「Appleを倒せば支配できる。定義が塗り変わる」と、ソニーCEOも怪気炎!
アップルアウトサイドついでにインテルインサイドになっちゃったAndroidテレビ「Google TV」が今日(20日)、サンフランシスコのグーグル年次開発者会議で発表になりました。
会場にはグーグルと共同開発するインテル、ソニー、Logitechのトップはもとより、Dish、Best Buy、アドビのCEOまで駆けつけ、戦闘モード全開です。Google TVは今秋米国内で発売予定。
さっそく会場からのライブブログの記録で、発表になった内容をザックリ見て参りましょう。
発表ライブ
グーグル曰く、今は2つの世界があるそうです。ひとつはラップトップと携帯電話を通して見るウェブ世界、もうひとつはテレビで見るテレビの世界。
なぜ全部を牽引するソリューションがない? 理由は3つある、とグーグルは考えています。
1. TV向けに流すウェブは質が落ちる。ウェブを作り直している。「また全部WAPに逆戻り」、「ウェブを丸ごとテレビに持ち込む方法を探す必要がある」
2. 「全部クローズド」。一度ウェブでどこでも行ける世界に慣れてしまうと、逆戻りはできない。
3. 今のソリューションはウェブかTVか二者択一を迫る。2つからひとつ選ばせたらおしまい。その時点でユーザーは離れてしまう。
グーグルがやりたいのは、このふたつを「ひとつのシームレスなエクスペリエンス」に融合させることです。
実際どうやるのか、全部デモでご覧に入れましょう。
「Google TVはTVから始まります」。これはあなたのTV。「追加や最適化も、あなたが好きなようにできる」
見たいものはどう探すのか? これは今のところ「Guide」で探します。「TVのナビゲーションも一から考え直したらどうだろう?」 グーグルは、TVもパソコンで使うグーグルも全く同じエクスペリエンスにしたいと考えている。
公式ビデオです。
(ん?ややテクニカルな問題発生中...)
これが検索画面。上から「速報・天気・ビジネス・健康・娯楽」、Google TV検索、Web検索。ここではMSNBCの番組を検索してます。テレビとウェブから検索結果が表示され、TVチャンネルをセレクト中。
「30 Rock」と入力。未放映の番組はDVRに予約録画設定できますよ。
公式サイトがライブになりました。
(また接続が落ちた...僕ら全員に携帯の電源切るようお願いしてます)
今度は人気ドラマ「House」を検索。スペシャルシリーズの検索結果にはご覧のようにテレビとウェブのコンテンツが一緒に表示されてますよ。ウェブにある全コンテンツが呼び出せるんですね。
Amazonページを選ぶとそこにジャンプ。ページのリフォーマットとかは全然してないですね。好きな放映回を購買したり再生できます。リフォーマットしてないと、居間で見ると文字がちっちゃくなるのが問題ですね。
「House」はHDも。
HOME画面。好きな番組やアプリがすぐ起動できます。Amazon VOD(ビデオ・オン・デマンド)と動画レンタル&ストリーミング「Netflix」と協力し、両社のコンテンツをGoogle TVのHOMEページにエンベッドしました。視聴履歴を基に、おすすめが出てるところ。
おすすめのTV番組は「24」だそう。
「YouTubeのもっと奥まで行けますよ」
アプリも検索できます。そう、アプリもあるんですね。
エルモを検索中。
2010年の一般教書演説をウェブで検索後、ホワイトハウス公式サイトに飛んで、その録画を視聴してるとこ。
拡張TVは? 上の写真がそれ。親画面がウェブ、小画面がテレビのPinP(ピクチャー・イン・ピクチャー)状態になってますね。テレビを小画面で見ながら、ボックススコアを大画面でチェック、そんなことができるんですねー。
あと、見てる番組に関するツイッターのストリームを眺めながら視聴を楽しんだり、その番組関連の広告が流れてきて気になるものはネット検索したりできます。
写真もテレビ画面で見れます。Facebook専用ゲームやFlashゲームもテレビ画面で遊べます。 楽曲専用サイト(Pandora)も。ウェブにあるものは全部TVで楽しめる! もちろんFlashサポート付き。
スペックのポイントは4つ。
• Wi-Fi&イーサネット内蔵
• 今あるサテライトボックスのケーブルはHDMIで繋ぎ、制御は同梱のIRブラスター(IRケーブル)で行います。Google TVとDishサテライトボックスの間にはIPプロトコルも使えます。
• 「処理パワーはかなりあるので、ウェブを丸ごとブラウズ可能です」。サラウンドサウンド、専用GPU。
• キーボードとポインティングデバイス
「当社のハードウェア提携企業が考案したデザインは、きっとみなさん気に入ると思いますよ」。やっぱりハードはグーグルが作るんじゃないんですね、今度も。
でもAndroid携帯はテザリングしてTVのリモコン代わりに使えます。音声検索もあり。複数のリモコンを同時にテザリングも可能。
携帯電話で見つけたクールなサイトや動画は、テレビに直接取り込んで見れます。
グーグルはそのIPプロトコルも公開するので、PC&タブレット用に自分のリモコンを作って、それをGoogle TVに繋げることがきます。
これがデモで使ったキーボード。Logitechのだと思うけど、100%までは自信なし。
OSはAndroid、ブラウザはGoogle Chrome。まあ、当然ですかね。ChromeにはFlash 10.1専用プラグインもあります。Androidの強みはアプリ。テレビでAndroidアプリも「もうすぐ使えるようになりますよ」
「Android Marketplace」モバイル対応版をGoogle TVに呼び出してるとこ。「携帯の対応機種の指定が特にないアプリは、Google TVでも使えます」。 今度はモバイルアプリの「Pandora」呼び出してます。へ~Google TVでも聴けるんだ。
アプリはパソコンからGoogle TVにワイヤレスでダウンロードできます。
こないだ出た公式アプリ「Twitter for Android」ですね。
これがGoogle TVアプリの見本。「YouTube Leanback」です。自分向けにカスタマイズされてますね。友だちの好きな動画が送られてきて購読プッシュしたり。自分の好みで内容は様変わり。
(まだBluetoothがデモに干渉してる模様)
(およん? こないだコナン・オブライエンと踊ってたおっさんじゃ...他人の空似かしら?)
ふむ。
これはクール! 字幕のクローズドキャプションのリアルタイム翻訳機能ですって。フィードをGoogle Translateに通してるみたいですね。
次にパートナー(ハードウェアメーカー)と発売時期の発表。
1)ソニー:Google TVとブルーレイ再生プレーヤーを統合化したテレビを売り出します。
2)Logitech:コンパニオンボックス(セットトップボックス)と、これ専用のキーボード、周辺機器を作る担当。
3)インテル:Atomをそこに搭載。
Dishネットワークは、このために最適化した衛星放送のエクスペリエンスをお届け。
製品は2010年秋より米家電チェーン「Best Buy」にて発売。
Google TV向けにサイトを最適化する作業は今すぐ着手できるし、Android Market、Google TV専用SDK、TV Web APIは2011年はじめに出る予定です。コードのオープンソース化は2011年夏です。
最後にグーグルのエリック・シュミットCEOが登場。インテル、ソニー、Logitech、Dishネットワーク、Best Buy、アドビのCEOも続々壇上に上がって協働体制をアピールしました。
Logitech(ロジクール)は、キーボードを組み込んだリモコンを2010年秋発売すると発表し、「HDTVを持つ6000万世帯がターゲットだ」と言ってます。日本でも発売になるのかな?
余録:Best BuyのCEOが社員のこと「ブルーシャツ」(ユニフォーム)って呼んでましたね...(←そう言えば以前、店員と同じ青シャツ+カーキズボンの客80人が店に大集結するいたずらがありましたねぇ...)
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Jason Chen(原文/satomi)