ハリケーン「カトリーナ」は引退するかもしれない
<a href=http://www.nhc.noaa.gov/aboutnames.shtml>名前の表が掲載されているNOAAサイト</a>
先日、ハリケーン「カトリーナ」がアメリカに甚大な被害を与えたニュースが話題となった。そんなハリケーン、それぞれの名前をニュースで聞くたび気になるのは私だけじゃないはず。
「次はワシが発生、日本列島に接近中!?」でも紹介されていたとおり、ハリケーンの名前はアメリカ軍が親しみをこめて名づけたと言われている。しかし、それ以外にも秘密があった。

ハリケーンの名前は、毎年発生順に、頭文字のスペルが「A」のものからアルファベット順に名付けられているのだ。例えば今回の「カトリーナ(Katrina)」、スペルの頭文字は「K」。Aから始まるアルファベットでKは11番目。つまり、「カトリーナ」はいわゆるハリケーン11号だったのだ。次のハリケーンは「L」から始まる「Lee」。
なるほど。いわゆる名簿順みたいなものか。

日本の台風も、数字の他に名前があるが、これは台風発生年に関係なく140個の名前を順番に使用し、名前を使い終わるとまた1番目の名前から使うというサイクルになっている。それに対して、ハリケーンの名前は1年ごとのリストを6年周期でサイクルさせる。つまり今年のハリケーン11号の名前がカトリーナであることは、何年も前から決まっていた事実ということになる。
言い方を変えれば、6年前(1999年)のハリケーン11号の名前は「カトリーナ」だったし、6年後(2011年)のハリケーン11号の名前も「カトリーナ」になる“予定”、ということ。要するに6年おきに同じ名前のハリケーンが出現することになるのだ。

さて、なぜ“予定”と書いたのかというと、実は台風・ハリケーンの名前には『引退』という制度があるのだ。甚大な被害を及ぼした台風・ハリケーンの名前は背番号の永久欠番のように残しておこう、という仕組み。その後は新しい名前がリストに補充される。おそらくこれほどの被害を出した「カトリーナ」、引退することになるのではないだろうか。次はどんな「K」から始まる名前が付けられるのか。

しかし実際問題、被害を考えれば名前の引退なんて行われないほうが、断然良い。ハリケーン界引退は決して名誉とは言えないものだった。(おむらいす)
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