NEWS （08/05/08　13:50）

「OpenOffice.org」v3.0 Beta

「Writer」では見開きレイアウトなどで複数のページを同時表示して編集可能に

「Calc」ではファイルサーバー上などのファイルを複数のユーザーで同時に編集できる共有機能が追加

　OpenOffice.orgコミュニティは7日、オフィス統合環境「OpenOffice.org」の次期バージョンとなるv3.0のベータ版を公開した。Windows 98/Me/NT/2000/XP/Vistaに対応するフリーソフトで、現在本ソフトの公式サイトから英語版をダウンロードできる。また、一部ミラーサイトの“extended/3.0.0beta”ディレクトリよりローカライズ版を入手可能で、Javaランタイムつき日本語版のファイル名は“OOo_3.0.0beta_20080429_Win32Intel_install_wJRE_ja.exe”となっている。なお、正式版のリリースは今年9月の予定。

　v3.0では、DOCX/XSLX/PPTXなど「MS Office 2007」のファイル形式に対応したほか、各種オフィス文書を新規作成したり、既存のファイルを開くことができる“スタートセンター”画面が追加された。スタートセンターは、デスクトップ上のショートカットから「OpenOffice.org」を起動した際や、すべての文書を閉じた際などに表示される。

　各オフィスアプリケーションに関しても、多くの新機能が追加されている。ワープロソフト「Writer」では、複数のページをタイル状に並べて表示したり、2ページ見開きのレイアウトで表示したまま編集できるようになった。これにより、文書全体を見渡しながら編集したり、冊子などの編集時に仕上がりのイメージを確認できて便利だ。これらの表示モードの変更はステータスバー右端のボタンから操作でき、表示倍率の変更もスライドバーで行うことが可能。

　また、文書にコメントを挿入した場合の表示方法が変更され、「MS Word」のように文書の欄外へ常にコメントを表示できるようになった。コメントは作成者別に色分けされるほか、アイコンのプルダウンメニューから当該コメントや作成者が同じすべてのコメントなどを簡単に削除でき、コメントを利用した文書の校正に役立つ。

　表計算ソフト「Calc」では、「MS Excel」と同等の共有機能が追加された。ファイルサーバー上などのファイルを複数のユーザーで同時に開くことができ、ファイルの保存時にほかのユーザーが保存した変更も同時に反映される仕組み。このとき、ほかのユーザーの変更はコメントで示される。また、複数のユーザーが同時に同じセルを変更した場合は、ダイアログが表示され反映させる変更内容を選択することが可能。ただし、編集部にて動作確認したところ、本ベータ版では書式の変更は反映されなかった。

　そのほか、扱える列数が従来の256列から1,024列に拡張、印刷プレビュー上でのドラッグによる余白設定、ソルバーの標準搭載、LOOKUP/MIN/MAX/SUMIFなどいくつかの関数の仕様変更といった、さまざまな改良が施されている。また、グラフ機能も強化された。

【著作権者】Sun Microsystems Inc.
【対応OS】Windows 98/Me/NT/2000/XP/Vista
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】3.0.0 Beta（08/05/07）

□www: OpenOffice.org - The Free and Open Productivity Suite
http://www.openoffice.org/
□download: OpenOffice.org 3.0 Beta
http://download.openoffice.org/3.0beta/
□distribution: Mirrors Project（ローカライズ版をミラーリングしている“Extended Mirror Sites”の一覧）
http://distribution.openoffice.org/mirrors/#extmirrors

（中村 友次郎）