日本IBMは、情報交換によって、視覚に障害のある人のWebサイトアクセシビリティを向上させるサービスの提供を開始した。
日本IBMは7月8日、視覚に障害のある人のWebアクセシビリティを向上させるためのツールと、視覚に障害のある人と障害のない人が情報を交換し合うWebサイトを公開した。Webサイトに登録をすれば誰でも利用できる。現在は英語版のみ公開している。
ツール名は「ソーシャル・アクセシビリティー・コラボレーション・ソフトウェア」で、Webサイトの「ソーシャル・アクセシビリティ・プロジェクト」から無償で入手できる。
視覚に障害のある人が情報サイトなどを閲覧した際に、ブラウザの読み上げ機能を使っても理解できない箇所があったら、それをソーシャル・アクセシビリティ・プロジェクトのサーバに送信する。送信されたメッセージを、ソーシャル・アクセシビリティ・プロジェクトのWebサイト上に表示し、障害のない人が回答する仕組みだ。回答に沿って情報が、使用しているブラウザの読み上げ機能に反映され、視覚に障害のある人が理解できるようになる。
例えば、「Webサイトに掲載されている写真はどんな写真か」といった質問に対して、障害のない人が「夕日に映える富士山の写真です」など適切な情報を回答することで、視覚に障害のある人はより詳細にWebサイトを理解できる。
Webサイトの読み上げ機能付きのブラウザは、WebサイトのHTMLに書き込まれた注釈を読み込んで、視覚に障害のある人にWebサイトの情報を与えている。すべてのWebサイトや情報が対応しているわけではない。IBM広報は「読み上げ機能を使ってWebサイトを閲覧した人からの反応をフィードバックすることで、視覚に障害のある人に起きる情報の漏れを埋めていく必要がある。そのための情報交換を目的とするプロジェクトだ」としている。
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