新型万能細胞「STAP細胞」論文に不自然な点が相次いで指摘されている問題に関連し、テキストの差分を比較できる日本語対応ツール「difff」(デュフフ、正式表記は半角カナ)が脚光を浴びている。フォームに2種類のテキストを入力するだけで、両テキストの異なる部分に色を付けて分かりやすく表示。“コピペ”を見抜くのにも役立つ。
STAP細胞問題では、理化学研究所の小保方晴子氏の博士論文が米国立衛生研究所のWebサイトに掲載されている文章と酷似しているとの指摘があり、2つの文書を「difff」を使って比較したURLがTwitterなどで出回った。
difffは、2つのテキストの差分を検出して表示するサイトで、内部ではUNIXのdiffコマンドを利用しているとのこと。開発した@meso_cacaseさんは生物学の研究者。大学院生だった2004年、論文執筆時に共著者による修正がすぐ分かるツールとして、生物学の研究とは無関係に自分のために開発したという。
当時、研究室のボスや論文の共著者とWordファイルで論文の原稿をやりとりしていたが、関係のないところに不思議な文字が入って返ってきたりしたため、修正前の原稿との差分がすぐ分かるように開発したという。
研究者以外の利用者にも、さまざまな場面で役立つかもしれないと考え、12年4月に一般公開。サービス名は「diff file」を「difff」と短縮し、「ディフ・エフ」と読んでいたが、Twitterで「デュフフは役に立つなぁ」などとつぶやいた人がいたことがきっかけとなり、「デュフフ」と呼ばれるようになった。
difffは、論文などテキストの差分を見抜くだけでなく、プログラムのソースコードを比較するといった用途にも役立つ。投稿された文書はサーバに一切残らないようになっているとのことだが、それでも「部外秘の文書をどうしても社内のサーバでデュフフしたいというような要望が多かった」として、GitHubにソースコードを公開している。
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