アップルが2012年9月29日までの会計年度に米国外で払った税金は1.93%ぽっきりであることが判明し、欧米では大騒ぎです。
アップルのイノベーティブな節税対策についてはアメリカでは前から何度も報じられて耳にタコなんですが、米証券取引委員会(SEC)に同社が10月31日提出した海外年次会計報告書で、節税が緩まるどころか拡大してることが新たにわかったのです。
それによると同社の海外収益は前年2011年度の240億ドルより53%増えて368億ドル(約2兆9584億円。2012年11月7日現在)なのに、収めた法人税はたったの7億1300万ドル(約573億円。同日)で1.93%。昨年の2.5%よりさらに減ってる! 優秀な会計士を大勢抱えてるのね...。
アップルほど儲かってない他の企業はいくら払っているのか? 米国内の法人税率は平均35%です。みんなそれだけ払ってる。逆にアップルが海外に眠らせてるお金を本国にバックすると3分の1がパーになる計算ですよ。
他の大企業もやってることなのだけど、アップルも税率の有利な海外に支社を開設し、そこにお金を置いて「節税」してるんですね(合法範囲のことなので「脱税」とは呼ばない)。もちろん倫理的にどうかという問題は残るし、こればかりは人それぞれの倫理観によります。
しかし、節税される側の国はたまったもんじゃないですよね。「売った国で税金ちゃんと払え!」ってことで、G20最終日の5日には独・英が米多国籍企業の過剰な租税回避行為に対抗する国際協力体制構築を呼びかける異例の共同声明を発表しましたよ。効き目はあるのかな...。
[Associated Press]関連:英独「スタバ・Apple納税を」- イザ!、米アップルが海外で納めている"法人税率"は1.93% 日本での納税額は? - BLOGOS
Jamie Condliffe(原文/satomi)