Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                
Research Press Release

長期間の熱波でも温度の低い森林

Nature Geoscience

2010年9月6日

ヨーロッパの草原は最初は蒸発量が増加したために熱波の際に温度が低いままであったが、土壌中の水分がなくなるとより急速に加熱されたとNature Geoscience(電子版)に発表された研究が報告している。それとは対照的に、森林では土壌中の水分はよりゆっくりと蒸発し、そのために初期の温度は上昇するが長期的には温度は低くなる。

A Teuling等はヨーロッパの草原と森林で観測塔の観測網から得られたエネルギー流量の測定を解析した。その結果、地面の表面は熱波の初期においては森林は草原の2倍の速さで温度上昇することが分かった。しかしながら、雨が降らない時はいったん乾燥してしまうと草原は大気に対する主要な熱源として森林を上回ってしまう。

この過程により、2003年夏の熱波終盤におけるフランスの異常高温を説明できる可能性がある。

doi:10.1038/ngeo950

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度