米AppleのiPhoneとiPod touchとの違いはかつて、極めて明瞭だった。一方は電話であり、もう一方はそうでなかった。しかし、iPod touchの無線LAN接続を使い、フル機能を備えた電話として利用できるアプリケーションの開発にVoIPプロバイダーが乗り出す中、その境界線は薄れつつある。
ただし1つだけ障害がある。無線LAN接続がなければ、iPod touchはiPod touchのままでしかない。
最近ではVoIPプロバイダーの米JAJAHがこの波に乗り、2月5日にキャリアと非キャリア向けのホワイトレーベルソリューションを発表、iPod touchをiPhoneに変えるサービスを自社ブランドで売り出せるようにした。JAJAHのサービスにはアプリケーションそのものに加え、世界200カ国での通話処理や音質コントロールから課金、決済処理まで網羅した管理サービスのスイートが含まれる。
JAJAHのグローバルマーケティング担当副社長ポール・ナフタリ氏は「われわれは完全なターンキー(すぐに利用可能な)ソリューションを提供し、当社のバックエンドプラットフォームを他社に提供する。現在、キャリア数社と話し合いを行っている」と説明した。
JAJAHのVoIPプラットフォームは既に、米Intel、米Yahoo!、米Comcastといった世界大手多数が採用している。例えばJAJAHはYahoo!のテレフォニーインフラ、決済処理、顧客対応を含むVoIPサービスすべてのプロビジョニングを手掛けている。
JAJAHのトレバー・ヘリーCEOは次のような談話を発表した。「世界中で何百万もの人たちがiPod touchを持ち歩いている。JAJAHのソリューションがあれば、どんな会社でも顧客のiPod touchをフル機能装備の携帯電話に変えることができる。この端末は特に学生の間で人気が高い。学生は無線LAN接続を常に利用できる世界にいて、誰でもそうだがコスト削減の方法を探している。従ってこれは完ぺきなソリューションだ」
JAJAHの言う通り、iPod touch向けサービスを提供できる企業はすべて、AppleのiTunesでアプリケーションをダウンロード提供するだろう。
一方、英Truphoneは既に、iPod touchを携帯電話に変えられるアプリケーションをiTunesで無料提供している。JAJAHのアプリと同様、ユーザーは無線LANを使って低料金で電話をかけたりテキストメッセージを送信したりできる。
Truphoneは1月にサービスの一層の強化を図り、iPhoneとiPod touchの両方向けにSkype機能の提供に乗り出した。Truphoneによると、SkypeユーザーはiPod touchまたはiPhoneを使って電話をかけたり転送したり、Skypeの全ユーザーにあててインスタントメッセージ(IM)を送信できる。
「Skype通話とIMの導入は、Truphoneにとってさらなる突破口となる。Truphoneの顧客はこれで、手持ちのiPhonesまたはiPod touchを使ってすべてのSkype友達に電話をかけたりメッセージを送れるようになった。これによってiPhonesとiPod touchのユーザーは、すべて1つのアプリケーション内で世界中の友人や同僚と連絡を取り合うという選択肢を手にした」。Truphoneのジェラルディン・ウィルソンCEOは談話の中でそう述べている。
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