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世界最速スーパーコンピュータ、中国の「天河」に 日本のTSUBAMEは4位

» 2010年11月15日 07時23分 公開
[ITmedia]

 世界最速コンピュータを決める「Top500」ランキングで、中国のスーパーコンピュータ「天河一号A(Tianhe-1A)」が世界一の座を獲得した。

 第36回目となる今回のランキングで、天河は2.57P(ペタ)FLOPSのベンチマークスコアを記録し、前回1位だった米Crayの「Jaguar」を抜いた。天河は中国の国防科学技術大学が開発したシステムで、天津の国立スーパーコンピュータセンターで稼働している。前回のランキングでは旧版の天河一号が7位に入っていた。

天河一号A

 2位はCrayのJaguarで、ベンチマークスコアは1.76PFLOPS。3位は、前回2位だった中国の星雲(Nebulae)で1.27PFLOPS。天河の躍進で順位を落とした格好だ。4位に入ったのは日本の東京工業大学のTSUBAME 2.0。NECとHewlett-Packard(HP)が構築したもので、ベンチマークスコアは1.19PFLOPS。トップ10入りした唯一の日本のシステムとなる。5位はCray製の「Hopper」で、米エネルギー省のエネルギー研究科学計算センターで稼働している。ベンチマークスコアは1.05PFLOPS。

第36回Top500ランキング
順位 開発元 システム名 ベンチマークスコア(TFLOPS) 納入先
1 国防科学技術大学 天河一号A 2566 中国 国立スーパーコンピュータセンター(天津)
2 Cray Jaguar 1759 米国 オークリッジ国立研究所
3 曙光(Dawning) 星雲 1271 中国 国立スーパーコンピューティングセンター(深セン)
4 NEC、HP TSUBAME 2.0 1192 日本 東京工業大学学術国際情報センター
5 Cray Hopper 1054 米国 エネルギー研究科学計算センター
6 Bull Tera-100 1050 フランス 原子力庁
7 IBM Roadrunner 1042 米国 ロスアラモス国立研究所
8 Cray Kraken 831 米国 テネシー大学国立計算科学研究所
9 IBM Blue Gene/P 825 ドイツ Forschungszentrum Juelich
10 Cray Cielo 816 米国 ロスアラモス国立研究所/サンディア国立研究所

 従来、米国勢が強いTop500ランキングだが、トップ10のうち米国のシステムは5台で(前回は7台)、残る半分は中国、日本、欧州勢が占める。Top500全体では、米国が占める台数は282台から275台と後退。中国は24台から42台、日本は18台から26台へと拡大、欧州は144台から124台に後退している。

 また全体的に性能も向上しており、トップ10のシステムのうち7台が1PFLOPSを突破し、Top500全体のベンチマークスコアの合計は前回の32.4PFLOPSから44.2FLOPSに増えている。トップ10入りした中国のシステム2台とTSUBAMEを含め、17台がGPUを活用して高速化を図っている。省電力化も進み、消費電力が1メガワットを超えるシステムは500台中わずか25台だったという。ワット当たり性能も、平均で150MFLOPS/ワットから195MFLOPS/ワットに向上している。

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