『Evernote』の本が続々と登場していますが、本書は、Evernoteのヘルプ的なマニュアルではなく、Evernoteを第二の脳として活用するための本です

Evernoteは自由度が高く、対応機種もPCからスマートフォン、iPhone/iPadまで対応していますし、対応ファイルはテキストファイルはもちろん、画像ファイル、PDFファイルなどにも対応し、有償ヴァージョンなら、さらに多くのファイル形式に対応しています。

しかし、逆にその自由度の高さゆえに、便利と評判だからインストールしたものの、どのようにつかえばよいかわからず、途方に暮れている方も多いのではないでしょうか? 人間、自由を与えられると、逆になにをしていいのかわからなくなるものです。

 

本書では、Evernoteでの情報処理のステップを「収集」「整理」「活用」の3ステップに分類し、実際の情報処理の流れに沿って詳しく解説しています

 「収集」のステップでは、著者はまず「Evernoteを使う目的を明確にすること」を強調しています。例えば本書の著者の場合は、Evernoteで情報収集する目的を

  • 仕事で使えるネタを集めたい。
  • ブログや執筆などのネタを集めたり、下書きを作成したい。
  • 自分が1ミリでも興味を持った情報は参考資料として残しておきたい。
  • 自分の思い出をいつでも引き出せる形で残しておきたい。
  • 日々の、そして将来の振り返り用にライフログを残しておきたい。

としています。

「Evernoteをどう使っていいかわからない!」という方は、案外Evernoteの使い方がわからないのではなく、目的が明確になっていないのかもしれません

それにしても、収集のステップだけでもその方法は多種多様です。PCからだけでも、デスクトップクライアントを使ってノート作成、Webクリップ機能、スクリーンショット、Webカメラ、フォルダインポートと、大きく分けても5つ。もちろん、ケータイ、スマートフォンからも写真や音声、テキストを取り込めますし、またそのアプリも多種多様です。目的を明確にしてやらないと、収集疲れを起こしちゃいそうですね。

収集しても、整理しなければ宝の持ち腐れです。収集はなんでもかんでも放り込む力業でもいけそうですが、整理は体系立ててやらなくてはうまくいきません。本書では、GTDの概念を参考に、整理のステップを踏んでいます。「EvernoteをGTDのツールとして使いたい!」という方には、非常に参考になると思います。

情報活用の部分では、僕は「読書経験を記憶する」と「目標・ミッションノートを作成し、日々振り返る」の部分が参考になりました。巻末には、4人の「Evernote達人インタビュー」もあります。達人の方の活用法も参考になりますね。

Evernoteの操作方法は理解したので、さらなる整理・活用を模索しているという人にオススメの本と思います。

(聖幸)