米Googleは12月15日(現地時間)、“冬の大掃除”と称して終了するサービスについて発表した。ラリー・ペイジ氏のCEO就任以来、同社が不定期に発表している“大掃除”の9回目になる今回では、「Google Sync」の終了が米MicrosoftのWindows Phoneユーザーに与える影響が大きそうだ。
Googleはこれまでも多数のサービスを終了させているが、いずれも利用者が少ないか、代替サービスへの統合が主な理由だった。だが、Google SyncはGoogleのサービスを利用するWindows Phoneユーザーにとっては代替手段のないサービスだ。この終了をGoogle によるMicrosoftへの攻撃とみる向きもある。MicrosoftはGoogle批判キャンペーンを何度も行っており、最近ではGoogle Shoppingをやり玉に挙げている。
Google Syncは、「Microsoft Exchange ActiveSync」を使って、Googleアカウントのメール、連絡先、カレンダーをiPhoneやWindows Phoneなどの携帯端末と同期するサービス。Googleは、9月に連絡先同期のオープンプロトコル「CardDAV」のサポートを追加したことから、メールはIMAPで、連絡先はCardDAVで、カレンダーは「CalDAV」で同期できるようになったことをGoogle Sync終了の理由としている。
だが、MicrosoftはCalDAVとCardDAVをサポートしていない。従って、Windows Phone端末でGoogleアカウントの連絡先とカレンダーを同期することが非常に面倒になる。また、Windows Phone向けGmailアプリはないため、メールの同期には頻度の低いIMAPを使うか、Webアプリ版Gmailを使うことになる。
iOS端末の場合は、IMAP、CalDAV、CardDAVをサポートしているので、同期する方法はある。IMAPでのメール同期の頻度の低さを不便と感じる場合は、iOS向けGmailアプリを利用するという手もある。
なお、既にGoogle Syncを設定している端末では、そのまま利用できる。また、企業向け、政府向け、教育機関向け「Google Apps」でのサポートは継続する。
また、「Google Sync for Nokia S60」とフィーチャーフォン向けの同期サービス「SyncML」のサポートも終了する。
いずれも終了期日は2013年1月30日。
Google CalendarとMicrosoft Outlookの予定表を同期するサービス。Windows XP、Windows Vista、Windows 7上のOutlookのバージョン2003、2007、2010(32ビット)で利用できた。これは既に12月14日にダウンロードリンクがなくなっている。現在利用しているユーザーは継続して使え、企業向け、政府向け、教育機関向けGoogle Appsでのサポートは継続する。
サポート終了の理由は特に説明がなく、「Google Syncの終了に加えて」終了するとしている。
Googleカレンダーに第三者が直接予約を書きこめる機能「appointment slots(日本では「予約の時間枠」)」、Labs機能の「Smart Rescheduler」「Add gadget by URL」などが終了になる。いずれもあまり利用されなかったためという。
終了期日は2013年1月4日。
クライアントアプリがGoogle CodeのProject Hostingの問題をアップデートするためのAPI。終了期日は2013年6月7日。
Googleが2011年7月に買収した米Punchdのモバイルアプリ。ショップやレストランが発行するポイントカード代わりに、ショップのバーコードを端末で読み込んで利用できる。
Googleは新たな方法で同様のサービスを提供するという。GoogleはGoogle WalletやGoogle Shoppingなどのサービスにポイントサービスを統合するのかもしれない。
終了期日は2013年6月7日。
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