最近、少し気になる出来事がありました。Twitter上で「クズだな」「クズ過ぎる」などの短いひと言が添えられ、何者かのツイートが続々と引用RT(リツイート)されていくというものです。元ツイートをたどろうと投稿内容をクリックしても、似たような投稿をたらい回しにされるだけで、一向に元ツイートにたどりつく気配がありません。
この一連の出来事について、ねとらぼがその全体像をまとめています。
種を明かせばなんてことのないジョークのようなもの。Twitterをはじめ、SNSではこのようなことがたまに起きるわけですが、個人的には少々良くない流れだという印象を持ちました。
こうした一連の投稿は、悪用しようと思えばできてしまう内容だからです。
「身近な話題を例にITリテラシーを高めていこう」がコンセプト。さらっと読めて人に話せる、すぐに身につく。分かりやすさ重視で解説。小ネタも扱います。
(編集:ITmedia村上)
私が悪い印象を持ったのは、今回の内容が単なる短文で示された上に、何のヒントもなくURLだけが張り付けられていたからです。一瞬だけスパムbotによる投稿を疑いましたが、名のあるアカウントが参加している他、それぞれの投稿内容が少しずつ異なるため、その時点で事件性はないと判断しました。
大体のオチも見えてしまったのは、恐らくホームページ全盛期の時代に「TMJ」(たらい回しジャパン)という一大ブームを経験していたからかもしれません。ただし、もう20年近く前のムーブメントであることからか、検索でもほとんど引っ掛かりません。ネット上のたらい回し未経験の方は、参考までに下記のページをご参照ください。
多くの人のホームページに「TMJは移転しました」というページと共に、リンク先が表示されていて、そこをクリックしてもやっぱり「TMJは移転しました」というリンクが表示される――この話と今回の「クズ過ぎる」というTwitter投稿は似たようなものかもしれません。
しかし、現在では何らかのゴシップが広まると、その騒動に乗じてマルウェアや偽アプリをダウンロードさせるようなサイバー攻撃が発生します。その観点でいうと、今回のように何の説明もなくリンクだけが置かれている投稿、かつそれをクリックさせようという空気感は、サイバー攻撃者にとってこれ以上ないチャンスに見えたかもしれません。実際に攻撃が行われたという話は聞いていませんが、次にこのようなことが起きた場合、私なら楽しむことよりも、リスクを最小限にするため「無視する」という選択をとると思います。
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