インターフェイスが一新し、スピードも向上、機能もアップした『Firefox 4』。Chromeなど、他のブラウザのユーザさんの中には「どれほどいいブラウザなのか気になるけれど、乗り換えるのはちょっと様子見...」という方もいらっしゃるかもしれませんね。そこで、米Lifehacker編集部のWhitsonが、ChromeからFirefox 4に乗り換えた理由について綴っているので、そちらをご紹介します。

 Whitsonは元々Firefoxユーザではなかったそうです。Chromeがリリースされるまでは、いろんなブラウザをあれこれ使っており、ChromeにしてからはChromeばかり使っていたとか。Chromeは速い上に拡張性があり、すべてのプラットフォームで利用可能と、ユーザ数が増えるにつれ、どんどん良くなっていきました。

しかし、みな口々にFirefox 4のスゴさを語っているので、ついにWhitsonもこれを試してみることに。米LifehackerチームのほとんどはChromeに乗り換えていますが、WhitsonはChromeのも小さなことにイライラさせられ始めていたので、Firefoxがスピードアップすれば、Chromeから乗り換えるのもアリかな...という心境だったそうです。

乗り換えて数日経ち、WhitsonはすっかりFirefox 4の虜に。もし、Firefoxをしばらく使っていない、もしくは過去に使ったことのない人は、試す価値ありです。その理由として、Whitsonは以下の6つを挙げています。

1: スピードの速さ

Firefoxはその遅さゆえ、これまで敬遠されがちでしたが、Firefox 4ではスピードが非常に速くなり、かつての苦痛はほとんどありません。たしかに、Chromeほど速くはないかもしれませんが、それに匹敵する速度です。


2: ミニマルでカスタマイズ可能なインターフェイス

Firefox 4の新インターフェイスでは、タブがウィンドウの上に移動していたり、「Firefoxボタン」が追加されるなど、素晴らしい改善がいくつもなされています。また、更新ボタンといったゴチャゴチャしがちなナビゲーションボタンが削除、移動し、スッキリしました。

もちろん、これらの変更が完璧というわけではありません。Firefoxボタンの位置には課題がありますし、タブがウィンドウの上に移動したとはいえ、それほど省スペースにはなっていません。とはいえ、Firefoxのインターフェイスはカスタマイズ性があるので、これらは実際には問題ではありません。Firefoxボタンも、より適切な位置に移動させられますし、タブを移動させて縦スペースを拡大することも可能です(このテーマについては、ライフハッカーアーカイブ記事「『Firefox 4』のインターフェイスにまつわる7つのイライラとその修正方法」で詳しく採りあげています)。

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Chromeファンの方から「Chromeに似せておいて、Firefoxのほうが優れているといえるのか?」という指摘があるかもしれません。Firefoxのユーザインターフェイスは、Chromeほどいいとはいえないですが、Firefoxが明らかにChromeよりも優れている点は、カスタマイズ性の高さです。気に入らないものがあれば取り除け、ほしいものは追加できます。

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Chromeでは、ナビゲーションバーの変更くらいしかできませんが、Firefoxなら、フルスクリーンボタンやズームコントロール、RSSボタン、ブックマークメニューなど、様々なものを追加でき、そのアイコンの大きささえ変更可能です。もちろん、Chromeでも拡張機能をインストールすれば、これらの多くを実現できますが、Firefoxにはデフォルトでこれらが備わっています。さらに、Firefoxには「userChrome.css file」(Windows/Linuxのみ・英文記事)があるので、インターフェイスをピクセルレベルで調整できます。また、拡張機能「Stylish」も見逃せないポイント。これを使えば、Firefoxのインターフェイスだけでなく、ほとんどすべてのウェブサイトのインターフェイスを調整可能です。


3: about:config

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Firefox 4で新しく登場したものではないですが、「about:config」ページは、Firefoxが提供するベスト機能のひとつ。通常の設定メニューにない多くの設定を変更できます。たとえば、「Ctrl」+「Tab」キーを使ったオープンタブのプレビュー「オフライン作業モード」への自動切替の防止のほか、スペルチェック機能を目立たせたりメモリ使用量を軽減させるといったことが、「about:config」設定で実現できます。

Chromeにも、「about:flags」ページがあり、Firefoxの「about:config」よりも使い勝手はいいですが、「about:config」ほど強力なものではありません。「userChrome.css」と「about:config」は、いずれもカスタマイズにまつわる機能。Firefoxは、他のブラウザと比べ物にならないほどのカスタマイズ性を提供しています


4: カスタム検索エンジンの同期

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一見小さなことですが、カスタム検索エンジンは、実は便利(詳しい方法は、米Lifehacker記事「How to Search Lifehacker.com Using Google・英文」を参照のこと)。Lifehackerの過去記事やYouTube動画などの検索に、カスタム検索エンジンを利用しています。またこの方法を応用すれば、ライフハッカーアーカイブ記事「ウェブアプリをアドレスバーから操作するための8つの例+α」で紹介したとおり、カレンダーへの予定追加やToDoリストへのタスク追加など、ウェブアプリのあらゆる操作をブラウザのアドレスバーで行うことも可能です。

Chrome間でこれらを同期できないのが、個人的には不満です。一方、Firefoxはこれらをブックマークに統合するので、「Firefox Sync」や『Xmarks』のようなツールを使って、ブックマークと一緒にカスタム検索エンジンも同期できます


5: モバイル同期

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奇妙な話ですが、Androidユーザは、ChromeよりもFirefoxのほうが同期しやすいです。必要なのは『Firefox Mobile』だけ。AndroidブラウザとChromeとの同期よりも優れています。ブックマークや履歴、パスワードなどを同期できるので、PCから離れても、直近のセッションからスマートフォンでブラウジングできます。Chromeには、Chromeからスマートフォンへの一方向のリンク共有しかありません。


6: セキュリティ証明書

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それほど頻繁に使うものではないかもしれませんが、自分がChromeからサヨナラしようと思った理由のひとつが、セキュリティ証明書です。Chromeでは、Firefoxほど洗練された方法で、SSL証明書を処理していない気がします。Firefoxでは、セキュアなページにいるとき「Add Exception」ボタンをクリックすれば、例外だと認識してくれますが、Chromeはそうはいきません。信頼できるページだとわかっているときには、イライラさせられます。


もちろん、Firefox 4が完璧というわけではありません。Chromeほどのスムーズさがないなどの課題もあります。しかし、Firefoxの安定性とカスタマイズ性は、Chromeに勝るものだとWhitsonは感じているようです。

みなさんは、Firefox 4にどのような印象をお持ちですか? Chromeからの乗り換えた方々はもちろんのこと、乗り換えを検討中の方からのコメントもお待ちしております。

Whitson Gordon(原文/訳:松岡由希子)