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「経費も教員も削減せざるを得ない」 京大理学部が寄付呼びかけ

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   事業仕分けなどによって、科学技術分野への予算が相次いで削減される中、京都大学理学部が寄付のお願いをしている。法人化してから、経費削減で教員の数も減らさなくてはいけない状況に追い込まれているのだという。ネットでは、「名門なのにこんなありさまなのか」といった声も挙がっている。

   京大理学部のHPに2010年5月初旬、「京都大学理学部の教育・研究へ絶大なる御支援を」という文章が掲載された。京大理学部への寄付の呼びかけをするもので、同学部の現状をおおむね以下のように説明している。

大学の基盤的経費、年1%ずつ削減

   ノーベル賞受賞者や、フィールズ賞受賞者を輩出し、霊長類や宇宙物理学などの分野でも独創的な研究が行われている。研究成果を出すためには、景気動向や政権の変化など社会情勢に関係なく、自由な発想でチャレンジできる環境が大切だとする。

   しかし、04年に国立大学が法人化されて以降、国の政策のもと運営交付金など、日常的な研究を支える大学全体の「基盤的経費」(人件費含む)が毎年1%ずつ減少。2010年は、1.8%の削減が課せられた。こうした状況下で、京大理学部では法人化前に比べ教員数を10人以上減少させる事態に陥っている。

   また、大学や研究者同士で競争を競わせるような圧力もかけられている。産業や医療と直結するような分野では、競争で研究が進展することもあるが、基礎的な分野を扱う理学は、問題点や目標が不明確な課題に取り組むことが重要だ。そのため、京大理学部は競争重視の経費分配方式から「負の影響」を受けているとし、

「基礎学問の発展そして、次世代を担う若き研究者の養成に賛同していただける方々の存在が極めて貴重なものとなっております。(中略)寄付などをお考えのときは、電話をいただけると幸甚です」

と呼びかけている。

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