ウィルコムが7月4日に発表した「AQUOS PHONE es WX04SH」は、シャープがウィルコム向けに開発した初のAndroidスマートフォン。シャープ製のウィルコム向けスマートフォンといえば、W-ZERO3シリーズがおなじみだが、今回AQUOS PHONE esの製品名に付けられた「es」は、「W-ZERO3 [es]」や「Advanced/W-ZERO3 [es]」の「es」を想起させるものでもある。ただ、シャープの担当者に「es」の意味を確認したところ、「Emotional Satisfaction」だそうで、W-ZERO3 [es]と直接的な関係はないようだ。発売は9月中旬を予定している。
スマートフォンの先駆けともいえるW-ZERO3シリーズは、先進的なガジェット好きな層をターゲットにした製品だったが、AQUOS PHONE esは、幅広いユーザーに向けたスマートフォンだ。1Gバイトまでのデータ通信を毎月2980円(キャンペーンにより半年間は1980円)で利用できる「ウィルコムプランLite」や、月額980円で相手先を問わず10分以内の通話が500回できる「だれとでも定額」を利用できるなど、スマホを安く運用したい人に向いている。
ソフトバンクの2013年夏モデル「AQUOS PHONE ss 205SH」がベースになっており、ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信、防水といったおなじみの機能にはしっかり対応している。4G(AXGP)や放射線測定機能は省かれ、カメラは205SHの1310万画素から490万画素に下がっているが、スマホとしては必要十分といえる。
通信サービスは、下り最大400Kbps/上り最大204KbpsのPHSに加え、ソフトバンクのプラチナバンド(900MHz帯)や2.1GHz帯、下り最大42MbpsのULTRA SPEED(1.5GHz帯)に対応する。ただしテザリングはPHS回線しか対応しておらず、3G通信でテザリングを利用することはできない。音声は3GとPHS回線のどちらも使用できる。
毎月の基本料金で利用できる通信量は、ウィルコムプランLiteは1Gバイト、ウィルコムプランD+は7Gバイトまで。以降は128Kbpsに制限され、元の速度で通信をするには追加料金が必要になるが、この通信制限の対象になるのは3G通信のみで、PHSは無制限に利用できる。したがって、通信量が1Gバイトまたは7Gバイトを超えてしまっても、PHS通信に切り換えれば、128Kbpsよりも少し速い通信(400Kbps)を維持できる。
AQUOS PHONE esの3GとPHSのデータ通信は、いずれも手動でオン/オフを切り換えられる。3GとPHSの両方がオンになっている場合、PHSデータ通信が優先される。Wi-Fiがオンになっている場合はWi-Fiが最優先される。Wi-Fi環境のない場所で高速通信を利用したければ、PHSデータ通信はオフにしておいた方がいいだろう。
AQUOS PHONE ssと同様、本体は非常にコンパクトで持ちやすい。サイズは60(幅)×120(高さ)×11.9(厚さ)ミリで、幅70ミリを超えるスマホも増えている中で、60ミリの幅は非常に細く感じる。マットな質感で仕上げていたAQUOS PHONE ssに対し、AQUOS PHONE esは光沢仕上げになっており、本体色(レッド、ダークブルー、ターコイズグリーン、ピンク、ホワイト、ブラック)もAQUOS PHONE ssとは異なる色味にした。細かいところでは、AQUOS PHONE ssはクイック起動キーの色を本体色ごとに変えていたが、AQUOS PHONE esは同キーを含め、本体正面はすべてブラックで統一している。
OSはAndroid 4.1、プロセッサーは1.5GHzデュアルコアCPU搭載の「MSM8260A」、ディスプレイはフルワイドVGA表示(480×854ピクセル)対応の4.0インチ液晶を搭載した。メモリはROMが8Gバイト、RAMが1Gバイト。バッテリー容量は2080mAhで、小型スマホとしては十分だろう。MMSとSMSには対応しているが、ウィルコム間で利用できる「ライトメール」には対応しない。
ソフトウェアもAQUOS PHONE ssがベースになっており、シャープ独自の3ラインホームも継承している。プリインストールアプリもAQUOS PHONE ssとほぼ同じだ。
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