「Windows 10」がリリースされました。誰よりも早くインストールしたいという人も、アップグレードすべきかどうか決めかねている人も、Windows 10にはこんなうれしい新機能があるという話は耳にしているのではないでしょうか。
この記事では、そんな新機能の中から、まだあまり知られていないけれどかなり使えるものをご紹介しましょう。
「アプリ」画面の「設定」から特定のセクションを検索&ピン留め
Windowsのベテランユーザーならご存知のように、設定を変更したい項目がある場合は「コントロールパネル」を開くのが普通です。ただし、Windows 10では、こうした設定事項の多くがスタートメニューの「アプリ」部分に表示される「設定」画面に移動しています。コントロールパネルも健在ですが、設定画面はスタートメニューでもより目立つ場所に置かれていますし、こちらの方が必要な項目を見つけやすいはずです。
でもさらに重要なのは、設定画面の中から好きなセクションを抜き出してスタートメニューにピン留めする機能が新たに加わった点です。例えば、「Windows Update」に素早くアクセスできるショートカットが欲しいなら、以下のステップで作成できます。
- スタートメニューで「update」と検索し、「更新プログラムのチェック」をクリック。
- 設定画面の「Windows Update」セクションが開きます。
- 設定画面のサイドバーに表示される「Windows Update」を右クリック。
- 「スタート画面にピン留め」をクリック。
これで、スタートメニューからワンクリックで設定内のWindows Updateセクションにジャンプできます。
ただ、Windows 10ではさまざまな項目が移動しているため、わかりにくくなっている部分もあります。今のところ、コントロールパネルと設定画面が並存しているうえ、Microsoftはコントロールパネルを廃止するつもりもないようです。とはいえ、このピン留め機能を使えば、日常的に行う設定作業がずっと楽になるはずです。
スタートメニューに「ごみ箱」のピン留めが可能に
設定の各項目だけでなく、Windows 10では「ごみ箱」をスタートメニューにピン留めできるようになりました。どういうわけか、これまでのWindowsではごみ箱のショートカット作成には裏技的なテクニックが必要でした。
でもWindows 10ならデスクトップの「ごみ箱」アイコンの右クリックメニューから、「スタート画面にピン留めする」を選べば、あっという間に作業完了です。
新しいストレージ分析機能でハードドライブをクリーンアップ
パソコンを使っていると、ハードディスクに溜まったいらないファイルを洗い出すために、ディスクスペース分析ソフトが必要になるものです。これまで、こうした分析はサードパーティのアプリに頼るしかありませんでした。
けれどもWindows 10では、ストレージ分析ソフトが最初から内蔵されています。スタートメニューから設定画面で「ストレージ」セクションを検索します。ここから分析したいドライブを選べばOKです。分析が終わると、タイプ別のファイルリストと、カテゴリーごとのストレージ使用容量、そして格納されているファイルの容量順に並べられたフォルダリストが表示されます。
米Lifehackerのイチオシのディスクスペース分析ソフト『WinDirStat』には及びませんが、手軽に使えるのでこれで十分という人も結構多いのではないでしょうか。
スタートメニューからほぼ全てのアプリがアンインストール可能に
これまでのバージョンでは、Windowsマシンからアプリをアンインストールするのが非常に面倒でした。コントロールパネルのアプリ一覧をチェックするか、もっと徹底的にアンインストールしたい場合はサードパーティのアプリをダウンロードするしかなかったのです。
でもこれからは、スタートメニューで任意のアプリを右クリックして「アンインストール」を選ぶだけで削除できます。従来型のデスクトップアプリと新たに導入されたいわゆる「モダン」アプリのどちらでも、この方法で削除可能です。スタートメニューからアプリの名前を検索するか、あるいはスタートメニューの一番下にある「すべてのアプリ」をクリックして、アプリの一覧を表示させてみてください。
または、スタートメニューの「アプリと機能」を検索して、これまでにインストールしたすべてのアプリを一覧表示させることも可能です。これはコントロールパネルで表示されるアプリ一覧とほぼ同じですが、いくつか新機能が追加されています。たとえば、特定のハードドライブにインストールされているアプリに限定したリストも作成できます。これで、使い勝手が少しよくなりました。
アップデートで機能強化された「コマンドプロンプト」
Windows 10が最初に発表された際、Microsoftは、「コマンドプロンプト」でついに「Ctrl」+「V」を使ったペースト機能がサポートされることを明らかにしました。でもこれは、ほんの前触れにすぎなかったのです。
新しいコンソールでは、ウィンドウ内でのテキスト選択やコピーも可能になりました。タイトルバーを右クリックして「プロパティ」を選択すると、テキストの折り返しや、貼り付け時にクリップボードの内容にフィルターをかけられるようになったほか、ウィンドウの不透明度も調整できます。
便利に使えるキーボードショートカットが追加
ショートカットをもっと便利にするには? もちろん、新たなショートカットを増やすするしかありません。Windows 10にはたくさんの新機能が追加されていますから、当然ながらこれを活用するショートカットも増えています。以前からの定番もほとんどは使えますが、ここでは新たに加わったショートカットをご紹介しましょう:
- Win+Tab:すべての仮想デスクトップを一覧表示。
- Win+QまたはWin+S: 音声認識アシスタント『Cortana』を起動。
- Win+I:Windows 10の設定を開く。
- Win+A:通知センターを開く。
- Win+Ctrl+D:仮想デスクトップの新規作成。
- Win+Ctrl+F4:今開いている仮想デスクトップを閉じる。
- Win+Ctrl+[左矢印/右矢印]:仮想デスクトップを切り替える。
- Win+G:ゲームのプレイ中に動画や静止画をキャプチャーできるツール『ゲームバー』を起動。
ここではよく使われそうなものを厳選しましたが、Microsoftの「TechNet」ではさらに多くのショートカットが紹介されています。Windows 10の新機能で使いたいものがあるなら、そのキーボードショートカットがどこかに用意されているかもしれません。ぜひ探してみましょう。
通知トレイの「クイックアクション」をカスタマイズ
Windows 10で新たに導入された「アクションセンター」は、アプリからユーザーに送られる通知をまとめて把握するのに便利な場所です。ここには、よく使う機能を手軽に選択できるよう一カ所にまとめた「クイックアクション」も表示されます。クイックアクションでは位置情報サービスのオンオフや、思いついたアイデアを書き留めるために『Microsoft OneNote』を起動する、VPN設定に接続する、あるいは設定画面そのものを開く、といった操作が可能です。
利用可能なクイックアクションの項目は、ユーザーが使うシステムによって変わってきますが、設定でカスタマイズも可能です。やり方は簡単で、スタートメニューで「クイックアクション」を検索し、この欄に表示したいオプションを選ぶだけです。タッチスクリーン式のディスプレイを備えたマシンなら、タブレットとデスクトップの間でモードを切り替えるスイッチも有効にできます。
指紋認証でマシンのロックが可能に
もう長いこと、指紋認証は新しもの好きの人たちに向けた高価なオモチャという評価がせいぜいでした。しかし、セキュリティの重要性がますます高まる中で、平均的なユーザーも自分の身を守るためのより良い手段を探しています。すでに携帯電話では指紋読み取り機能を備えた機種が出始めましたが、Windows 10でもこの機能がサポートされています。
もちろん、この機能を使うには指紋を読み取るハードウェアが必要で、ほとんどのユーザーはこの時点で対象外になってしまうでしょう。とはいえ、ノートPCには指紋読み取り用のハードウェアを内蔵したモデルもありますし、これがついていないマシンでも、サードパーティの周辺機器を買って機能を追加することはできるはずです。誰もが必要とする機能ではないかもしれませんが、こうしたタイプの生体認証をパスワード管理ソフトと適切に組み合わせれば、パスワードを手入力する必要がついになくなる可能性もあります。
Eric Ravenscraft(原文/訳:長谷 睦/ガリレオ)