記事は誤訳だと思いますが、いかがでしょう。
いずれにしても、「海上封鎖されている」というニュースは海外にもなく、「韓国行きをボイコットする」という声明もないようです。ないのだから、日本のマスコミが報道しないのも道理です。
「日本のマスコミは報道しない」というのもデマですよね。世界中が報道していないのだから。
ネット上に表れたこの一連のデマは、上に紹介した朝鮮日報日本語サイトのたったひとつのコラムから、伝言ゲームのように伝わったものと考えてよさそうです。
違いますかね
ネットの噂を鵜呑みにしてはいけませんね。
それも「たくさんの人がブログに書いてるから本当だろう」なんで考えたら、大間違い。そんなん、ただのコピペで増えてるだけですから。ブログの時代には「数」を信頼の根拠にしてはいかんということです。
気になるのは、(1)誰が「海上封鎖」と言いだしたか(2)なぜすぐに「日本のマスコミは隠している」になってしまうのか、の2点でしょうか。
ご意見募集
注:
もちろん、韓国の対応如何では、これから深刻な問題に発展するかもしれません。そのあかつきには世界中でニュースになるでしょう
追記:
2ちゃんねるを調べたかたによると、この話題が2ちゃんねるに出たのは朝鮮日報の記事が出た1時間後で、その時点で、「経済封鎖」と書かれていたそうです。朝鮮日報の記事からも大きく逸脱して、最初からデマっぽかったということみたいですね。
追記:
で、この話自体は、これから動向を見守りましょう、でいいんです。
僕の理解では、この噂(実はネット内でもそんなに広まってるわけではないという意見もあり)は、「朝鮮日報」コラムの誤訳(と言い切っていいと思いますが、いかがでしょうか)から出発しているんですね。もう1ステップ戻って、フィナンシャルタイムスの原文に当たれば、間違えないはずなんです。
自戒も含めて言いますが、この「あと1ステップ、原典に近づく」というのがやっぱりだいじなんですよ。もちろん、何ステップたどっても原典が見つからない例もありますけど(ゲルマニウムの32度説を言い出したのは誰?)、グリセリンのように2ステップ程度で原典に到達できるものもあるわけですね。
いや、これは本当に「自戒をこめて」なのです。自分自身、そういう失敗にはたくさん心当たりがあるので。
日本臨床薬理学会でタミフル問題のディスカッションがあるというのは知っていたのですが、どうなったのか調べている余裕がありませんでした。川端裕人さんのブログに(一ヶ月も前に)レポートが掲載されています。
http://ttchopper.blog.ocn.ne.jp/leviathan/2008/12/post_7609.html
廣田班報告(解析結果)は間違いというのがこの会でのコンセンサスと言ってよいとのことです。
廣田班の解析については、以前ここでも長い議論がありました。
このディスカッションについての、詳細な報告はどこかで読めないですかね
教えていただいたものですが、重要(かもしれない)なので。
ディスカバリー・チャンネルの「怪しい伝説」シリーズの「月着陸の嘘ホント」
http://japan.discovery.com/episode/index.php?eid1=871639&eid2=000000
今夜・明朝、そして1/12に再放送ですね。
噂の「レーザー反射板実験」が見られるはずです。
それにしても、大槻先生がアポロ月着陸に否定的な理由がわかりません・・・
あんまりめちゃくちゃなことを吹聴されると困るんですけど。
2007年版の日本の短編SF傑作選。
と書くと、これまで毎年出ていたみたいですが、じゃなくて、これが最初。これから毎年出すつもりだから、「年刊」と書いてあるのでしょう(これ読んで、「炎の転校生」の技"今日から400"を思い出したあなたは、僕と気が合います)。ちゃんと出してね。
もちろん、傑作選なので傑作揃いなのは当然として、ここでこの本を取り上げる理由はふたつです。
(1)小川一水「グラスハートが割れないように」が収録されている。
以前もとりあげたように、これはど真ん中の「水伝」小説です。発表媒体がSFJapan誌だったので、あまり人目に触れなかったかもしれませんが、この文庫に収録されたことで、いつでも読めるようになりました。
SF大会で山本弘・堺三保両氏とのトーク企画をやった際、小川さんがわざわざ挨拶に来られ、「水伝」についてはこのブログを参考にしたと言っていただきました。細々とでも主張し続けるのは大事ですね。 「水伝」という名前は作品のどこにも出てきません。しかし、だからこそ、「水伝」信者のかたの目にも触れるかもしれません。
未読のかたはぜひこの機会に
(2)円城塔の未発表作品が読める
傑作選なのに未発表作品収録とは、どういうことか、という疑問はさておき、とにかく収録されてしまったものはしかたありません。
去年は例の「B型本」のヒットに始まる血液型性格判断関連本のヒットが目立ったようです。
なにをいまさら、という気もしますが、この「B型本」の姑息なマーケッティング・センスには、ある意味脱帽です。これまでさんざん差別してきた「B型」に向かって、「そのままでいいんだよ」と癒すという「エヴァンゲリオン」から学んだとしか思えない(嘘です)本を出して、さらにB型の懐から金を取ろうというのですから、これくらいB型を馬鹿にした話はないのですよ。でも、B型のみなさんもついつい買っちゃうから、ヒット商品になったわけね。もう、やんなっちゃいますね。
テレビでも「踊る! さんま御殿」が血液型性格特集をやりましたし、まったく反省ちゅうものがありません。
こうして、またしても血液型性格判断がブームかと思うと、ほんとにやんなっちゃいます。
改めて言いますが、血液型性格判断は差別につながります。遊びだからいい、という考えは棄てるべきです。
ネット上の一部ではABOFANさんの論理がいかに「でたらめか」でかなり盛り上がったようです(「一部」で「かなり」ですから、世間的には全然盛り上がってないわけですが)。血液型性格判断肯定の論理は基本的にでたらめなのです。そういうでたらめな論理が一般に受け入れられる理由を考えるべきかもしれません。
インテリジェント・デザイン説(ID説)についてのエントリーに再びコメントがつきはじめました。
IDはその誕生経緯から明らかなように「創造論科学」が衣替えしたもので、アメリカのキリスト教保守派思想に基づいています。彼らは本当は「神による創造」を科学として進めたかったのですが、最終的に教育の場から排除されたため、「神」のかわりにより一般的な「デザイナー」の概念を導入して、より「科学的装い」を凝らしたものにしたわけです。だいじなのは、ここでの「デザイナー」とは所詮は「神」、それも「キリスト教の神」の代名詞に過ぎないという点です。
僕がIDをニセ科学と呼ぶのは、結局その誕生経緯からして、どのような進化論的証拠をつきつけようと彼らは決してID説を棄てないだろうからです。科学ではなく宗教的信念ですから。その点で、「IDは科学かもしれない」と悩む科学哲学者もいるという話には驚かされます。
もちろん、「IDとほとんど同じ内容を持つ科学的な説」はありうると思います。ただし、それは現在のIDとは違います。違いは、「必要とあらば、その説を棄てる用意があるかどうか」でしょう。今のIDはその意味で科学ではなく宗教です。
さて、日本でIDを強力に推進しようとしている学会が「創造デザイン学会」です。URLは示しませんが、検索すればすぐにサイトが見つかります。
学会を作るなとは言いませんよ。作るのは自由だし、言論も自由ですから。学会に対して外野がいろいろ言うのも自由なので、勝手にコメントします。ちなみに検索してみれば、既にいろいろな人が同じようなコメントをされていることがわかります。
サイトによると、学会設立の目的はダーウィン・マルクス・フロイトに代表される唯物論を克服することだそうです。ここにフロイトが出てくる理由はいまひとつわかりませんが。
そして、その設立の目的には興味深い文章が書かれています
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「インテリジェント・デザイン」の強みは、宗教的動機からも人を惹きつけるが、全く宗教とは関係なく純粋に科学理論としても人を惹きつける説得力を持っていることである。
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僕たちがIDを純粋に科学理論としてのみ扱うとすれば、まったく彼らの思うつぼというところでしょうか。もちろん、そういう議論をするのは自由なのですが、政治的問題であることは常に頭にいれておく必要があるでしょう。
会長の渡辺久義氏(京大名誉教授)は英米文学が専門なので、そもそも自然科学者ではありません。もちろん、それも学会の自由ですけれど。
サイトを見ると、この学会の連絡先が「世界平和教授アカデミー内」になっていることや研究会講師に世界日報記者の名が頻繁に出ていることなど、この学会の背景を伺わせるものがいろいろ見つかりますので、一度読むことをお勧めします。つまりは、そういうものだということです。
僕らに、そして「創造デザイン学会」会員のみなさんにも寛大なる空飛ぶスパゲティ・モンスターの恩恵がありますように。
ラーメン
...
大事な注:
民族差別的コメントがつきかねないので、あらかじめ注意しておきますが、そのようなコメントは消します