Second Lifeを初めとした3次元仮想空間が話題を呼び、アバターコミュニティー「モバゲータウン」が急拡大するなど、アバターで仮想世界を楽しむサービスが流行の兆しを見せている。ドリコムが9月5日にβ公開した「alis」も、仮想世界をアバターでコミュニケーションするサービス。Googleマップ上でアバターを動かし、他ユーザーとチャットしたり、地図と連携したブログを書ける。
「ユーザーが楽しめるゲームのようなサービスを作りたかった。何かしらフィールドがあって、ユーザーがそこに自由にコンテンツを置いたり、コミュニケーションできれば面白いと思った」と、ドリコム研究室エンジニアの安藤靖さんは開発当初の思いを語る。
ドリコム研究室は、実験的なサービスを公開して技術の検証などを行う場。これまでメンバー4人が個別にサービスを開発してきた。「研究室の柱となるようなサービスを作ろう」と初めて全員で1つのサービスに取り組むことになり、生まれたのがalisだ。外部のデザイナーを含めた5人で1月に開発を始め、6月にα版を、9月にβ版を公開した。
ログインすると地図上にアバターが現れ、近くに他ユーザーがいればチャットできる。チャットは全ユーザーに公開される。地図はGoogleマップのAPIを活用した。
「Second Lifeのような仮想世界では、自分がどこにいるのかイメージしにくい。Googleマップ上であれば場所をイメージしやすいし、APIを活用した方が開発も簡単」(安藤さん)
ユーザーは、画像を自由にアップロードして地図上に建物などのアイコンを設置したり、オリジナルのアバターを設定できる。ユーザーが作成したアバターの中には、有名キャラクターに似たアバターなどもあるという。
安藤さんは「Second Lifeは3Dで、プレイに専用ブラウザが必要な点などがユーザーにとってハードルが高い」と認識。Second Lifeなら3次元モデリングが必要なアバターやアイテムも、2次元のalisなら手軽に作成できると説明する。
alisでは、アバターがいる地点に関連したブログやWikiの記事を地図付きで作成することも可能だ。「ドリコムはブログサービスの会社なので、ブログも書けるようにした。ブログは日常生活で起きたことなど、自分についてつづるものが多い。alisはブログを書いて地図と同期させられるので、全く別人格のアバターを動かすSecond Lifeのような仮想世界とは少し違うかもしれない」
α版の時点で登録ユーザーは約150人だったが、β版がメディアに紹介されるなどして登録ユーザーが約800人に増えた。「想定よりかなり多い」という。
現在のところ収入はなく、あくまで実験サービスの1つという位置づけだ。「例えば課金サービスを始めるといった展開も可能だと思うが、今は収益のことは何も考えていない」(広報グループの徳田匡志リーダー)
ユーザーの要望を聞きながら、今後プライベートチャットの導入などを検討していくほか、ドリコム研究室の他サービスと連携させていきたいという。
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