「OS Xは制約が多く、カスタマイズしにくいオペレーティングシステムだ」という声をよく耳にしますが、やり方さえわかっていれば、Macの見た目や機能にあれこれ手を加えられます。その方法をご紹介しましょう。
OS Xの見た目をカスタマイズする
OS Xの見た目が好きだという人はたくさんいますが、完璧というわけではありません。ほかのオペレーティングシステムに比べれば手を加えにくいものの、カスタマイズは間違いなく可能です。これからいくつかツールやマニュアルをご紹介しますので、自分の手で自分だけのOS Xデスクトップを作ってみませんか。
『GeekTool』でデスクトップを丸ごとカスタマイズする
『GeekTool』は、とても簡単にデスクトップをカスタマイズし、大量の情報を追加できるツールです。このツールを使って、デスクトップにオブジェクトや情報などをあれこれ埋め込み、iMacを情報ハブへと変身させましょう。
興味のある方は、GeekToolの使い方を詳しく説明したガイドをご覧ください。ここでは、特筆すべき使い道を紹介します。
- デスクトップに日付と時計のウィジェットを追加する。
- 小型カレンダーを追加する。
- バッテリー容量やCPU、メモリのステータスといったシステムデータを表示する。
- 天気図を追加する。
- さまざまな生産性アプリのタスクを表示する。
- スコアボードやライブアップデート情報を追加する。
- 公開されているテーマを使って自分のスクリーン構成全体を変える。
GeekToolをめいっぱい使うか、ちょっとだけ使うかはあなた次第です。各ウィジェットは公開リポジトリのものなので、デスクトップいっぱいにお好みのものを埋め込んでも、カレンダーウィジェットなどのシンプルなものだけを使っても良いでしょう。カスタマイズのためのアイデアがもっとほしい方は、まずはこちらのSubredditを参考にしてください。
オリジナルのアイコンを手動で作成する
これまでずっと、Mac用のアイコンをカスタマイズするなら『CandyBar』だと言われてきましたが、サポートが終了してしまいました。とは言うものの、好きなアプリやフォルダのアイコンを手動で変えるのは簡単です。上の動画で大まかに説明しています。
- アイコンを変えたいフォルダを選択し、「cmd」+「i」を押して、フォルダの情報ウィンドウを開く。
- フォルダのアイコンにしたい画像をプレビューで開く。まず「cmd」+「a」を押して選択し、それから「cmd」+「c」を押してコピーする。
- 情報ウィンドウに戻り、左上の角にあるアイコンをクリックし、「cmd」+「v」を押して、カスタマイズされたアイコンの画像をペーストする。
アイコンを探すなら、「AddictiveTips」がオリジナルアイコンの作り方を説明しているので参考にしてください。また、ほかのユーザーが作ったアイコンを探したい場合は、「IconFactory」の昔からあるCandyBarアイコンのリポジトリが、今でも頼りになる情報源になります。オンラインで自分だけのPNGファイルを見つければ、大半のフォトエディターでオリジナルアイコンを作成することもできます。
『Flavours』でOS Xの色をカスタマイズする
誰もがOS Xの殺風景な配色を好んでいるわけではありません。でも、お金を払う気があるなら、『Flavours』(19ドル90セント)がOS Xインターフェースのカラー設定を丸ごとカスタマイズする近道です。
Flavoursは、テーマを使ってOS Xのカラースキームを変えるというもの。テーマは、インターネットで共有されているものを使っても、アプリで自作しても構いません。とにかく、Flavoursを起動して、さまざまなOS Xインターフェース要素のカラーに適用するだけです。レイヤーをあれこれ調整したり、グラデーションを用いたり、独自の背景を作ったりもできます。自分でうまくデザインするのは少し難しいかもしれませんが、テーマレポジトリにはいろいろな種類のスキンがあります。Flavoursで思うようにできない時は、代わりに『CrystalClear』を使ってみると良いかもしれません。
『Lion Tweaks』で一切の面倒を解消する
『Lion Tweaks』は、OS Xのちょっとした困り事を解決してくれる無料アプリで、Lion、Mountain Lion、Mavericksに対応しています。FlavoursやGeekToolと違い、テーマを根本的に変えるといった大仕事はできませんが、OS Xのちょっとした癖を改善するのに役立ちます。インストールさえ済めば、たくさんの設定を簡単に切り替えられるようになります。
Lion Tweaksでできることはたくさんあります。以下に、お勧めをいくつか挙げてみました。
- ユーザーライブラリフォルダを表示/非表示にする。
- ドックの表示を3Dまたは2Dにする。
- iTunesのDockアニメーションを有効化する。
- Spotlightのアイコンを非表示にする。
- 通知センターの背景画像を変更する。
- iCalのインターフェースを変更する。
- ローンチセンターの背景をカスタマイズする。
基本的には、ターミナルコマンドでもできる作業ですが、Lion Tweaksのほうがずっと簡単です。
OS Xの機能をカスタマイズする
OS Xは見た目がすべてというわけではありません。機能もカスタマイズできたら良いのにと思う時がありませんか。そのためのオプションは充分にあります。ちょっといじるだけで、キーボードの機能やタッチパッドの操作など、さまざまな作業をカスタマイズできます。
『Alfred』でさまざまな機能を追加する
オペレーティングシステムの機能をカスタマイズするなら、アプリケーションランチャーを使うのが一番です。OS Xなら『Alfred』が断然お勧め。初心者向けのAlfred完全ガイドを読めば何ができるかすべてわかりますから、ここではあまり説明しませんが、大まかな点を紹介しておきましょう。
- キーボードショートカットでシステム設定をコントロールする。
- AppleScriptを使って独自のワークフローを作成し、開いているタブの検索を実行したり、Evernoteをオペレーティングシステムに直接統合したりできるようにする。
- メールをすばやく送信する。
- キーボードショートカットを使って特定のウェブサイトを検索する。
- ファイルや特定のフォルダを検索する。
基本的にAlfredは、OS Xが搭載するSpotlightの機能充実版のようなもので、キーボード操作だけでいろいろな作業ができるようにしてくれます。
『Keyboard Maestro』でMacのすべてを自動化する
Windowsユーザーは『AutoHotKey』が大好きです。Macでそれに一番近いのが『Keyboard Maestro』(価格は36ドルで、ダウンロードすると30日間の無料トライアル付き)です。AutoHotKeyと同じく、Keyboard Maestroを使えばマクロをキーボードに割り当てられるので、キーボードショートカットだけでいろいろなアクションを起こせるようになります。
例えば、設定さえしておけば、1回のキーボードショートカットだけで、仕事用の全アプリケーションとURLを一気に開いたり、ワイヤレスネットワークが変わった時や特定のUSBデバイスをプラグインした時にマクロを実行したり、ウィンドウを自動的にアレンジしたり、といったさまざまなことが可能になるのです。
Keyboard Maestroのドキュメンテーションは非常に重いのですが、それはこのアプリでたくさんのことができるからです。使い始めたばかりなら、慣れるまで共有マクロを利用しても良いでしょう。では、Keyboard Maestroを使い始めるにあたって役立つガイドをいくつかご紹介します。
Keyboard Maestroの設定はそれほど大変ではありません。単調な反復作業の大半を自動化して、仕事の能率化を図りましょう。
『BetterTouchTool』でマウスとジェスチャーをカスタマイズする
Macには優れモノのトラックパッドがありますが、残念ながら、Appleはそれを有効活用させてくれません。『BetterTouchTool』は、さまざまな操作ができるようにジェスチャーをカスタマイズする無料ツールです。
キーボードショートカットが存在する操作なら、どんなものもジェスチャーに割り当てられます。例えば、設定さえしておけば、Chromeを使っている時に3本指で上にスワイプしてウィンドウのサイズを変更したり、Illustratorを使っている時に4本指で下にスワイプして1つ前のアクションに戻ったり、といったことが可能です。BetterTouchToolは、Magic Mouse、普通のマウス、Apple Remote、Leap Motionにも対応しています。設定は極めて簡単で、アプリを開き、ジェスチャーを選び、それにキーボードショートカットを割り当てるだけでおしまいです。
それ以外はすべてAutomatorで
Macをとことん望み通りに動かしたかったら、『Automator』を使うしかありません。ご存じない方のために説明すると、Automatorとは、オリジナルのワークフローを作成し、何度も実行するタスクを自動化できるツールです。
Automatorは機能が盛りだくさんなので、米ライフハッカーでは、初心者向けの完全ガイドを作成しています。また、これまでにもさまざまなワザを紹介してきました。それを念頭に置きつつ、ほかの人が作成したお勧めのAutomatorスクリプトをいくつかご紹介しましょう。
基本的には、いったんAutomatorに慣れてしまえば、Macをありとあらゆる形で自動化できます。Keyboard Maestroのようなアプリと組み合わせれば、Macはあなたの思うがままになります。さらに、カスタマイズしたテーマやGeekToolのウィジェットを加えれば、あなたのMacはある日突然、もうMacとは思えないような大変身を遂げるかもしれません。
ここで、OS X機能のカスタマイズに役立つそのほかの専用アプリについても、いくつかご紹介しておきましょう。お勧めは以下の通りです。
- Divvy:Divvyはシンプルなウィンドウマネジャーです。簡単にウィンドウのサイズを変更し、タイル型に並べ替えられます。
- Dropzone: Macのドラッグ&ドロップ機能に数々のオプションを追加してくれます。
- HyperDock:Dockにいろいろな機能を追加し、ただの起動アプリとは思えない便利ツールにしてくれます。
- Desktop Group:デスクトップ上のものをすべてグループ分けし、整理された状態を保ちます。
多少の手間がかかるのは確かですが、実はOS Xも、さまざまな形でのカスタマイズが可能です。ただし、喜び勇んでいっぺんに手を出したりしないように気をつけてくださいね。
Thorin Klosowski(原文/訳:遠藤康子/ガリレオ)