「“ガラケー”に近い料金設定にした」――イー・アクセスとウィルコムが合併して7月1日に発足した新会社・ワイモバイルのエリック・ガンCEOは7月17日、月額2980円(税別)からのスマートフォン向け新料金プラン「スマホプラン」を8月1日にスタートすると発表した。月額料金をフィーチャーフォン(ガラケー)並みに抑え、スマホ移行ニーズを取り込む狙いだ。
大手キャリアが最近発表したスマートフォン月額料金(通話・通信・基本料込み)はそろって6500円からと高額で、「ガラケーからの移行のハードルになっている」(寺尾洋幸COO)。「イオンのスマホ」などMVNOを使った“格安スマホ”は端末代込みで月額3000円を下回るものも多いが、通話料が含まれていなかったり、「ある程度リテラシーがないと使いづらい」(寺尾COO)という問題がある。
ワイモバイルのスマホプランは、大手キャリアと格安スマホの中間に設定。SIMカードなどの知識がなくても利用できる低価格キャリアとして、スマホをまだ持っていない「レイトマジョリティ」をターゲットに売り出す。「日本のスマートフォン普及率はまだ5割。半分はガラケーだ」とガンCEOは指摘。市場は大きいとみる。
ヤフーと協業し、「Y!mobile」ブランドで商品・サービスを提供。「イー・モバイル」と「ウィルコム」のブランドは8月1日で「Y!mobile」に統一し、「イー・モバイルショップ」「ウィルコムプラザ」も「ワイモバイル」に変更する。「Yahoo!JAPAN」のサービスと連携。「イー・アクセスとウィルコムは“土管屋”だったが、Yahoo!JAPANのサービスを連携させ、分かりやすいパッケージを提供したい」(寺尾COO)
「大手の料金は複雑すぎて分かりにくい。ワイモバイルは通信・通話料金コミコミで『S』『M』『L』の3種類だけ。(S、M、Lサイズから選べる)コーヒーのように、かなり分かりやすい料金にした」とガンCEOは胸を張る。
スマホプランは、月間高速データ通信容量が1Gバイトまでの「S」が2980円、3Gバイトまでの「M」が3980円、7Gバイトまでの「L」が5980円。容量の上限を超えると通信速度が送受信最大128Kbpsになるが、500Mバイトごとに500円支払えば高速通信できる。
10分以上・月300回以上の国内通話は30秒20円。オプションで、国内通話完全定額の「スーパーだれとでも定額」(月額1000円)を利用できる。
大手3キャリアのスマホ定額は、通信量が月2Gバイトで月額6500円からの横並びだ。「当社はよく(ソフトバンクモバイルの)グループと言われるが、料金プランを見ると、6500円でそろっている大手3社がグループなのではないか?(笑) “お試し”のお客さんには、月1Gバイトの当社の料金が良い選択肢になるのでは」(ガンCEO)
新料金プランに合わせ、スマートフォン新端末を発表。厚さ6.8ミリ・重さ110グラムとスリム・軽量な「STREAM S 302HW」(Huawei製)を8月1日に、防水・防じん・耐衝撃性能を備えた「DIGNO T 302KC」(京セラ製)を9月以降に発売する。STREAM SはSIMロックフリー、DIGNO TはSIMロックがかかっている。「基本的にSIMロックフリーで出す方向性を継続したい」(ガンCEO)
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