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紙を使った発想法平本メソッド アイデアを生み出すための26の方法(1/2 ページ)

新しいプロジェクトを立ち上げたり、困難な案件を乗り越えたりするために必要な創造性やアイデア。なかなか出てこないアイデアを生み出す方法など、創造性を高めるさまざまな方法を紹介していく。

» 2006年08月04日 13時36分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]
今回紹介する手法
1紙に書き出す
2図で表す
3絵を描く
4ジオグラフィ
5人に話す
6インプロシンキング
7たとえを使う
8イメージする
9タイトルをつける
10象徴するものを見出す
11魔法の杖
12誰か宛てにメールを書く

 創造性を高めるためには、一言でいうと“リソースフル”な状態になることが大事です。

 “資源”という意味の“リソース”と、“リソースフル”というのは全然違う意味です。リソースの場合、資金がある、道具がある、人材がある……というように、外にものがあることを「リソースがある」といいます。逆に、スタッフがいない、資金もない、何もない、というのはリソースがない状態です。リソースがないとキツイですよね。

 このように、リソースは外側にあるものなので、その有無に影響されます。必要なものだし悪いわけではありませんが、創造性を発揮するにはリソースに頼るのではなく、自分自身が“リソースフル”になることが大事です。

何でもリソースに変えられる意識の状態──リソースフル

 “リソースフル”というのは、「△△がなかったので、ダメでした」ではなく、それがなかったら代わりに何か別のものを使える状態です。どんなものでもリソースに変えることができる自分の意識状態を指します。

 例えば、日本が経済的に発達していなかった頃は、リソースフルだったといえます。割り箸で鉄砲を作ったり空き缶で船を作ったり、「それって無理じゃない?」と思えるようなものも、おもちゃにしたりしていた。今は、おもちゃというと、お店でソフトを買ってこないとゲームができないとか、アレがないから遊べない、で終わり。リソースがないと終わってしまう。そうではなくて、リソースフルになることが大事です。

 創造性を高める方法を、これから20種類以上、紹介していきますが、5つほど注意点があります。

  • 1つ目は、楽しい気分、ワクワクした気持ちですること

 今からアイデアを出すというときに、疲れた気分では出てきません。楽しい気分でやりましょう。

  • 2つ目は、ポジティブな気持ちを持つこと

 「自分はできるんだ」「いっぱいアイデアが出てくる」など、前向きでなくてはいけません。「なんだか分からないけれど、やってみよう!」というような、前向きな気持ちで取り掛かりましょう。

  • 3つ目は、視点を変えること

 今までの発想の視点ではダメです。そして、

  • 4つ目はそれと似ていますが、視野を広げること

 視点を変えるというのは、例えば、「プログラマから見たらこうだけど、お笑いタレントから見たらこうじゃない?」みたいな考え方です。こうやって視点を変えてみると、何か面白いものが見えてくる。

 また視野を広げて、周りの状況も見ていく必要があるかもしれない。例えば、「ビジネスに使えるWebコンテンツを作る」という案件があったとした場合、コンテンツの内容ばかりを考えるのではなく、ここからIT業界にどういうインパクトを与えられるか、ひいてはメディア業界全体で考えるとどうなのか、など広い視野で考えてみる。すると「だったら、ビジネスと全然関係ないコーナーを作ってもいいんじゃないか」ということにもなるかもしれません。

  • 5つ目は、普段と違うことをすること

 普段使わない部位を使う、普段やらないことをする、普段行かないところに行く、などです。だいたい、普段と同じことをしていてアイデアが出ないのですから、普段やらないことをしなくてはダメです。ということで、これから紹介するものでも、普段、やらないことをやってみてください。

 これらの方法を試すことで、楽しい気分で仕事をしてほしいと願っています。アイデアを出したり、仕事のやり方、捉え方に変化をつけたりしていくことで、仕事はもっと楽しめるようになります。これから紹介することも、気軽なものから試してみてください。

 また、従来の型や枠、固定観念、自分の中にあるパラダイムからはずれて、新しいものの見方や考え方をどんどん体験してほしい。新しい体験から、思ってもみない成長や気づきを得られるだけでなく、クリエイティブに世界と関わっていけます。

 そして、自分の軸をしっかり持ってほしい。過去の古いやり方・パターンにとらわれるわけでもなく、新しいやり方・情報に振り回されるわけでもなく、自分の意志で選べる軸をしっかり持ってほしいと思います。

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