「チケット駆動開発の課題と展望」
セッション詳細
最近広まってきたチケット駆動開発(TiDD)の実情を知る絶好の機会でした。最初に「Redmineによるタスクマネジメント実践技法」の著者、小川氏が会場に向けてチケット駆動開発を実践しているか尋ねたところ、およそ半数の方が挙手されました。これは講演者一同にもうれしい驚きだったようです。
◆「現場が楽になる改善をする」
Redmineを使う=成功ではないことを小川氏がさまざまな角度で説明してくださった後、阪井氏から成功したプロジェクトは共通して明確なビジョン「現場が楽になる改善をする」を持っているという話が出ました。阪井氏はキーノートセッションでの岸良氏の「分厚いマニュアルや硬直した標準が、考えない人(マニュアル人間)を作り出す原因になる」という言葉に触れ、考えることの重要性を強調しました。
「アジャイル」という共通項を軸に、各セッションの内容が関連づいて、双方の内容が一気に腑に落ちる感覚を持ちました。Agile Japanが単なる事例発表の寄せ集めでないことに、非常に大きな価値があると思います。
以降、会場からの質問を交えて議論された内容です。
◆チケットに何を書くか
Redmine歴6年という中村氏が外してはならないポイントとして挙げたのは「Doneの定義」です。
当たり前のことだけど、曖昧にしてること多くありませんか?完了条件が曖昧なまま仕事に取り掛かって、上司に後から「そうじゃない!」と言われたり、いつまでも完了できないなんていう経験は誰にでもあると思います。チケットの必須項目にしておくことで、メンバー各自が意識しやすくなりそうです。
◆チケットの最適な粒度
最初はタスクの分け方やチケットの詳細度がマチマチでも仕方ありません。中村氏の提案は、ふりかえりでどの程度書くと効果的なのか検討してみるというものです。
小川氏の経験では最初は3〜4日レベルだったものが、最終的に1日レベルに落ち着いてくるそうです。それ以上細かく分割すると、チケットの管理に時間がかかってしまうので、ツール管理よりも付箋の方が手軽ではないかと中村氏自身のチームで現在取り組み中だそうです。この結果報告も楽しみですね!
◆組み合わせて使うオススメの手法
朝会はチケットの消化具合を確認できる点で有効と小川氏。チケット消化の報告を行うことがメンバーの自信になります。中村氏はチケットの消化具合を出来高として確認できるふりかえりがモチベーションアップになると言います。
職場の朝会・ふりかえりはどうもマンネリ化しがちに感じます。毎日の報告が自信になったり、競争意識を持てたりと、チケットを上手に使うと適度な緊張感が保てそうです。
◆IT技術者として、技術を上手に活用して仕事を楽しみましょう♪
阪井氏から締めのメッセージ。紺屋の白袴になっていませんか?お客様の仕事をシステムで効率化する私たちが、技術を使って効率的になりましょう。
うぅ…耳が痛いですね。
(早版はスピードを重視した版です。内容の充実度よりもいち早く発信することを優先しています。)