2014年8月13日(日本時間)にMicrosoftが公開したWindowsの更新プログラムを適用すると、OSが異常終了したり、再起動に失敗するトラブルが発生している。
Microsoftが運営するTechNet Blogsの「日本のセキュリティチーム(JSECTEAM)」は、特定の更新プログラムをインストールすることで、「Stop 0x50」というエラーが発生する場合があり、このエラーがWindowsの異常終了や再起動の失敗を引き起こすことを明らかにした。
問題の更新プログラムは以下の4つだ。これらをインストールしても問題が発生しない場合もある。
TechNet Blogsの投稿では、Windows 7/8の起動に失敗する場合の復旧方法を紹介している。
セーフモードで起動し、コマンドプロンプトで特定ファイルを削除後、Windows上でレジストリエディタやコマンドプロンプトを操作し、問題の原因となる更新プログラムをアンインストールするという流れだ。レジストリエディタの操作も含むため、作業は慎重に行いたい。
もしセーフモード自体が起動しない場合、Windows 8.1(Update)では、「自動修復」メニューから「詳細オプション」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」と選択し、「スタートアップ修復」もしくは「システムの復元」を実行することで、復旧できる可能性がある(Windows 8の場合、「自動修復」もしくは「システムの復元」を実行)。
また、Windows 7では電源オン直後にF8キーの連打で「詳細ブート オプション」画面を表示し、「コンピューターの修復」を選び、そこから「スタートアップ修復」もしくは「システムの復元」を行うことで復旧できる可能性がある。
上記4つの更新プログラムをまだインストールしていないユーザーは、Windows Updateの自動更新を一時オフにするなどして、同社がこの問題に対処するまでアップデートしないよう注意したい。
すでに上記の更新プログラムを適用後に再起動して無事だったユーザーについても、2回目以降の再起動で失敗するケースが報告されている。念のため、「コントロールパネル」の「プログラムと機能」にある「インストールされた更新プログラム」から該当する更新プログラムをアンインストールしておいたほうが無難だ。
上記TechNet Blogsの投稿が8月18日に追記された。セーフモードからの復旧を試みる前に、まずはDVDなどのインストールメディアからPCを起動し、スタートアップ修復やシステムの復元を行うことで、問題の更新プログラムをインストールする前の状態に戻し、システムのバックアップがある場合はリストアするという方法を紹介している。
すでに問題の更新プログラムは配信が停止されており、Windows Update、Microsoft Update、自動更新経由でのアップデートは行われない状況だ。同社はこれらの更新プログラムをインストールしても問題が発生していないPCに対して、予防的措置のため、アンインストールすることを推奨している。
上記TechNet Blogsにて8月20日、JSECTEAMは今回の不具合について対応方法のまとめを公開した。
この問題は全バージョンのWindowsで発生する可能性があるが、現状ではWindows 7/8/8.1での報告がほとんどという。
ブルースクリーンの発生、PCが起動できない、PCが再起動を繰り返すといったトラブルに対しては、起動時にF8キーを連打して「詳細ブート オプション」を立ち上げ、「コンピューターの修復」から「スタートアップ修復」を行う復旧手順を推奨している。
これらの更新プログラムを導入して問題が発生していない場合でも、予防的措置のため、アンインストールすることを推奨している点は従来通りだ。
現在、Windows Updateなどで問題の更新プログラムは配信が停止されているため、自動更新を停止する追加対応は不要としている。
8月28日(日本時間)、不具合を抱えた更新プログラムのうち、「2982791」を修正するセキュリティ更新プログラム「2993651」が公開された。Windows Update、Microsoft Update、自動更新、Windows Intuneにて配信されているが、適用前に古い2982791をアンインストールすることが推奨されている。
9月3日(日本時間)、不具合のある更新プログラムのうち、残る3つの「2970228」「2975719」「2975331」も修正版プログラムが公開された。これらは緊急を要するものではなく、「2970228」については「ロシアの通貨ルーブルの新しい表記サポート」、「2975719」と「2975331」についてはWindows 8/8.1/RT/RT 8.1とWindows Server 2012/R2向けの8月定例アップデートのまとめとなっている。
これにより、事実上8月の更新プログラム4つで発生した一連の問題はほぼ収束したと考えられる。
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