Inc.:「仕事と家庭、どうやって両立してるんですか?」

女性のビジネスリーダーが脚光を浴びると、必ずと言っていいほど聞かれる質問です。でも、男性の経営者に同じ質問が浴びせられることはまずありません。この社会には、そんなダブルスタンダードが存在しているのです。でも、男性は何も犠牲にしていないのでしょうか?

数十億ドル規模のデータベース会社「MongoDB」のMax Schireson CEOは先日、自身のブログにおいて、男性の経営者の口からはあまり聞かれることのない理由でCEOを退任することを発表しました。「もっと家族と一緒に過ごしたい」と言うのです。

私の妻は、友人や同僚から、仕事と家庭をどう両立しているかを聞かれることはよくあります。でも、どういうわけかその質問が私にされることはありません。(中略)数カ月前、バランスを取るための手段は、今の職を降りること以外にないと決意しました。

ダブルスタンダードの背景にある真実

このブログポストは、2つの意味で非常に魅力的です。第1に、Schireson氏が大胆にも、炎上しがちなブロガーが書きそうな内容であるダブルスタンダードを取り上げたこと(例えばPenelope Trunkさんは、「社会にはダブルスタンダードが存在しています:貧しくて子どもを見捨てた場合、悪い親と見なされます。でも、リッチな人が、会社経営のために子どもを見捨てると、Fortuneマガジンに掲載されるのです」と書いています)。

第2に、このポストは、多くの人が想像している成功者像を覆し、真実を明らかにしたこと。会社のトップだからといって、仕事をうまく進めるために、家族を犠牲にする必要はあるのでしょうか? CEOとして成功するためには、親としては平均以下でなければならないのでしょうか?

このような葛藤を告白した父親は、Schireson氏だけではありません。「Stack Exchange」の共同創業者であるJeff Atwood CTOも、家族としての責任を理由に、2012年に退任しているのです。Atwood氏は当時のブログにおいて、「スタートアップの生活は、家族にとっては厳しいものがあります。我が家には2人の新しいメンバーが加わったばかり。2人の幼子を抱えながら全速力で走り続けることは、とても続けらることではありません」と記しています。

アン・マリー・スローター氏は、国務省を退職したときの決断に関して、「Why Women Still Can't Have It All」(なぜ女性はまだすべてを手に入れることができないのか)という記事を『Atlantic』誌に寄稿し、物議を醸しました。

その後James Joyner氏が、同じ雑誌において、「Men Can't Have It All, Either」(男だってすべてを手に入れることはできない)という記事を書きました。Joyner氏は、生物学的な男女の違いに言及した後、前述のダブルスタンダードについて、「親として不十分な場合、一般的により厳しく非難されるのは女性の方である」と述べたうえで、次のように結論付けています。

人生はトレードオフの連続です。だから、「すべてを手に入れる」なんて誰にもできません。これまでもそうだったし、これからもそうでしょう。女性だろうと男性だろうと、そのことに変わりはないのです。

Schireson氏のCEO退任について、あなたはどう思いますか? 仕事を理由に男性が子育てを放棄することは、あってもいいのでしょうか? キャリアと父親業の両立はできるのでしょうか? ぜひ、ご意見をお聞かせください。

Can You Be a Good CEO and a Good Parent at the Same Time?|Inc.

Jessica Stillman(訳:堀込泰三)